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福娘童話集 > 百物語 > 一月
1月17日の百物語
(1月17日的日本鬼故事)
千匹オオカミ
千匹狼
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、甲斐の国(かいのくに→山梨県)に、呉服(ごふく)を売る商人がいました。
到好久以前、甲斐國(現山梨縣)有條賣衣服的商人。
静岡の方へ行っての帰り道、富士山のふもとの原っぱを通っているところで日が暮れてしまいました。
回靜岡的路上、走到富士山底下的平原、天一哈就黑了。
「まずいな。こんな何もないところで、オオカミでも出て来たら大変だ」
這晚上要是碰到狼就等死。
そう言っているところへ、
ウォーーーーン!
這話還米港完
狼叫
と、遠くからオオカミの遠吠えが聞こえてきたのです。
這就聽到有點遠的地方這狼就開始叫了。
「いよいよ大変だ! 遠吠えが近づいてきた」
而且聲音是越來越近了。
商人があわてて辺りを見回すと、近くに一本の高い木がありました。
商人左看右看、附近就一顆好高的樹。
「あれだ!」
好傢伙
商人は木の所へかけていき、すぐに登りました。
「やれ、やれ。これで大丈夫だ」
商人還會爬樹、跟到衝過去、攀上去了。
以為自己這就安全了
いくらオオカミでも、ここまでは登って来られないでしょう。
狼反正是怎麼都上不了樹的。
間もなく、オオカミたちが木の下に集まって来ました。
米一哈(沒好久)
這狼就圍到樹底下開始打轉了。
ウォー! ウォー!
叫聲
オオカミたちは恐ろしい声で吠えますが、どうやっても木の上の商人を襲う事は出来ません。
叫起來是惡、但是狼反正樹上不去。
すると一匹のオオカミが、人間の言葉で仲間に言いました。
這麼到其中一條狼開始港人話了、跟其他狼港。
「このままでは駄目だ。孫太郎ばあさんを呼んで来て、良い手を考えてもらおう」
這麼落去米用的、幫孫婆喊過來、看她怎麼搞。
「そうだ。そうだ」
對頭、對頭
「よし、おれが呼びに行こう」
好、那我就去喊。
一匹のオオカミがどこかへと走って行き、やがて年寄りの大ネコを連れて来ました。
狼跑過去幫一條貓喊過來的、這貓好大又好老。
「孫太郎ばあさん、一つ頼みます。人間が木の上に登ってしまい、おれたちではどうにもならんのです」
狼就喊孫婆幫忙、人上樹了、狼吃不了沒辦法。
すると、孫太郎ばあさんと呼ばれた大ネコが言いました。
這條喊孫婆的大貓就這麼港。
「ふーん。これは犬ばしごをかけるしか、手がないね」
那你們就搭狗梯(人梯)
「なるほど、その手があったか。よし、さっそく犬ばしごをかけるぞ」
是哦、還可以這麼搞、我們快點搭上去。
まず、一匹のオオカミがしゃがみました。
そしてその上へ、一匹のオオカミが登りました。
そのまた上へ、もう一匹が登りました。
こうしてオオカミたちは何匹も順々に登っていき、ついに商人の足元までたどりついたのです。
先是一條狼蹲到
上去一條狼
狼上面再上去一條狼
這麼到狼上有狼、這就摸到商人踋底下了。
「わわわぁっ、何てオオカミだ」
這是條甚麼鬼?
商人は、もっと上へ登ろうと思うのですが、上には何か巣(す)の様な物があって頭につかえます。
商人準備在繼續往上面爬、看到上面有個像巢一樣的東西、就開始想。
ハチの巣なのか、鳥の巣なのか、とにかく大きな物です。
是馬蜂還是鳥、這巢好大。
「たとえハチの巣であろうとも、払いのけて上へ登らないと」
萬一裡面是蜂子就要幫他割丟才可以繼續上去啊。
そこで商人は腰に差していた短い刀を抜いて、その巣にブスリと突き刺しました。
男子就幫自己腰上面的刀摸出來、對到窩就是一下。
ところがおどろいた事に、それはクマのお尻だったのです。
但實際上你莫不相信、那是條熊的屁股。
何とクマが木に巣をつくって、そこで寝ていたのです。
這熊好像是幫屋搭到樹上的、現在到睡覺。
お尻を刺されておどろいたクマは木の下へ転がり落ちると、全速力で逃げ出しました。
熊以為自己是被甚麼搞一下、跟到就滾到樹底下去的、然後開始狂奔。
これを見たオオカミたちは、すぐに逃げたクマに襲いかかりました。
狼看到有甚麼東西落來了、跟到就是一起圍上去豺(咬)
「それ、人間をやっつけろ!」
幫這條人弄了!
ですが相手はクマなので、とてもオオカミではかないません。
問題是對手根本是條熊、狼是肯定搞不贏的。
次から次へとやっつけられたオオカミたちは、
狼是一條一條倒
「この人間は、なんて強いんだろう。とても、かなわん」
這條人怎麼這麼厲害啊、搞不贏搞不贏。
と、孫太郎ネコと一緒に、どこかへ逃げてしまいました。
這就狼和貓一起都跑了。
間もなく、夜が明けました。
天一哈也亮了
商人は、恐る恐る木から降りて来ると、
商人下樹的時候是好小心。
「ああ、怖かった。怖かった」
甚麼鬼甚麼鬼。
と、甲斐の国へ帰って行きました。
這就繼續往甲斐回去了。
おしまい
结束
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