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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >九月
9月13日の日本の昔話
一袋の米
一袋米
翻訳者 河南省許昌学院 趙雅昕
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
あるとき、お城につかえる曽呂利(そろり)さんが、秀吉公(ひでよしこう→豊臣秀吉)にこんなお願いをしました。
有一次,掌管着一座城池的曾吕利,向秀吉公拜托了这样一件事。
「私の町は貧しい人が多く、みんな毎日食べるものに困っています。そこで殿さまのおなさけをもちまして、紙袋一ぱいほどの米を分けてやりたいと思います。どうぞお許しくださるよう、お願いいたします」
“我的城镇上穷人很多,大家每天都为吃的而发愁,所以想得到大人的恩惠,分一纸袋左右的米给他们,请您准许我这样做。”
「紙袋一杯の米じゃと? 何じゃそのくらい。お前の好きなようにせい」
“只要一纸袋的米,为何只要那么多,按你想的做吧。”
「あのう、それが大きな袋でして」
“那个,那是很大的袋子啊”
「たかが、紙の袋じゃ。好きなだけもたせてやれ」
“但,只是纸袋罢了,按你喜欢的做吧。”
「はあ。さすがは、おなさけ深いお殿さまでございます。町の者も、さぞかし喜ぶことでしよう」
“啊,不愧是恩泽深厚的大人啊,城里的百姓想必也会很高兴的。”
曽呂利はペコぺコおじぎをして、秀吉公の書付(かきつけ→江戸時代、将軍や老中の命令を伝えた公文書)をおしいただいてお城をさがりました。
曾吕利叩头作揖行礼后,就拿着秀吉公的文书去了城里。
それから、十日ほどたったある日の事です。
然后,过了十日。
「殿さま、大変でございます」
“大人,不好了。”仆人说着。
と 家来が、秀吉公のところへかけつけてきました。
急忙赶到了秀吉公面前。
「いかがいたした?」
“怎么了?”
「ちょっと、それがその、口では説明しにくいので見てください。・・・ああ、あれです」
“嗯...,这事难以说清楚,请这边看,...啊啊,是那个。”
家来が指さす方を見ると、秀吉公の米倉の中の一つに、それは大きな紙の袋がすっぽりかぶさっています。
往仆人指的方向一看,发现米仓中,盖着一个很大的纸袋。
そして大勢の町人が、米倉からどんどんお米を運び出しているのです。
而且很多百姓正不断的从米仓中运着米。
おどろいた役人が止めようとすると、あの曽呂利が殿さまの書付をみせて役人を下がらせます。
吃惊的官吏想要阻止,但那个曾吕利拿出大人的公文让他们看,让他们后退。
「殿、あのとおりです」
“大人,正是那样。”
「ううむ・・・」
“嗯...”
「あのぶんですと、かなりたくさんの米が出ていってしまいます。ここは何とかしないと、大変なことになります」
“那样的话,将会运出很多的米,如果什么都不做,就糟糕了。”
しかし秀吉公は怒るどころか、おもしろそうに笑いました。
但是秀吉公不但没生气,反而笑了出来觉得很有趣。
「ふむ、ふむ、なるほど。これはけっさく。おもしろいわい」
“嗯嗯,确实,这真有意思。”
「殿、笑っている場合ではございません。早く、止めてくださいますよう」
“大人,现在不是笑的时候,快点阻止他们吧。”
「まあ、よいではないか」
“哎,这样不好吗?”
「しかし、あんなにどっさりのお米を」
“但把那么多的米”
「よいよい。わしはあいつと約束をしたのだ。すてておけ。・・・それにしても曽呂利のやつ、でっかい袋を作ったもんじゃ。うひゃははははは」
“好了好了,我和他约定了,先不管他,即便这样,曾吕利那个家伙,做了个很大的袋子啊,哈哈...”
次の朝、曽呂利がお城にやって来ました。
第二天早上,曾吕利来到了城里。
「殿さま、昨日はありがとうございました」
“大人,昨天非常感谢。”
「よい、礼にはおよばん。それにしても、すごい袋をつくったものだ」
“好了,不用道谢了。话虽如此,你做了很大的袋子啊。”
「はい。あれだけで十日ほどもかかりました。いただきました米は、荷車で百二十台分ございました。お約束通り町の貧しい人達に、『これは、おなさけ深い殿さまからのお米だ』と言って分けてやりました。みんな、涙を流して喜こんでくれました。殿さま、曽呂利からもお礼申し上げます」
“是的,光是那个就花费了十天左右。得到的米,可以装满120辆的排子车。 按约定的那样,向贫苦的百姓说:“这是来自恩泽深厚的大人的米。”大家都感动得流泪。臣也非常感谢您。”
「でかした。さすがは曽呂利じゃ。・・・じゃが、今回だけでかんべんしてくれよ。うひゃははははは」
“做得好,不愧是曾吕利...那,只此一回,就宽恕你了。哈哈...”
おしまい
結束
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