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3月14日の日本の昔話
餅屋の値段
糕餅店个價數
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもとんちの出来る人がいました。
頭擺頭擺,有一個安著吉四六个人,非常伶俐。
ある日の事、吉四六さんは、馬にたきぎを積んで町まで売りに行きました。
有一日,吉四六先生牽等一條馬,馬背囊背等樵去街路賣。
「えー、たきぎはいらんかねー。たきぎはいらんかねー」
「e24,愛買樵無?!有人愛買樵無?!」
そう言って売り歩いていると、餅屋の主人が店から出て来て言いました。
緊行緊大聲喊,糕餅店个頭家就在店仔行出來講:
「おい、お前が引いているのを全部買いたいが、値段はいくらだ?」
「噯!你拖等來个全部愛賣幾多錢?」
吉四六さんは、てっきりたきぎの値段を聞かれたのだと思ったので、
「へえ、ありがとうございます。全部でちょうど、百文です」
と、答えました。
吉四六先生話著佢定著問樵个價數,就應講:
「he24,盡承蒙,全部去一百文錢就好。」
それを聞いた餅屋の主人は、ニヤリと笑うと。
頭家聽吉四六恁仰講就笑咪咪講:
「百文とは安いなあ。それ、代金だ」
「一百文錢定定,還便宜哪!這兜錢係貨款。」
餅屋の主人は吉四六さんに百文を握らせると、たきぎを積んでいる馬ごと引っ張って行こうとするではありませんか。
頭家塞一百文錢分吉四六先生个時節,就想摎背等樵个馬共下牽去。
吉四六さんは、びっくりして、と、言いましたが、
吉四六先生嗄嚇著,講:
「こら、何で馬ごと持って行くんだ?」
「噯!你仰會連馬也牽走?」
餅屋の主人はすました顔で言いました。
頭家詐戇講:
「わしは、お前が引いているのを全部でいくらだと聞いたんだ。
するとお前は、全部でちょうど百文だと答えた。
だから馬ごと持って帰っても、文句を言われる筋合いはない」
「𠊎頭下問你拖等來个全部愛幾多錢?你講全部一百文錢就好。所以連馬牽去你也無話好講。」
「し、しかしそれは・・・」
「該,該係...」
「代金を受け取ったからには、この馬はおれの物だ」
「錢都收了,這條馬係𠊎个東西。」
「・・・・・・」
「......」
こうして餅屋の主人に、たった百文で馬を取られた吉四六さんは、
(そっちがその気なら、こっちにも考えがある)
と、仕返しの方法を考えました。
斯恁仰分糕餅店个頭家用一百文錢買走馬个吉四六先生
(佢用這梟𠊎,𠊎乜有辦法。),想出討轉來个方法。
さて、その日の夕方、餅屋の主人が店で忙しく働いていると、客の一人が餅屋の主人に尋ねました。
該日臨暗仔頭家在店仔無閒直掣,有一個人客問頭家:
「ほほう、いい店だな。いくらだ?」
「ho hou,還好个店仔哪!幾多錢?」
聞かれた餅屋の主人は他の客に餅を渡しながら、後ろを向いたまま答えました。
頭家一片拿糕餅分人客一片翻轉頭來應講:
「ああ、二十文だよ」
「啊!二十文錢。」
「安い!買ったぞ!」
「便宜!買!」
「はい。ありがとうございます」
「承蒙你!」
お金を受け取った餅屋の主人が、ふと、その客を見てみると、その客は吉四六さんでした。
收到錢个頭家無想著該个人客係吉四六先生。
餅屋の主人は、怖い顔で吉四六さんをにらみながら言いました。
糕餅店頭家面色盡得人驚,捉吉四六先生看,講:
「ややっ、吉四六さんか。餅を買って機嫌を取っても、馬を返してはやらないぞ」
「唉哦!係吉四六先生嘠?雖然你來買糕餅,馬乜無會還你!」
しかし吉四六さんはニコニコ笑うと、餅屋の主人に言いました。
毋過吉四六先生笑咪咪摎頭家講:
「いや、あの馬を帰してもらおうとは思わないよ。それよりも、早くこの店を出て行ってくれるかな。この店は、おれが二十文で買ったのだから」
「無哪!𠊎毋敢想你會摎馬還𠊎!𠊎想个係你早兜離開這間店仔,𠊎用二十文錢買這坎店囉。」
それを聞いた餅屋の主人は、びっくりです。
頭家聽佢恁樣講續嚇著。
「馬鹿を言え!おれがいつ、二十文で店を売った!」
「講戇話!𠊎幾時店仔賣你二十文錢?!」
「売ったよ。おれが、『いい店だな。いくらだ?』と、言ったら、
「賣忒了,𠊎問講『還好个店仔哪!幾多錢?』,
お前さんは、『ああ、二十文だよ』と、言って、
你應講『啊!二十文錢。』
代金の二十文を受け取ったじゃないか。
貨款二十文錢你毋係收去了?」
代金を受け取ったからには、この店はおれの物だよ」
因為收了貨款,這店仔就係个哊。」
「ああ、しまったー!」
「啊,死無命咧!」
それから餅屋の主人は吉四六さんに土下座をして謝り、吉四六さんに馬と山盛りの餅を渡す事で、どうにか許してもらったという事です。
頭家高不將跪拜吉四六先生摎佢會失禮,馬還佢以外又送佢堆山塞海恁多个糕餅,總算得到吉四六先生个原諒。
おしまい
煞咧
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