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1月6日の百物語
(1月6日的日本鬼故事)
チロリン橋

チロリン橋
鈴橋

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士

♪音声配信(html5)
朗読者 : ☆横島小次郎☆

むかしむかし、ある村に、とても貧乏な一家が住んでいました。
到好久以前、一個村裡面、住到有好窮的一屋。

お父さんが病気で寝込んでからは、その日に食べる物もろくにありません。
從老父親害病到床上開始、是東西都沒得吃了。

ある日、お母さんは十歳になったばかりの娘のお春に言いました。
有天、她媽就跟才十歲的女港

「お春。
わたしたちは、とても貧乏だ。
田も畑もみんな長者さまの物で、わたしが日の出より早く働いて、夜に星が出るまでがんばっても、暮らしはちっとも良くならねえ。
それに、お父さんも無理がたたって寝込んでしまった。
家にはお前よりも小さい『お咲』や『作次』、それから赤ん坊の『吉三』もいる」
春(名字)
我們屋是特別窮
農田和菜地也都是地主的、我們起的再早、做的再晚、這窮就還是窮。
你屋老頭也是一直做幫自己身體做出問題了。
屋裡還有比你跟小的三個姊妹、咲、作次、吉三


「うん」
我曉得

「そこでお前には、隣村の長者の家へ子守りに行って欲しいのだけど、どうだろうか?」
我想幫你送到地主屋裡面當童養媳、你怎麼想啦?

するとお春は、しっかりと大きな声で言いました。
春也是肯定的答應

「わかった。わたし、子守りに行ってくる! お父さんの病気が治るまで、何年でも行って来る!」
好、我去地主屋、等到爹病好、無論去好久。

「そうか。ありがとう」
好、那也是辛苦你了。

お母さんは、お春に笑いかけようとして、思わず涙をこぼしてしまいました。
他媽想対春笑、哪曉得只是一個勁的眼睛水往底下落。

お母さんも本当は、お春を子守りに行かせたくはありません。
她媽其實也是不願意讓春去當童養媳

お母さんも子どもの頃に子守りをした事があるのですが、それはそれは大変な仕事です。
他媽自己小時候也當過、自己心裡也清楚。

子守りといっても、赤ん坊の世話だけではないのです。
童養媳不只要帶小孩。

みんなが目を覚まさないうちに起き出して、『かまどの飯炊き』、『湯沸かし』をします。
別個都米睡醒之前就要起來、幫鍋裡面做飯、熱水。

そしてみんなの朝飯が終わると、急いでわずかなご飯をかき込んで、『食事の後始末』です。
早上事搞完、跟到幫飯趕二口、這就又要收拾飯桌去了。

その後は赤ん坊をあやしながら、『洗濯』、『拭き掃除』を終わらせ、『昼飯』、『晩飯』、『お風呂』の準備をするのです。
後面還要邊哄小孩邊洗衣服、擦啊掃啊、中飯 晚飯、洗澡水這些。

もう、体がいくつあっても足りないほどです。
反正就是急忙急死這樣子。

でも、お春は涙をこらえて、
但是春啊、幫這些都忍到。

「お父さんの病気が、良くなるまでは」
と、歯を食いしばって頑張りました。
一直堅持到他屋老頭病好
就咬牙一直堅持到的


こんな毎日が、一年、二年、そして三年続いた、ある冬の事です。
一天二天、一年二年、三年到了、這是個冬天。

長者が仏壇(ぶつだん)の奥にしまっておいたお金が、無くなってしまったのです。
地主擺到佛堂裡面的錢不見了。

家に奉公に来ている人たちは、長者に順番に調べられましたが、誰もが、
地主是幫屋裡做事的人都問了、那個都港

「知らねえ」
不曉得

と、言います。
そして最後に、お春が調べられました。
最後就到春這裡了

長者は怖い顔で、お春に言います。
地主惡起一副臉、跟春港

「お前の家は、えらく暮らしに困っているからな。すぐに白状して金を返せば、今度だけは許してやってもいいぞ」
我曉得你屋是一直米錢、這次老實交待了、就算了

長者はお春を犯人といますが、もちろん、お春はお金を盗んだりはしていません。
地主覺得這錢就是春偷的、實際上春是米取這個錢。

「知らねえ、知らねえ。仏壇にさわった事は、一度もねえ」
春也是港自己不曉得、自己是連佛堂一次都米去過。

お春は正直に言いましたが、いくらお春が言っても、長者は信じてはくれないのです。
但是地主不信

「盗んだのは、お前しかいないんだ! 白状するまで毎日でも取り調べてやるから、覚悟しろ!」
只有你有可能偷東西、我要一直調查到你交待為止、你看到。

その夜の事です。
那天晚上

お春は、みんなが寝静まるのを待って、そっと屋敷を抜け出しました。
春等到大家都睡著了、就偷偷跑到屋外面去了。

お春はふところに、お春が七つの祝いに買ってもらった大事な赤いぼっくり(→女の子用の下駄)を抱いています。
懷裡面抱的是自己七歲生日時買的紅木履

「お母さん! お父さん!」
嘴裡面一直喊的是爹媽

お春は真っ暗な田んぼ道を、泣きながら走りました。
春就到烏漆麻黑的農田邊上邊哭邊跑。

そして何度も転びながらも、ようやく懐かしい家に帰って来たのですが、お春は家の前に立ちつくしたまま、家に入る事が出来ませんでした。
中間是摔好幾次、好不容易跑的屋、春也只是到屋門口奒(呆)站到、不準備進去。

お春が奉公に出たお金は、すでに前払いでもらっているので、お春が逃げ帰ったと分かると、そのお金を長者に返さなければならないのです。
童養媳的錢是地主先過完的、現在人跑了、到時候這條錢就要退回去。

(お母さん・・・。お父さん・・・)
帰るに帰れないお春は、いつの間にか村境の橋の上に立っていました。
這就一直想到爹媽
想回去也回不了的春、不曉得甚麼時候就站到村口的橋上面的。


ふところに入れたぼっくりの鈴の音が、小さく、
♪チロリーン
♪チロリーン
と、鳴っていました。
懷裡面的木履安到上面的鈴鐺、
碰到就輕輕的響


(もう、どうしたらいいのか分からない。長者の家には帰りたくないし、自分の家には帰れないし)
這也不曉得也怎麼搞了、地主那邊也不想去了、屋裡也回不了。

次の瞬間、
ザッパーン!
お春は自分でもわからないうちに、川へと身を投げてしまったのです。
這一哈
響聲
等春自己發現的時候、人已經到河裡了。


そしてお春は、死んでしまいました。
這麼到、春就死了。

その後、無くなっていた長者のお金が別の所から出てきたのですが、長者はお春が死んだのは自分には関係ないと、線香の一本もあげなかったそうです。
那之後、地主不見的錢也到其他地方邏到了、但自己不覺得跟春的死有關係、也就米辦喪事、一根香都米跟春燒。

お春が身を投げたこの橋は、今でも橋を渡る時に耳をすますと、
春跳河的那條橋、現在走過去還是可以聽到。

♪チロリーン
♪チロリーン
鈴鐺響

と、ぽっくりの鈴の音が聞こえてくると言われています。
鈴鐺的聲響

そこで村人たちは、この橋を『チロリン橋』と呼ぶようになったそうです。
這麼到村裡面這都幫這條橋開始喊鈴橋了。

おしまい
结束

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