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福娘童話集 > 百物語 > 一月
1月5日の百物語
(1月5日的日本鬼故事)
千本木さん
一千顆樹
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、あるところに、千本木(せんぼんぎ)という腕の立つ侍がいました。
到好久以前、有一個地方、住到有一個喊千本木的有點本身的武士。
ある夜の事、仲間と酒を飲んで帰りが遅くなった侍は、ふらふらした足取りで川のふちを歩いていました。
那是一天晚上、和玩的好的一起喝酒、回去遲了、靠到河邊搖到搖到走。
「ああ、夜風が良い気持ちだ」
這風吹起來真的舒服
侍が大きな柳の木のそばの橋にさしかかったとき、ふいに向こうから白い小犬が走って来て、クルンとでんぐり返しをしたかと思うと赤ん坊ぐらいの小さな小僧に姿を変えたのです。
武士走到柳木旁邊的橋上、突然對面跑出來一條白色的狗、以為這就要遭撞翻的時候、狗就變成了一條小男兒。
「なんと不思議な?!」
還有這種事?
侍がびっくりしていると、小僧が侍を見て言いました。
武士也是驚了、小男兒看到武士這麼港。
「ちょいとお尋ねしますが、一本木(いっぽんぎ)さんのお宅はどちらでしょうか?」
我想問一哈、一顆樹他屋到甚麼地方?
「さあ、知らないね。わしは千本木だが、一本木なんて名前は聞いた事がない」
這個我不曉得、我自己是千顆樹、一顆樹這名字聽都米聽過。
侍はそのまま、ふらふらと橋を渡って行きました。
武士就繼續搖搖晃晃準備過橋了。
すると小僧は、あわてて後を追いかけて来て言いました。
小男兒又跟到追到武士後面。
「ちょいとお尋ねしますが、二本木(にほんぎ)さんのお宅はどちらでしょうか?」
我想問一哈、你曉得兩顆樹他屋到哪裡吧?
「二本木も、知らん」
我不曉得甚麼兩顆樹
侍が後も振り向かずに言うと、小僧はまた尋ねました。
武士看都不看後面、直接港、小男兒又問。
「ちょいとお尋ねしますが、三本木(さんぼんぎ)さんのお宅はどちらでしょうか?」
你曉得三顆樹他屋到哪裡吧?
「知らん」
不曉得
侍が足を止めずに答えても、小僧はしつこく尋ねました。
武士根本不打算停落來好甚回答問題、小男兒還是一直追問
「ちょっとお尋ねしますが、四本木(よんほんぎ)さんのお宅はどちらでしょうか?」
四顆樹他屋你曉得到哪裡吧?
「知らん」
不曉得
そのうちに四本木さんは五本木さんに六本木さんになり、とうとう百本木さんになりました。
一直問一直問、五顆樹六顆樹、最後變成一百顆樹。
そしておかしな事に尋ねる名前の数が増えていくたびに、小僧の声が大きくなっていくのです。
然後一直問這些莫名奇妙的問題的小男兒、隨到樹的數量變多、聲音也是越來越大。
不思議に思った侍が横目でちらりと後ろを見ると、赤ん坊ほどの小さな体だった小僧が、いつの間にか相撲取りの様に大きくなっていたではありませんか。
開始覺得有點問題的武士、往後面撇了一眼、發現一開始只有小娃兒大的小男兒、現在有相撲男那麼大了。
(なんと、化け物であったか!)
完了、碰到鬼了
さすがの侍も気味が悪くなり、酒の酔いもすっかりさめてしまいました。
武士碰到這條鬼事、酒也一哈醒了。
逃げ出そうとも思いましたが、侍がお化けぐらいで逃げたとあっては、いい笑いものにされてしまいます。
武士也是想跑、但是自己身為武士、遭鬼骸跑了、有失自己顏面、武士也是愛惜自己面子。
侍は、
「知らん、知らん」
と、繰り返しながら歩いて行きました。
武士就慢慢走
邊走邊港不曉得。
やがて八百本木さん、九百本木さんになる頃には、小僧は雲をつく様な大入道(おおにゅうどう)になっていました。
後面到了八百顆樹、九百顆樹、小男兒變得是和條巨人一樣。
そして九百九十九本木さんになったとき、侍は自分の家の前に着きました。
最後九百九十九顆樹的時候、武士也到自己屋門口了。
すると大入道が、カミナリの様な大声で言いました。
這個時候、鬼用像打雷一樣的聲音。
「ちょっとお尋ねしますが、千本木さんのお宅はどちらでしょうか?」
我想問一哈、千本木的屋到甚麼地方?
「千本木の家なら、・・・ここだ!」
千本木的屋、就到這裡!
言うなり侍は腰の刀を引き抜いて、大入道に切りつけました。
武士跟到就是幫腰上的刀一抽、把大鬼斬了。
「ぎゃおうーー!」
叫聲
ものすごい叫び声とともに大入道が倒れると、侍はすかさずその体にかけのぼり、大入道の心臓の辺りを思い切り突き刺しました。
大鬼大叫了一哈、也就倒落去了、武士也不跟鬼留一點機會、從大鬼身上摸到大鬼心臟邊上、一刀穿了。
「ぎゃおうーー!」
叫聲
大入道は、再び叫び声をあげてのけぞります。
大鬼又叫了一聲、這就真躺屍了。
侍はあわてて飛び降りると、家に駆け込んで門を固く閉めました。
武士馬上從大鬼身上跳落來、回到屋裡跟到把門打反鎖。
「何があったのですか!」
你這是搞甚麼?
奥さんが叫び声を聞きつけて、部屋から出てきました。
武士堂客聽到叫聲、也是從房間出來看哈情況。
「いや、なんでもない。心配せずに早くねろ」
甚麼事都米的、你快去睡就是。
侍は自分の部屋に行き、血のついた刀をふきました。
武士回到自己房間、就開始擦染血的刀。
次の日、暗いうちに起き出した侍の家来が馬にえさをやろうと馬小屋に行ってみると、表の方から苦しそうなうめき声が聞こえてきます。
第二天、天還沒完全亮、武士的下人爬起來準備跟馬喂草吃、就聽到從外面傳來的呻吟聲。
「はて? 誰か具合でも悪くなったかな?」
是那個身體不舒服啊?
家来が外に出てみると、門の前で一匹の大きな古ダヌキが血まみれになって倒れていたそうです。
下人開門一看、門口就有好大一條狸子全身是血的倒到哪裡的。
おしまい
结束
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