福娘童話集 > 百物語 > 二月

2月2日の百物語
（2月2日的日本鬼故事）


渡辺綱(わたなべのつな)と酒呑童子(しゅてんどうじ)
渡邊綱跟酒吞童子

・日本語　・日本語＆中国語

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より) あかおに・あおおに

むかしむかし、あるところに、酒呑童子(しゅてんどうじ)という若者がいました。
到好久以前有一條喊酒吞童子的年輕人

酒呑童子は誰もが、ほれぼれする様な色男で、毎日毎日、女の人から想いを寄せる手紙が束になって届きました。
酒吞童子是條長得好乖的男的、每天都從好多女的哪裡收到情書。

「好きです。わたしと結婚してください」
我喜歡你、我要和你結婚

「お願いです。わたしと結婚してください」
拜託、快跟我結婚

「家はお金持ちです。お金をあげますから、結婚してください」
我屋裡好有錢、我跟你過錢、和我結婚

どの手紙にも、その様な事が書いてあるので、酒呑童子は手紙を開けようともしません。
都寫的是諸如此類的內容、酒吞連看都不看。

かといって捨てるわけにもいかず、酒呑童子は手紙をからびつという箱に入れておきました。
但這東西甩丟也不好、就都幫他甩到箱子裡面。

けれどある時、からびつがいっぱいになったので思い切って燃やしてしまおうと手紙に火を付けたのですが、手紙に込めた大勢の女の人の気持ちが白い煙となって酒呑童子を包み込んだのです。
但是有天、這箱子也滿了、乾脆就燒了算了、這火一點、情書裡面的思戀就化成白煙幫酒吞童子一圍。

すると、あれほどりりしくととのった顔が、みるみるうちに鬼の様な顔に変わって、頭からは角まで生えてきました。
這麼好看的一張臉就瞬間變啦、化成一條鬼、頭上再生兩條角。

「何と言う事だ。
女たちのうらみで、鬼にされてしまった。
こんな顔では、村のみんなも恐ろしがる事だろう」
唉
被這群女的嫉恨
變成一條鬼
這幅臉村裡人估計也是怕

村を出た酒呑童子は丹波の国(たんばのくに→京都府)の大江山(おおえやま)に隠れ住み、そして大江山に住む鬼たちの大将になったのです。
這就出村去了一個喊丹波國（現京都府）的地上、邏個山住到裡面的、還變成這山裡面的鬼老大。

顔だけでなく心まで鬼になった酒呑童子は、京の都に出かけて侍を襲ったり、お姫さまをさらったりの悪行を重ねました。
變成鬼的不光是臉、心也被影響了、這就到街上去殺衛兵、搶乖女的。

そしてそれを知った帝(みかど)が、渡辺綱(わたなべのつな)という強い侍に酒呑童子退治を命じたのです。
這也就驚動上面人了、就喊一個喊渡邊綱的厲害武士幫酒吞去弄了

綱(つな)が羅生門(らしょうもん)へ行くと、待ち伏せていた酒呑童子が、いきなり太い腕で綱をつかみあげました。
綱一走到羅生門、就被埋伏好的酒吞兩手一捉

「グワグワグワーァ！　おれを退治に来るとは、生意気な！」
鬼叫、一點逼數都米的、還敢跑過來弄我！

酒呑童子の怪力に綱はもがきながらも、その右腕を刀で切り落としました。
雖然綱被酒手兩手抓到、但還是掙扎到下了酒吞一條膀子。

「ウギャーーー！」
叫聲

腕を切られた酒呑童子が大江山へ逃げかえったので、綱は切り落とした腕を屋敷へ持ち帰って石のからびつに隠しました。
酒吞丟條手這也就跑到大江山本部去了、綱幫砍落來的手帶回去、收到一個石頭箱子裡面。

それから数日後、綱の屋敷に片腕のおばあさんがやって来て、
過幾天綱屋裡就來一個只有一只手的老婆婆

「鬼の腕があるそうだが、ちょっと、見せてもらえんかのう？」
你聽你有鬼手、可以讓我看哈子吧？

と、頼んだのです。
就這麼港

(酒呑童子と同じ片腕とは)
綱也注意到了
老婆子和酒吞都少一條手

おばあさんを怪しんだ綱が断ると、おばあさんは涙を流しながら訴えました。
綱也是起疑就拒絕了、老婆子就哭。

「実は、わしの娘は鬼にさらわれたのじゃ。
それに鬼は、娘を守ろうとしたわしの右腕も。
だからぜひとも、かたきの腕を見ておきたいのじゃ」
實際上我女被鬼捉去了
鬼來我就護到我女啦
手就著搞斷了
我一定要看哈子仇人的手是長得甚麼樣子的

「・・・そうでしたか」
還有這個事啊

心を動かされた綱は鬼の右腕を取り出すと、おばあさんに見せてやりました。
綱也是無奈、就幫鬼手取出來過老婆子看了。

「これが、娘さんのかたきの腕です」
這就是我女仇人的手膀子

するとおばあさんは、その腕をすばやく自分の右腕につけて、たちまち鬼の正体を現しました。
這港完話就幫膀子往自己手上面接
接完就變成鬼了

「グワグワグワーァ！　これで腕は元通りだ。これからは、もっと暴れてやるぞ！」
鬼叫、這麼到我手就又回來啦、我要做更多的壞事。

酒呑童子はそう言い残すと、飛ぶ様にして大江山へ帰って行きました。
酒吞幫自己手騙得、就跟到跑回山裡面去了。

「しまった！　酒呑童子がおばあさんに化けてくるとは。こうしてはおられん」
我日、被鬼變成老婆子騙了、我要快點想該怎麼搞。

綱はさっそく、この事を帝に知らせました。
綱馬上幫這個事讓上面人曉得了。

すると帝は都で一番強いと言われる源頼光(みなもとのよりみつ)を呼んで、大江山の鬼退治を命じました。
然後上面就又幫源賴光派落下、喊他去幫鬼弄了。

頼光(よりみつ)は渡辺綱(わたなべのつな)をはじめ、卜部季武（うらべのすえたけ)、碓井貞光(うすいさだみつ)、坂田金時(さかたのきんとき→金太郎)たちを家来にして大江山へ乗り込んで行きました。
賴光以綱為首幫自己底下人編成一隊、分別是卜部季武、碓井貞光、坂田金時、這就上山了。

そしてようやく酒呑童子の岩屋にたどりついた頼光たちは、山伏(やまぶし)の姿に変装すると、
賴光這就看到酒吞的石頭房子了、化妝成和尚

「わしらも、鬼の仲間にしてくれ。土産に、うまい酒を持って来たから」
我們也想搭夥、在也帶東西和酒過來的。

と、見張りの鬼をうまくだまして、岩屋に入り込みました。
幫巡邏的那條鬼就哄過去了、也就進屋了。

この土産のお酒は『神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)』と呼ばれる不思議なお酒で、人が飲んだら力が五倍になり、鬼が飲んだら体がしびれて動けなくなるのです。
帶過來的酒是稀有酒、喊神便鬼毒酒、人吃變厲害五倍、鬼吃直接人麻了。

そうとは知らずに酒を飲んだ鬼たちは、次々に体がしびれて動けなくなりました。
鬼也不曉得這些、一個個就都麻了。

ようやく山伏の正体に気づいた酒呑童子は、
酒吞也開始曉得這是甚麼案了。

「おのれ！　毒を使うとは、鬼にもおとるひきょう者め！」
港他們不憑自己本事、用酒下毒不地道。

と、頼光たちに襲いかかりましたが、酒呑童子も酒を飲んでいた為に体が動かず、新羅三郎(しらんさぶろう)の刀で首をきられてしまいました。
想幫他們弄了、發現自己人著麻了、就被新羅三郎一刀從脖子過去了。

ところがその首が空中を飛んで、くるっと向きを変えたかと思うと、歯をむき出した恐ろしい顔で新羅三郎のかぶとに噛みついたのです。
哪曉得這頭飛到天上就轉了一個圈、牙齒就伸出來對到新羅三郎的鋼盔上面咬。

新羅三郎のかぶとは八枚かぶとといって、おおいが八枚もありました。
新羅三郎帶的是用八塊鐵皮組成的八枚兜

酒呑童子の首は、そのうちの七枚までを食い破ったのですが、あと一枚がどうしても食い破れません。
酒吞的腦殼就幫七塊鐵皮都咬破了、就是咬不破最後一塊。

そこで酒呑童子の首はもう一度空中に飛ぶと、頼光らに言いました。
酒吞的腦殼再又往天上一飛、對到賴光港

「今回はおれの負けだが、いつか必ず仕返しをしてやるぞ！」
這次算我輸、遲早有一天我要回來弄你的。

そして酒呑童子の首は、空高くに消えていきました。
話港完腦殼也飛不見了

酒呑童子には逃げられましたが、頼光らは大江山の鬼たちを退治して、京の都に平和をもたらしたのです。
雖然是著酒吞跑了、但是其他小鬼著滅了、這之後京都也就安穩了。

おしまい
结束

※　酒吞童子の話「酒呑童子」、「渡辺綱と酒呑童子」、「羅生門の鬼」

おまけ
ささらとゆっくり昔話　第11話【酒呑童子】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。

おまけ
ささらとゆっくり昔話　第11話【酒呑童子】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。

おまけ
ささらと昔話講座　番外編03話【悪鬼伝承】

(回到上一页)