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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >七月
7月27日の百物語
娘のガイコツ
小姑娘的骨骸
翻訳者 恵州学院 温蘇苹
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、お酒好きのおじいさんが、お酒を持って浜辺へ散歩に出かけました。
很久很久以前,有一位爱喝酒的老爷爷拿着酒到海边去散步。
おじいさんは浜辺でちょうど良い大きさの石を見つけると、そこに腰をかけてお酒を取り出しました。
老爷爷在海边正好看到一块大小正好的石头,就拿出酒在那里坐了下来。
「天気も良いし、ながめも良い。今日はここらで、一杯やるか」
“天气也好,景色也美,今天就在这里喝一杯吧!"
そして飲み始めて良い気分になったおじいさんが、ふと足元を見ると、ガイコツが転がっていたのです。
怀着好心情开始喝酒的老爷爷,往脚下看时,看到有骨骸堆放在那里。
「これはこれは、いかなる人のガイコツかは知らぬが、お前さんも一杯やりなされ」
"哎呀,哎呀,不知道是谁的骨骸,你也来喝一杯吧。"
おじいさんはガイコツにお酒をそそぎかけると、陽気に歌を歌って楽しい時間を過ごしました。
老爷爷往骨骸上倒了些酒,欢唱着歌,度过了愉快的时光。
やがて酒を飲み尽くしたおじいさんが帰ろうとすると、後ろから声をかける者がありました。
不久,把酒喝完的老爷爷要回去的时候,听到后面有人在叫唤:
「もし、おじいさま、ちょっと待って下さい」
“喂,老爷爷,请稍等一下。"
おじいさんが振り返ると、十七、八歳の美しい娘が立っていました。
老爷爷转过身时,一位十七八岁的美丽姑娘站在那里。
娘は、おじいさんににっこり微笑んで言いました。
小姑娘微笑着对老爷爷说:
「今日はおじいさまのおかげで、本当に楽しかったです。よければ、お礼をしたいと思います」
“今天多亏老爷爷真的很开心,可以的话,我想对您表示感谢。”
おじいさんは、首を傾げました。
老爷爷歪了歪头,
「はて? こんな美しい娘さんに知り合いは無いし、お礼をされる様な事は何もしとらんぞ。
"咦?不认识这么美丽的姑娘,我不认识你,怎么能接受你的谢礼呢。
・・・ははーん、さてはお前、キツネだな」
…哈哈,你是狐狸吧。”
「いいえ。
おじいさま、よく聞いてください。
“不是。老爷爷,请好好听我说。
わたしは三年前のちょうど今頃、川で溺れて死んでしまい、そのまま海に流されて、この砂浜にたどり着いたのです。
三年前的这时候我在河里溺死,就这样被冲到了海里,好不容易到了这个海边。
この月の二十八日は、わたしの三年忌で、家で法事があります。
这个月的28号是我的三年死忌,家里会有法事。
その日にお礼をしますから、その日は必ずここに来てください」
那天会向您致谢,所以那天请您一定到这里来。”
「なるほど。
あんたは、あのガイコツであったか。
“原来如此,你是那个骨骸吗?
よし、わかった。
二十八日に、また来よう」
好,我知道了。28号还会来的。”
おじいさんは娘と約束をすると、帰って行きました。
老爷爷和小姑娘约定好后,就回去了。
二十八日になりました。
到了28号。
おじいさんが浜辺へやって来ると、先に待っていた娘がおじいさんを隣村の大きな屋敷に案内しました。
老爷爷来到海边后,已经在等候的姑娘带老爷爷到了附近村子的一个大宅邸。
その屋敷では娘の言葉通り、法事が行われています。
那个宅邸如姑娘所说,正在举行法事。
見知らぬおじいさんがやって来た事に気づいた屋敷の主人が、おじいさんに尋ねました。
发现有素不相识的老爷爷来参加法事宅邸的主人找到了老爷爷。
「あの、あなたは、どこのどなたさまですか?」
“那个,请问您是哪位呢?”
「ああ、わしはこの娘に連れられて・・・。おや?」
“啊,我是被这个姑娘带来的…哎?”
おじいさんは娘を振り返りましたが、娘の姿は消えていました。
老爷爷朝姑娘回过头来,但姑娘已经消失了。
すると家の主人は驚いて、おじいさんに頼みました。
于是宅邸的主人大吃一惊,向老爷爷拜托道。
「それは間違いなく、わたしの娘です。ぜひ、その浜辺へ案内してくだされ」
“没错,是我的女儿。请一定带我去那个海边。”
そこでおじいさんは、屋敷の人たちをあの浜辺へ案内してやりました。
于是老爷爷就带着宅邸的人们去了那个海边。
ガイコツを見た主人は一目で娘に間違いないといって、娘の骨を持ち帰ると改めて法事をやり直しました。
见到骨骸的宅邸主人一眼就说是他的女儿没有错,然后拿着女儿的骨骸回去后重新开始做了法事。
そしておじいさんは主人からたくさんのお礼をもらって、大好きなお酒を思う存分飲む事が出来たそうです。
然后老爷爷从主人那里得到了很多礼物,可以尽情地喝最喜欢的酒了。
おしまい
結束
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