| 
       | 
      | 
     
      福娘童話集 > 百物語 > 一月 
      1月6日の百物語 
         (1月6日的日本鬼故事) 
          
         
チロリン橋 
鈴橋 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
       
      ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
      
       
      投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士 
      
      
      むかしむかし、ある村に、とても貧乏な一家が住んでいました。 
        到好久以前、一個村裡面、住到有好窮的一屋。 
       
      お父さんが病気で寝込んでからは、その日に食べる物もろくにありません。 
        從老父親害病到床上開始、是東西都沒得吃了。 
         
      ある日、お母さんは十歳になったばかりの娘のお春に言いました。 
      有天、她媽就跟才十歲的女港 
       
      「お春。 
        
        わたしたちは、とても貧乏だ。 
        
        田も畑もみんな長者さまの物で、わたしが日の出より早く働いて、夜に星が出るまでがんばっても、暮らしはちっとも良くならねえ。 
        
        それに、お父さんも無理がたたって寝込んでしまった。 
        
      家にはお前よりも小さい『お咲』や『作次』、それから赤ん坊の『吉三』もいる」 
      春(名字) 
        我們屋是特別窮 
        農田和菜地也都是地主的、我們起的再早、做的再晚、這窮就還是窮。 
        你屋老頭也是一直做幫自己身體做出問題了。 
        屋裡還有比你跟小的三個姊妹、咲、作次、吉三 
         
      「うん」 
      我曉得 
       
      「そこでお前には、隣村の長者の家へ子守りに行って欲しいのだけど、どうだろうか?」 
      我想幫你送到地主屋裡面當童養媳、你怎麼想啦? 
       
      するとお春は、しっかりと大きな声で言いました。 
      春也是肯定的答應 
       
      「わかった。わたし、子守りに行ってくる! お父さんの病気が治るまで、何年でも行って来る!」 
      好、我去地主屋、等到爹病好、無論去好久。 
       
      「そうか。ありがとう」 
        好、那也是辛苦你了。 
         
      お母さんは、お春に笑いかけようとして、思わず涙をこぼしてしまいました。 
      他媽想対春笑、哪曉得只是一個勁的眼睛水往底下落。 
       
      お母さんも本当は、お春を子守りに行かせたくはありません。 
      她媽其實也是不願意讓春去當童養媳 
       
      お母さんも子どもの頃に子守りをした事があるのですが、それはそれは大変な仕事です。 
        他媽自己小時候也當過、自己心裡也清楚。 
         
      子守りといっても、赤ん坊の世話だけではないのです。 
      童養媳不只要帶小孩。 
       
      みんなが目を覚まさないうちに起き出して、『かまどの飯炊き』、『湯沸かし』をします。 
        別個都米睡醒之前就要起來、幫鍋裡面做飯、熱水。 
         
      そしてみんなの朝飯が終わると、急いでわずかなご飯をかき込んで、『食事の後始末』です。 
        早上事搞完、跟到幫飯趕二口、這就又要收拾飯桌去了。 
         
      その後は赤ん坊をあやしながら、『洗濯』、『拭き掃除』を終わらせ、『昼飯』、『晩飯』、『お風呂』の準備をするのです。 
      後面還要邊哄小孩邊洗衣服、擦啊掃啊、中飯 晚飯、洗澡水這些。 
       
      もう、体がいくつあっても足りないほどです。 
        反正就是急忙急死這樣子。 
         
      でも、お春は涙をこらえて、 
      但是春啊、幫這些都忍到。 
       
      「お父さんの病気が、良くなるまでは」 
      と、歯を食いしばって頑張りました。 
      一直堅持到他屋老頭病好 
      就咬牙一直堅持到的 
       
      こんな毎日が、一年、二年、そして三年続いた、ある冬の事です。 
      一天二天、一年二年、三年到了、這是個冬天。 
       
      長者が仏壇(ぶつだん)の奥にしまっておいたお金が、無くなってしまったのです。 
      地主擺到佛堂裡面的錢不見了。 
       
      家に奉公に来ている人たちは、長者に順番に調べられましたが、誰もが、 
      地主是幫屋裡做事的人都問了、那個都港 
       
      「知らねえ」 
        不曉得 
         
        と、言います。 
        
      そして最後に、お春が調べられました。 
      最後就到春這裡了 
       
      長者は怖い顔で、お春に言います。 
      地主惡起一副臉、跟春港 
       
      「お前の家は、えらく暮らしに困っているからな。すぐに白状して金を返せば、今度だけは許してやってもいいぞ」 
      我曉得你屋是一直米錢、這次老實交待了、就算了 
       
      長者はお春を犯人といますが、もちろん、お春はお金を盗んだりはしていません。 
        地主覺得這錢就是春偷的、實際上春是米取這個錢。 
         
      「知らねえ、知らねえ。仏壇にさわった事は、一度もねえ」 
        春也是港自己不曉得、自己是連佛堂一次都米去過。 
         
      お春は正直に言いましたが、いくらお春が言っても、長者は信じてはくれないのです。 
        但是地主不信 
         
      「盗んだのは、お前しかいないんだ! 白状するまで毎日でも取り調べてやるから、覚悟しろ!」 
      只有你有可能偷東西、我要一直調查到你交待為止、你看到。 
       
      その夜の事です。 
      那天晚上 
       
        お春は、みんなが寝静まるのを待って、そっと屋敷を抜け出しました。 
        春等到大家都睡著了、就偷偷跑到屋外面去了。 
       
        お春はふところに、お春が七つの祝いに買ってもらった大事な赤いぼっくり(→女の子用の下駄)を抱いています。 
        懷裡面抱的是自己七歲生日時買的紅木履 
         
      「お母さん! お父さん!」 
        嘴裡面一直喊的是爹媽 
         
      お春は真っ暗な田んぼ道を、泣きながら走りました。 
      春就到烏漆麻黑的農田邊上邊哭邊跑。 
       
      そして何度も転びながらも、ようやく懐かしい家に帰って来たのですが、お春は家の前に立ちつくしたまま、家に入る事が出来ませんでした。 
      中間是摔好幾次、好不容易跑的屋、春也只是到屋門口奒(呆)站到、不準備進去。 
       
      お春が奉公に出たお金は、すでに前払いでもらっているので、お春が逃げ帰ったと分かると、そのお金を長者に返さなければならないのです。 
      童養媳的錢是地主先過完的、現在人跑了、到時候這條錢就要退回去。 
       
      (お母さん・・・。お父さん・・・) 
        
        帰るに帰れないお春は、いつの間にか村境の橋の上に立っていました。 
        這就一直想到爹媽 
        想回去也回不了的春、不曉得甚麼時候就站到村口的橋上面的。 
         
      ふところに入れたぼっくりの鈴の音が、小さく、 
        ♪チロリーン 
        ♪チロリーン 
      と、鳴っていました。 
      懷裡面的木履安到上面的鈴鐺、 
        碰到就輕輕的響 
         
      (もう、どうしたらいいのか分からない。長者の家には帰りたくないし、自分の家には帰れないし) 
        這也不曉得也怎麼搞了、地主那邊也不想去了、屋裡也回不了。 
         
      次の瞬間、 
        
        ザッパーン! 
        
      お春は自分でもわからないうちに、川へと身を投げてしまったのです。 
      這一哈 
        響聲 
        等春自己發現的時候、人已經到河裡了。 
         
      そしてお春は、死んでしまいました。 
      這麼到、春就死了。 
       
      その後、無くなっていた長者のお金が別の所から出てきたのですが、長者はお春が死んだのは自分には関係ないと、線香の一本もあげなかったそうです。 
        那之後、地主不見的錢也到其他地方邏到了、但自己不覺得跟春的死有關係、也就米辦喪事、一根香都米跟春燒。 
         
      お春が身を投げたこの橋は、今でも橋を渡る時に耳をすますと、 
      春跳河的那條橋、現在走過去還是可以聽到。 
       
      ♪チロリーン 
      ♪チロリーン 
      鈴鐺響 
       
      と、ぽっくりの鈴の音が聞こえてくると言われています。 
        鈴鐺的聲響 
         
      そこで村人たちは、この橋を『チロリン橋』と呼ぶようになったそうです。 
      這麼到村裡面這都幫這條橋開始喊鈴橋了。 
      おしまい 
        结束 
         
        (回到上一页) 
         
        
        
       
     | 
      | 
    
      
       |