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1月22日の日本の昔話
まさかのはなし その2 「自分の頭を食べたヘビ」
『絕對無這種事情』一句口頭禪 之2 食自家个頭那
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客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とんちの上手な人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生,當伶俐个人。
きっちょむさんの村には話しを聞くのが何よりも好きなお金持ちのおじいさんがいて、
在佢戴个莊內,有一個當好聽人講古又盡有錢个老阿伯。
以前、きっちょむさんにたのんで話しをしてもらったのですが、
以前拜託吉四六先生摎佢講古,
「まさか、そんな事はありゃんすめえ」
と言わない約束に失敗して、きっちょむさんにお米を一俵(いっぴょう)取られた事があります。
約定毋講:
「絕對無這種事情。」
輸分吉四六先生一袋米个故事。
→ 『まさかの話』
→ 『絕對無這種事情』
そのおじいさんが、またきっちょむさんに言いました。
該個老阿伯又摎吉四六先生講:
「きっちょむさん、たいくつでたいくつで仕方ないんじゃ。何か話をしてくれんかな」
「吉四六先生講,還無聊,還無聊哦!無法度,有麼个古講分𠊎聽無?」
「まあ、しても良いですが、今度もまた話しの途中で『まさか、そんな事はありゃんすめえ』と、言わない約束をしてくれますか?」
「做得咩,毋過這擺又乜共樣,先聘好勢,講到一半毋好講:『絕對無這種事情』做得無?」
「いいとも、いいとも。もしも言ったら、今度も米を一俵(いっぴょう)やろう」
「做得,做得。假使又講,這擺乜罰一袋米。」
「また、米ですか。前にもらった米にも手をつけていないので、今度は米ではなく、お金の方が」
「又係米。前回个米還吂用,這擺無愛米,愛錢。」
「よし、それなら、こうしよう。ここに千両箱を置いて、もしもわしがその言葉を言ったら、その千両箱を持って帰ってもいいから」
「好,無就恁樣,這放有錢箱,𠊎假使又講時節,你做得將錢箱帶轉去。」
おじいさんが本当に千両箱を用意したので、きっちょむさんは話を始めました。
老阿伯正經準備好錢箱,吉四六先生開始講。
「これはむかしの話ですが、あるところにクチナワというヘビがいました。
「這係老頭擺个故事,某隻所在,有一尾安到kuchinawa个蛇,
そのヘビは冬ごもりの準備に、どこからか手に入れた餅(もち)を巣穴に持ち込みました」
該尾蛇因為冷天會到咧準備愛過冬,滿哪仔去尋糕粄轉蛇竇。」
「ふむ、なるほど」
「fumu,有影。」
「そして冬になって雪がつもり始めた頃、ヘビは巣穴の中でその餅を食べようとしたんだが、何と餅と思っていた物は、実は餅に似た白い石でした」
「過後,冷天到咧,雪緊堆緊多,蛇想愛食佢竇肚个糕粄,仰會該糕粄會看起來係餅實際係白色个石頭。」
「ふーむ、なるほど」
「fu~mu,有影。」
「外はすでに大雪なので、今さら食べ物を探しに行くことも出来ない。
こまったヘビは仕方なく、くるりと首を回して自分の尻尾を一口かじった」
「外背既經落大雪,這下愛出去尋食物又乜無可能,無結無煞个蛇無法度,翻轉頭去咬自家个尾。」
「なるほど、なるほど」
「有影,有影。」
「それからもヘビはお腹が空くと自分の尻尾をかじっていって、冬が終わる頃には、残っているのは頭だけでした」
「從該以後肚屎枵个時節就咬自家个尾來食,冷天過忒个時節斯伸蛇頭。」
「うーむ。まさか・・・」
「fu~mu,無可能...」
おじいさんは言いかけて、危なく思い止まりました。
老阿伯講到一半,想著險險講出來,黏時斯頓恬。
「体がなくなっては、春になっても動く事が出来ない。
「膴身無忒,春天到咧也無辦法停動,
そこでヘビは仕方なく、
『おらの命も、いよいよこれまでか』
蛇無法度,講:『𠊎个命到這為止係無?』
と、言って、最後に残った自分の頭を、大きな口を開けてパクリと食べてしまったんじゃ。
包尾,打開大嘴摎伸著个該節頭那做一口食淨淨,
こうしてヘビは、この世から消えてしまった」
該尾蛇就消失忒咧。」
これを聞いたおじいさんはすっかりあきれかえって、思わず言ってしまいました。
聽著這个老阿伯,嘴擘擘像戇仔像,隨口講:
「まさか、そんな事はありゃんすめえ!」
「絕對無這種事情!」
するときっちょむさんは、ニヤリと笑って、
吉四六先生就笑咪咪
「はい、千両箱をありがとうございます」と、
講:「哈,承蒙你个錢箱。」
千両箱をかついで帰って行きました。
就摎該隻錢箱㧡還轉去了。
おしまい
煞咧
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