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        2013年 5月17日の新作昔話 
        
        
       
負けず嫌いな親子 
中国の昔話 → 中国の情報 
       むかしむかし、あるところに、とても負けず嫌いの親子がいました。 
         
 ある日の事、家にお客さんが来たので、父親が息子に言いました。 
「せがれや。お客にごちそうをするから、急いでブタ肉を買ってきておくれ」 
「はい」 
 
 息子がブタ肉を買っての帰り道、橋のまん中で一人の男と出会いました。 
 息子は大きな豚肉をかかえていたので、正面から来た男に言いました。 
「すまないが、買い物の帰りなんだ。どいてくれないかな」 
 ところがその男は、道をゆずろうとはしません。 
「なんだと? おれの方が先に橋を渡ったのだ。お前の方がどけ!」 
「なにを! こっちは、買い物の帰りなんだぞ!」 
「そんな事、知るか!」 
「このブタ肉を、はやく持って帰らないといけないんだ!」 
「だから、そんな事は知るか!」 
 この橋は幅が広いので二人がお互いに端っこに行けば楽々とすれ違うことが出来るのですが、二人は橋の真ん中に立ったままで、にらみ合いを始めました。 
 
 さて、いつまで待っても息子が帰って来ないので心配になった父親が探しに出ると、二人はまだ橋のまん中でにらめっこをしています。 
 それを見て全ての事情を知った父親は、息子に言いました。 
「せがれや。お客が待っているから、お前は肉を持って先にお帰り」 
「でも・・・」 
「大丈夫。お前の代わりに、おれが立っていてやるから」 
      おしまい 
         
          
         
        
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