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8月26日のイソップ童話
ゼウスとプロメテウスとアテネとモモス
ゼウスは、ギリシャの神々の中で一番偉い神。
プロメテウスは、ゼウスから火を盗んで人間に授けたといわれる神。
アテネは、学問の女神です。
この三人の神がある時、コンクールをしました。
ゼウスが作った雄牛と、プロメテウスが作った人間と、アテネが作った家との中で、どれが一番良く出来たかを比べようというわけです。
審判官には、モモスが選ばれました。
モモスは、不平や悪口ばかり言う神です。
モモスは、ゼウスたちが作った物を見て、ねたましくなりました。
それでまず、ゼウスの雄牛について、
「これは失敗ですね。
雄牛の目は角(つの)の先につけなければ駄目ですよ。
角で突く時にどこを突くか、ちゃんと見定めるには、目は角の先になくてはね」
と、言いました。
次に、プロメテウスの人間をさして、
「駄目駄目、人間の心は外側につけなければ。
心が外についていれば、悪巧みが丸見えで隠しようがないでしょう。
誰もかれも、心の中で思っている事をちゃんと見せるように、心は外側でなくてはね」
アテネが作った家については、
「ふーむ。家を作るなら、車付きにすべきでしたね。
隣に嫌な奴が越してきたら、すぐ別の所へ移れる様に、家にはちゃんと車をつけて欲しかったですな」
嫌みばかりいうモモスに対してゼウスはすっかり腹を立てて、神々の山オリンポスから追い出してしまいました。
このお話しは、どんなに良く出来た物でも、けちをつけようとする人が見れば、必ず何かしら欠点が見つかるものだという事を教えています。
そして、その様にけちをつける人は、相手にしない方がいいでしょう
おしまい
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