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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >七月
7月15日の日本の昔話
かや泥棒の長八郎
偷茅草地长八郎
翻訳者 広東省恵州学院 関清倩
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、長八郎という老人が隣村のかや山にこっそりと忍び込んで、かやを盗もうとしたのです。
很久很久以前,有一位叫长八郎的老人偷偷地跑到隔壁的茅草山那想要偷茅草。
それを隣村の人たちに見つかった長八郎は、奉行所へと突き出されたのでした。
長八郎の裁きを担当するのは、名奉行で有名な大岡越前です。
被隔壁村的人发现的长八郎被村里的人扭送到奉行所。而裁判长八郎的正是奉行界里有名的大冈越前。
越前が、長八郎に尋ねました。
「これ、長八郎。そなたは隣村のかや山に忍び込んでかやを盗んだというが、それは本当か?」
越前问长八郎:“长八郎,你可真是偷偷跑到隔壁村的茅草山偷矛草吗?”
すると、立ち会いの隣村の者たちが口々に、
「大岡さま、本当です」
「どうか長八郎の首を、ちょん切って下さい」
と、言うのです。
越前刚说完,在场的隔壁的村民就异口同声地说:“大冈大人,是真的。”
“请一定要砍了长八郎的头。”
「これ、静かにせい! 今は長八郎に聞いておるのじゃ」
越前はたしなめると、土下座をしたままの長八郎にもう一度尋ねました。
「して、長八朗。そなたがかやを盗んだのは、本当なのだな?」
“肃静肃静!本大人现在问的是长八郎。”越前训斥了村民后,再一次问正在跪着的长八郎:“好,长八郎,再问你一次,你可真偷了?”
「はい。確かにおらが、かやを盗みました」
“是。确实是我偷了茅草。”
「そうか。しかし、こう言ってはなんだが、もうそなたはもう年だ。調べたところによると、そなたは病を患っており、あと何年も生きられないと聞いておる。そんなお前が、なぜ盗みなどをしたのじゃ?」
“这样啊。但,虽然这样说有点失礼,你已经很年老了吧。根据调查,听说你已患了病,已活不过几年了。这样的你为什么要偷茅草呢?”
すると、隣村の者たちが、また口をはさみました。
「長八郎は、むかしから博打(ばくち)が好きでした。きっと今度も、博打をする金欲しさに違いありません」
说完,隔壁村的村民们又再一次七嘴八舌的说:“长八郎以前就很喜欢赌博的。这次肯定也是因为想要拿钱去赌博。”
「そうです。はやく長八郎の首を、ちょん切って下さい」
“就是,肯定是。快点把长八郎的头砍下吧。”
越前は、もう一度隣村の者たちを叱りつけました。
「黙れ! 今は長八郎に聞いておると言っているだろう! 口をはさむことは二度と許さん!」
越前又再一次训斥了村民,说:“闭嘴!我不是说了我现在问的是长八郎吗?不准再插嘴!”
「・・・・・・」
「・・・・・・」
隣村の者たちが黙ると、越前は話を続けました。
「長八郎よ、そなたがばくちをしていた事は知っておる。そして、今ではすっかり足を洗って、真面目に働いている事もな。して、そなたがかやを盗んだのはなぜじゃ?」
村民们静下来后,越前继续说:“长八郎啊,我早就知道你赌博的事了,而且也知道你现在早就金盆洗手,认真地工作了。但你现在为什么要偷茅草呢?”
「はい、それは、老い先が短いからでございます。実は、わたしには年頃の孫娘がいるのですが、貧乏な為に、嫁入り道具を用意する事も出来ません。それで、悪い事とは知りながら、つい」
“是的,是因为我活不久了。其实,我有一个已成年的孙女,但因为穷,我连嫁妆都拿不出来。所以虽知道这是坏事,但还是。。。”
「そうか・・・」
越前は、これをどう裁けばよいか悩みました。
長八郎をかばってやりたい気持ちはありますが、盗みは盗みです。
このまま無罪で見逃しては、他の者に示しがつきません。
“原来如此啊。。。”越前在烦恼着该怎么裁判才好。虽说有包庇长八郎的想法,但偷东西毕竟是偷东西。就这样判无罪的话又难以服众。
するとそこへ、心配して駆けつけていた孫娘が飛び出してきて、越前に深々と土下座をして言いました。
「どうか、どうか、じいさまをお助け下さい」
这时,非常担心长八郎的孙女跑出来,在越前面前跪下说:“请大人救救我爷爷。”
「・・・しかしだな、盗みは盗みだ。かやとはいえ、無罪にするわけには」
“可是,你爷爷毕竟是偷了东西。虽说是茅草,也不能无罪。”
「かや山のかやは、いくら切っても春になれば、また新しい芽を出してくれます。ですが人の首は、切られてしまえば、それでお終いです」
“在茅草山的茅草无论割了多少,春天到了的话,还会有新的发芽。可是人头砍了的话就这样没了。”
それを聞いた越前は、ホンとひざを叩きました。
「うむ、なるほど、確かにそなたの申す通りであるな。かやは切っても取り返しがつくが、人の首は切ってしまうと取り返しがつかない。うむ。長八郎に罪はない事とする。ただし、盗んだ分のかやは、来年にはお前がかや山で刈ってきて、必ず返すようにな」
听到了孙女的话的越前,拍了自己的膝盖说:“嗯,说的没错。确实像你说的那样啊。茅草割了还可以长回来,但是人的头砍了的话就不会再长出来了。嗯,本大人判长八郎没罪。但是,长八郎偷走的茅草的数量,明年来茅草山割了还给村民。”
「はい。ありがとうございます」
“是,大人。谢谢大人。”
こうして長八郎は許されて、翌年には盗んだかやを返したのです。
そして孫娘が嫁いで行くのを、無事に見届けることが出来たのです。
就这样长八郎被释放了,判了明年把偷的茅草还给村民。而且,也能够看着孙女出嫁。
「うむ。これにて、一件落着!」
“嗯,这样又一桩事情解决了。”
おしまい
結束
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