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福娘童話集 > 百物語 > 九月
9月9日の百物語
(9月9日的日本鬼故事)
旅人ウマ
馬變
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、二人の仲の良い幼なじみの若者が、一緒に旅をしていました。
到好久以前從小時候就認得到的兩個年輕人一起踏上旅途。
一人は金持ちの家の息子で、もう一人は貧乏な家の息子です。
二個人一個屋裡有錢一個窮。
ある日の事、二人が山道を歩いている途中で、日が暮れてしまいました。
這天兩個人就一起到山路上面走、天就慢慢黑落來了。
「困ったな。どこか、泊まるところを探さないと」
稀爛、這要馬上邏落腳的地方啦。
「そうだな。しかし、こんな山の中では、・・・おや?」
港是這麼港、這山裡面為(難不成)還有屋啊?
ふと前を見ると、こんな山の中だと言うのに、一軒の家があります。
這一抬頭、前面還真就有條屋到。
「おおっ、こいつは助かった」
好傢伙
二人が家の戸を叩いて一晩泊めて欲しいと頼むと、中から出て来たおばあさんがにっこり笑って言いました。
兩條就敲門、希望可以留一晚上落來、裡面就出來條婆子笑到的。
「山の中で何もないが、ゆっくりと休んでいきなさい」
客套一哈就讓別個進屋了。
その夜、金持ち息子はすぐに寝てしまいましたが、貧乏息子はなかなか眠れません。
這晚、有錢人屋裡兒馬上就睡著了、窮人好晚還醒到的。
隣の部屋は、まだ明かりがついています。
旁邊屋子裡面燈還是亮到的。
(ばあさまも、まだ起きているのか。少し、話し相手になってもらおうか)
這就以為婆子也覓(沒)睡、準備邏別個扯哈卵談。
貧乏息子はそう思い、そっと隣の部屋をのぞいてみました。
這麼想到就對到隔壁的房步二眼。
すると、おばあさんが火の気のないいろりにかがみ込んで、一生懸命に灰をかきならしています。
這就看到婆子睉(蹲)到熄了的火坑裡面刨灰。
そのかっこうが、田を耕しているのに似ているので、
這姿勢就跟田裡面翻土樣的。
(おかしな事をしているな)
唉、這是到搞甚麼啊
と、しばらく見ている事にしました。
這就準備多看一陣。
やがておばあさんは、ふところから袋を取り出して、タネの様な物を灰の上にばらまきました。
這就又看到婆子從心口前取出個小袋子、幫條像種子的東西撒到灰上。
するとタネからみるみるうちに芽が出てきて、苗(なえ)が生えそろいました。
這一哈種子就冒芽了、變成個小秧苗。
おばあさんがその苗に水をかけると苗はどんどん生長して黄色くなり、たわわな稲になりました。
婆子又繼續澆點水、苗子過一哈變黃了、變成垂下來的稻穀了。
そしてそれを刈り取って実を落とし、手に取って三回ギュウギュウギュウと握ると、まっ白なお餅が出来上がったのです。
這就幫這些稻子割了、取裡面的米、放到手上捏三個來回、白色的粑粑這就好了。
(何とも、不思議な事があるものだ)
窮人著這一哈人看懵了。
貧乏息子が感心していると、突然に泥沼へ引きずり込まれる様な眠気が襲ってきて、そのままふとんにのめり込む様に眠ってしまいました。
窮人一陣感嘆、這時突然就睡意大發、躺鋪蓋上面睏去了。
やがて夜が明けて、貧乏息子は目を覚ましました。
天亮、人也醒了。
(昨夜のあれは、夢だったのだろうか?)
以為昨天這是到做夢
そう考えていると、隣の部屋からおばあさんが声をかけました。
這麼想的時候、隔壁的婆子就喊了。
「熱いお茶を入れましたで、どうぞ起きてください」
快起來、我幫茶準備好了。
隣の部屋へ行くと、すでに金持ち息子がいろりばたに腰をおろして、おばあさんとお茶を飲んでいます。
這一去、另外一個已經坐到火坑邊上和老婆子到喝茶了。
そのそばには、昨夜のお餅がありました。
邊上還有昨天捏的餅子。
貧乏息子は、あわてて金持ち息子の横に座ると、
窮兒一哈慌了、馬上坐到富兒旁邊
「それは、怪しい餅じゃ。食わんほうがええ」
交待他這餅子怪異、還是莫吃為好。
と、小声で言いましたが、金持ち息子は餅をつかんで、
雖是小聲到旁邊提醒、但是別個不聽。
「何を言う。うまそうな餅じゃないか」
港甚麼、你看這餅子這麼好。
と、パクリと食べてしまいました。
這就一口豺(撕咬)了
するとそのとたん、金持ち息子の体がガクンと前に倒れて、
就這一哈、人一哈不好了、往桌子前面一趴。
「ヒヒヒーン!」
馬叫
と、あっという間にウマになってしまったのです。
瞬間這就變成條馬了
「やはり、夢ではなかった!」
稀爛!我就曉得。
貧乏息子は一目散に、おばあさんの家から逃げ出しました。
窮兒這還敢留啊、馬上出了屋飛奔。
逃げた貧乏息子は、無事に自分の村へと帰って来ました。
跑到跑到還回村了、一點卵事都覓(沒)得。
あのおばあさんが、追って来る様子もありません。
婆子好像也覓追
「何とか、助かったが」
幸虧我跑脫了啊
しかしこのまま、仲の良い友だちをほうっておくわけにはいきません。
但是這又不好放自己另一個搭檔不管。
「あいつを助けないと!」
又準備回去救他
そこで貧乏息子はあちこちを駆けずり回って、医者やお坊さんや占い師などに友だちを助ける方法を聞いて回りましたが、みんな首をかしげるばかりです。
後面這窮兒是到處問、訪、醫生和尚風水師傅、
覓得一個人曉得這是條甚麼案
「どうすればいいんじゃ」
窮兒這也一哈覓得辦法了
途方にくれた貧乏息子が道ばたの石に腰をおろしていると、まるで仙人の様な真っ白いひげのおじいさんが通りかかりました。
人一哈頹喪就往路邊的石頭上一坐、這就看到一條像神仙樣的白鬍子老頭頭過路了。
貧乏息子は最後の頼みと思って、そのおじいさんに頼みました。
窮兒就當這是最後的希望、幫事港起老頭頭聽了。
「物知りなお方と思い、お尋ねいたします。どうか、ウマにされた友だちを助ける方法を教えてください」
也是港看別個淵博、有覓有甚麼方法可以讓自己的富兒搭檔從馬變回人。
すると、おじいさんは、
老頭頭這也回了。
「ここから東に行くと、ナスの畑がある。そこで一本の木に七つ実がなっているのを探して、友だちに食べさせなさい」
你自這處向東、有片茄子田、邏一陡掛有七根茄子的苗木、取了過他吃試看哈子。
と、教えてくれたのです。
吩咐了
「ありがとうございます!」
窮兒感謝
貧乏息子はおじいさんに礼を言うと、東に向かって走りました。
回了老頭頭一個謝禮、這就往東邊去了。
すると、おじいさんの言った通りに、ナス畑があります。
還就真有塊老頭頭港的茄子田、
貧乏息子は大喜びで一本の木に実が七つなっているのを探しましたが、一本の木に五つなっているのしか見つかりません。
窮兒想邏結有七實之茄樹、但是盡是一些五根茄子的茄子樹
「この畑ではないのか?」
覓到這塊田裡面啊?
そこで貧乏息子が、さらに東へ行ってみると、またナス畑がありました。
窮兒這又繼續往東、又是一片茄子田栽到的。
しかしそこには一本の木に実が六つのはありますが、七つのはありません。
但是這邊的都是六根茄子的、還是少一根。
仕方なくさらに東へ東へと行くと、またナス畑がありました。
這就又繼續向東、又是一片茄子田。
そこでようやく、一本の木に実が七つなっているナスを見つけたのです。
終於看到這裡面有顆七茄樹。
「これで、あいつを助けられる」
好傢伙、成了
貧乏息子は七つのナスをふところに入れると、あのおばあさんの家へ行きました。
窮兒幫七根茄子往心口前一裝、這就去邏老婆子了。
おばあさんの家へ着くと、友だちのウマはちょうど野良仕事から帰って来たばかりで、さんざんにぶたれたのか、背中やお尻から血がにじんでいます。
前腳剛到、馬搭檔這就從田裡回來了、不曉得是不是著打的好著孽、背上屁股上全是透出來的血印子。
「大して働かんウマじゃ。夜には殺して、食ってくれるわ」
這馬差了、覓得利用的價值、晚上殺了撈肉吃。
おばあさんは友だちのウマを馬小屋につなぐと、家の中に入っていきました。
婆子幫馬往棚子裡面一牽、進屋了。
(よし、今だ)
窮兒看準機會。
貧乏息子はウマに近づくと、七つのナスを取り出して言いました。
一哈摸到馬邊上、七根茄子一掏。
「これを食え。食えば、人間に戻れるぞ」
喊馬快吃、吃了就變人了。
ウマはサクサクと四つのナスを食べましたが、あとは頭を振って食べようとしません。
馬就瘋狂吃茄子、哪曉得這才四根就擺腦殼了、意思自己吃不落去了。
「何をしておる。みんな食わんと、人間に戻れんのだぞ」
你不全吃完起來怎麼得變回人啦。
貧乏息子は、残りのナスを無理やりウマの口に押し込んで食べさせました。
窮兒就不管馬吃不吃的落了、直接捏到茄子往馬嘴巴裡面灌。
すると七つ目を食べ終えたとたん、ウマは大きくいなないて立ち上がると、元の金持ち息子の姿に戻ったのです。
這七根茄子一下肚、提起身子一聲馬嘶長嘯、這就變成原來的人了。
人間に戻った金持ち息子は、涙を流しながら言いました。
富兒由馬變人是眼睛水雙拋。
「ありがとう。あのままウマでいたら、殺されるところだった」
港自己這要還是馬、今天晚上就要著殺了吃肉了。
「喜ぶのは後だ。早く逃げないと、あのばあさまがやって来るぞ」
先莫港這些、快跑、婆子來了。
二人の息子は手を取り合って逃げ出し、何とか自分たちの村へと帰って行きました。
二條就手遷到手飛奔、最後終於是回到自己熟悉的村子了。
その後、助けられた金持ち息子は自分の財産を貧乏息子に分けてやると、いつまでも仲良く暮らしたという事です。
這事之後、富兒跟到(馬上)幫自己錢跟窮兒分起一些、這之後都還是繼續當到好朋友的。
おしまい
结束
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