|
|
福娘童話集 > 百物語 > 五月
5月27日の百物語
(5月27日的日本鬼故事)
弥三郎(やさぶろう)ばばあ
弥婆
・日本語 ・日本語&中国語
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「櫻井園子」 櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》
むかしむかし、新潟のある山のふもとの村に、弥三郎ばばあと呼ばれるおばあさんがいました。
到好久以前、新潟一座山腳底下一個村、弥三郎他媽彌婆。
弥三郎ばばあは村の嫌われ者で、付き合う村人は誰もいません。
彌婆討人恨、覓(沒)得人願意跟他來往。
するとその事をうらんだのか、 弥三郎ばばあは山に行って山犬やオオカミを手なずけると、山犬やオオカミと一緒に村人を襲うという事件を起こしたのです。
也不曉得是不是對這個事懷恨在心、彌婆上山飼狗訓狼、就帶到這些個狼狗看到人就豺(咬)
それから数ヵ月後のある日、弥三郎ばばあの息子の弥三郎が町へ用事に行った帰り、日が暮れかかる峠道にさしかかりました。
幾個月後、她兒彌三郎街上辦事回來、經過黃昏的山嶺。
すると白髪をふり乱した鬼の様な恐ろしい顔の老婆が現れて、山犬やオオカミと一緒に襲いかかってきたのです。
出來一條白髮凌亂、長的鬼樣的老婆子、後面還有一群狼狗、這就豺過來了。
「うわわわわーっ!」
啊啊啊啊!
びっくりした弥三郎は、あわてて近くの大きな木によじ登りました。
彌三郎看到顆大樹就爬。
追いかけて来た老婆は弥三郎が登っている大木の根元まで来ると、弥三郎が逃げ出さない様に手下のけだものたちを木の周りに並べて、自ら木をよじ登ってきました。
婆子就追到樹底下來、莫讓人跑了、驅狼狗幫樹圍到、自己親自開始爬。
弥三郎は、その老婆が自分の母親だとは思いもしません。
彌三郎肯定不得覺得這就是他媽啦。
また弥三郎ばばあの方も、木の上にいるのが自分の息子だとも知りません。
他媽也不曉得這就是自己兒。
弥三郎は老婆に気付かれない様に、腰にさしていた鎌を手に持ちました。
彌三郎趁婆子不注意、腰上鐮刀捏手裡。
そして老婆が近づいて弥三郎の足をつかもうとしたその時、弥三郎は手の鎌を力一杯老婆の頭に打ちつけました。
老婆子一近準備捉踋、他兒就用鐮刀鉤婆子頭。
「ギャーーーー!」
啊啊!
老婆はものすごい悲鳴をあげて木からずり落ちると、手下のけだものたちとやぶの中へ姿を消していきました。
老婆子一聲嬉、樹上一落、和狼狗一起就不見到草叢裡面去了。
「たっ、助かった」
幸好。
弥三郎は木から降りると、脇目もふらずに家まで逃げ帰りました。
兒一下樹、旁邊都不看一眼、直接往屋裡飛奔跑。
弥三郎が家に帰ると、朝は元気だった弥三郎ばばあが頭に手ぬぐいを巻いて寝ていました。
奔到屋就看到媽用塊布幫腦殼包到的躺床上、白天出去人還是好好的。
「頭を、どうしたんだ?」
兒就問、頭上是怎麼回事。
弥三郎がたずねると、弥三郎ばばあはニッコリ微笑んで言いました。
她媽笑的港。
「何でもないよ。ぼんやりして、柱に頭をぶつけただけさ」
撞柱子上面了、不小心。
しかし手ぬぐいににじんでいる血を見ると、傷はかなり深い様です。
但是看布裡面滲出的血、傷口是好深。
「本当に、頭をぶつけたのか?」
真就只是撞一哈?
「・・・・・・」
「もしかして、村人の誰かにやられたんじゃないのか?」
是被村裡面那個欺負了啊?
「・・・・・・」
弥三郎が心配して、弥三郎ばばあの頭の手ぬぐいに手を伸ばそうとしたその時、弥三郎ばばあはいきなりふとんをはね飛ばして起き上がり、
兒就擔心、就上去關係傷勢、她媽一哈從床上跳起來。
「わしの頭を割ったのは、お前じゃ! この親不孝者め!」
你個不孝子、砍我腦殼的就是你!
と、わめきながら、家の外へ飛び出して行きました。
一嬉、就從屋裡出去了。
弥三郎があとを追って外へ出ると、弥三郎ばばあは老人とは思えないほどの速さで山の方へと走って行き、その後ろを手下の山犬やオオカミたちがついていきました。
兒就追啊、但他媽速度完全不像一個老婆婆、好快的往山上奔、後面還跟一群狼狗。
その後、村を出た弥三郎ばばあは弥彦山(やひこざん→新潟県の西蒲原郡弥彦村と長岡市との間)の岩穴に住み着き、山犬やオオカミたちと一緒に弥彦山のふもとの村で村人を襲ったり、墓場から死体を持ち出したりして、なんと二百年も生き続けたという事です。
後面彌婆就不住村、住山上了、彌彥山一條洞裡面、(現新潟県、西蒲原郡弥彦村和長岡市的中間)、和狼狗一起下山搞人、時不時還挖哈墳、帶些屍體上山、差不多有二百多年盤踞到這裡的。
おしまい
结束
(回到上一页)
|
|
|