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福娘童話集 > 百物語 > 六月
6月29日の百物語
(6月29日的日本鬼故事)
甚内と怪物
甚內跟妖
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、熊野(くまの)の奥の小口(こくち)という里に、平家の残党で甚内(じんない)という一人の侍が住んでいました。
到好久以前、熊野裡面、有個喊小口的鄉、平家殘黨甚內躲到裡面的。
ある日の事、甚内が風邪をこじらせて寝込んでいるところへ、茶坊主風の男がやって来て言いました。
有天甚內害病、往床上躺到的、來了個像是門客的男的。
「甚内さま、これは万病に効く薬です。差し上げますので、どうぞ、お試しを」
就跟甚內過一顆藥、港這是仙丹、包治百病。
そして次の日も、また次の日も、同じ時刻になるとその男がやって来て薬をすすめるのです。
每天送藥都是準時。
ところが、その薬を飲むと病気はかえって悪くなる一方なので、甚内は、
但是藥越吃人是越噶卵(不好)
(あの男、ただ者ではあるまい。もしや、物の怪では?)
這男的有點問題啊、就開始想。
と、考えて、鴉太刀(からすだち)という伝家の宝刀をふとんの下に隠し待っていました。
這就幫寶刀、鴉、往鋪蓋裡面一收
すると、いつもの時間に男がやって来て、今日も薬をすすめます。
這天同樣的時間男的又來推藥了。
(もう、だまされんぞ)
我還得讓你繼續盤(騙)啊
男の様子をよく観察すると、目が死んだ魚の様に白くにごっていました。
好甚在打量一哈這男的、眼睛跟死魚一樣白白的。
そして肌がウロコの様にザラザラしていて、生臭い匂いもします。
身上皮膚跟鱗片一樣的好糙、還帶有腥味。
(やはり、こいつは人間ではないな。さては、魚の物の怪か?)
這肯定就不是條人啊、魚妖?
そう考えた甚内は、ふとんの下から刀を取り出すと、
刀一取
「てゃっ!」
劈砍狀!
と、男めがけて切りつけたのです。
就乾脆直接試哈子、就是一刀。
ところが男はさっと身をかわすと、肩先にかすり傷を負っただけで逃げてしまいました。
男的躲的快、就肩膀著劃一點點、馬上跑了。
「しまった! 病ゆえ、太刀筋に迷いがあったか!」
也是大呼不好、自己害病、刀都舞不準了。
病気で歩けない甚内が隣に住んでいる若者にあとを追ってもらうと、血の跡が大立島(おおだてじま)のそばの淵まで続いていたというのです。
甚內自己走不得、就斥(喊)住到旁邊的年輕人去追、血蹟就一路沿到大立島旁邊的池子裡面。
物の怪は、その淵の中に逃げ込んだに違いありません。
鬼怪肯定就是往裡面去了。
やがて元気になった甚内は、那智の浜の徳兵衛という漁師が七年もかけて鍛えたという、立派な鵜(う)と伝家の宝刀の「鴉太刀」とを取り替えてもらい、さっそく淵の中へその鵜を入れました。
覓(沒)好久、甚內人好了、那智海岸、德兵衛、漁夫、跟了自己七年的一條鷺鶿、甚內用自己的愛刀鴉跟漁夫幫鷺鶿換了。
這就放鷺鶿進池。
するとたちまち雷鳴がとどろいて淵のまん中に大きな渦が巻き起こると、やって来た鵜を飲み込んでしまいました。
這一哈就雷鳴震耳、水面攪起漩渦、鷺鶿過就著水吞裡面去啦。
「うむ、どうしたものか」
甚麼鬼?
甚内は鵜の事を心配しながらも、ひとまず家に帰る事にしました。
甚內擔心自己的鷺鶿啊、但是也覓辦法只能先回去。
翌朝、雨のあがった淵には、鵜の姿も物の怪の姿も見当たりませんでした。
第二天、雨止的水塘、鷺鶿和妖怪痕蹟都看不到了。
甚内が川の流れにそって探してみると、小立島の近くで全身傷だらけの鵜と、大きな大きなアメノウオの死体を見つけました。
甚內就沿到水的流向邏、小立島的附近、一條傷鷺鶿和好大好大的雨魚發現了。
あの茶坊主の正体は、この大アメノウオだったのか、それから茶坊主が現れる事はありませんでした。
也不曉得這條大雨魚是不是就是那條門客、但是之那以後那人是這也覓出現過了。
甚内は立派に戦って死んだ鵜を抱きかかえると、手厚く葬ってやったという事です。
甚內抱到重傷不治的鷺鶿也是厚葬。
おしまい
结束
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