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福娘童話集 > 百物語 > 九月
9月14日の百物語
(9月14日的日本鬼故事)
お歯黒べったり
黑齒無面女
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある村に、重兵衛(じゅうべえ)といういたずら好きの若者がいました。
到好久以前、有條村子裡面有條好喜歡整人的傢伙、他就是重兵衛。
ある寒い日の早朝、重兵衛は山の向こうの町へ買い物に行く為に、まだ暗いうちに家を出ました。
這天早上就好冷、重兵衛為了要去山對面的街上買東西去、天還覓(沒)怎麼亮就趕到出去了。
そして薄暗い山道を登っていると、前の方から何やらごそごそと音がします。
這就走到蛆卵黑的山路上、前面就有條怪聲音出現了。
「はて、何の音だろう?」
這是條甚麼聲音哦?
立ち止まってよく見ると、一匹のキツネが土を掘っているのです。
站到不動好甚看哈子、原來是一條狐狸到刨土。
「ははーん、あのキツネだな。いつも村に来て悪さをするのは。よし、ひとつおどかしてやろう」
重兵衛一看到狐狸、就準備好甚整哈子它、反正這些狐狸也做不了甚麼好事。
重兵衛は道に捨てられた馬ぐつを拾うと、キツネめがけて投げつけました。
剛好路上就有條別個甩丟不要的馬蹄鐵、撿起來對到狐狸就甩過去了。
ヒューーッ、ドサ!
落地聲
馬ぐつは、キツネの足元に落ちました。
馬蹄鐵就砸到狐狸踋旁邊了、
「キャン!」
驚嚇聲
びっくりしたキツネは大きく飛び上がり、崖から足を滑らせて谷川へ落ちて行きました。
狐狸著骸了個卵卯翻天、跳了個好高、本來就是懸崖邊上這踋又一瀌(滑)、這就落溪谷底下的河裡面去了。
重兵衛が谷川をのぞいてみると、キツネは川の中で苦しそうにもがいていましたが、それでも何とか向こう岸へはい上がって山の中へ逃げて行きました。
重兵衛就對到谷底下認、狐狸就到河裡面掙扎到的、但最終還是爬到岸上跑山裡面去了。
「ははーん。ざまあーみろ! さあ、早く買い物をすませて、みんなにキツネ退治の自慢話をしてやろう」
重兵衛看到狐狸這樣子心裡就好舒服、就準備快點去街上幫事搞完起來、然後跟其他人吹牛皮去。
町で買い物をすませた重兵衛は大急ぎで帰りましたが、冬は日が暮れるのが早くて、キツネが落ちた崖のそばまで来た時にはすっかり暗くなっていました。
事搞完重兵衛也是回去的好急、但是冬季天黑的快、這才走得狐狸絆(摔)落去的地方、天都過黑了。
「よわったぞ。どこかに明かりを貸してくれるところはないだろうか?」
稀爛、有哪裡可以讓我借個燈籠就好啦。
辺りを見回すと、遠くにポツンと明かりが見えます。
附近看一眼、遠處有個亮到燈的地方
「ありがたい。あの家で、ちょうちんでも借りよう」
好傢伙、去他屋看可以借的到個燈籠吧。
重兵衛が明かりをたよりに進んで行くと一軒の家があり、中をのぞくとおばあさんがいろりの前でお歯黒をつけていました。
重兵衛就沿到有燈火的方向去、到地方、屋裡面渺一眼、看到條婆子到塗牙齒。
(以前為了保養牙齒會用條東西幫牙齒全部塗黑起來)
お歯黒とは歯を黒く染めるお化粧の事で、むかしの女の人は結婚するとこれをつけていました。
婆子用的就是一條喊黑膏的化妝品、以前女的只要一結婚就會塗了。
お歯黒には歯を丈夫にする効果があるので、おばあさんの口の中には丈夫そうな歯がずらりと並んでいました。
黑膏還起到保護牙齒的作用、婆子的嘴巴裡面是一排好牙。
「すみません。
重兵衛這就敲門了、
おらは、この先の村の重兵衛という者だが、この夜道に足元が見えずに困っています。
先港些套話表明身份、這就表面自己來意了、港這天黑路遠、蛆卵黑的甚麼都看不到。
たいまつかちょうちんを、貸してくださらんか?」
要是可以借個火把或者是燈籠就好了。
重兵衛が声をかけましたが、おばあさんは知らん顔です。
重兵衛打完招呼、問題是老婆子頭都不回一哈。
(はて、このばあさん、耳が遠いのかな?)
重兵衛就想莫是這婆子耳朵不好啊。
重兵衛が大声でもう一度同じ事を言うと、やっとおばあさんがこっちを向きました。
這就又幫聲音加大、同樣的話又港了一遍、這次婆子終於是幫腦殼轉過來了。
「ここには、たいまつもちょうちんもないよ」
問題是我這裡火把燈籠都覓(沒)得啊。
「そうですか。それじゃ、夜道は危なくて歩けないから、今夜一晩泊めてくだされ」
這樣子啊、那這天黑路上也危險、可以讓我留一晚上落來吧。
「布団はないが、まあ、いろりにでもあたっていけ」
但是也覓多的鋪蓋啦、那你就圍到火這裡來了。
そう言っておばあさんは、いろりにまきをくべました。
婆子這就往火坑裡面添柴。
「ありがてえ。おら、もう寒くて、体が凍えそうだったんだ」
重兵衛也是表達自己的謝意、港自己都要冷彈了。
家に入った重兵衛は、おばあさんと向かい合っていろりの前に座りました。
重兵衛進屋、就進到火坑邊上對到婆子坐到的。
「なあ、ばあさん。ここには、一人で住んでいるのか?」
婆、這裡是你一個人住啊?
「・・・・・・」
婆不做聲
「こんな山の中じゃ、何かと大変だろう?」
這大山裡面、搞甚麼都不方便吧?
「・・・・・・」
婆還是不做聲。
おばあさんは返事をせず、歯をむき出して、もくもくとお歯黒をつけています。
婆子不港話、只是幫牙齒呲出來、到用黑膏幫牙齒抹均勻。
(けっ、気味の悪いばあさんだ)
重兵衛就感覺這氣氛怎麼好詭異。
なんだか怖くなってきた重兵衛は、なるべくおばあさんの顔を見ない様に、うつむいていました。
也幫自己腦殼彀(彎)落去、儘量不去看婆子。
そのうちにまきが燃えつきて、火が消えそうになってきました。
這時柴也燒完了、火離熄就到眼前。
「ばあさん、まきはないのか?」
婆、我們覓得柴了啊?
そう言って顔をあげると、おばあさんはニヤリと笑って言いました。
男的港這句話的時候就幫臉抬起來、就聽到婆子笑到港。
「どうだね。お歯黒は、うまくついたかね?」
你看我牙齒塗得好吧?
そのまっ黒な歯を突き出したおばあさんの顔には、なんと目も鼻もありませんでした。
婆子就呲出牙齒過重兵衛展示、再看婆子臉、上面白白的、甚麼都覓得、不管是眼睛還是鼻子。
「うひゃーーーっ!」
鬼啊!
重兵衛はびっくりして、後ろに飛びのきました。
骸了個卵卯翻天的重兵衛連忙往後面退。
するとそのとたんに体が宙に浮いて、谷川へまっさかさまに落ちていったのです。
然後這身體就天上一浮、腦殼朝下絆到河裡頭去了。
「た、た、助けてくれえ~!」
落水後就瘋狂喊救命。
重兵衛は谷川を必死で泳ぎ、なんとか無事に川からはい上がりました。
重兵衛這就作死的游、上岸了。
すると崖の上から一匹のキツネが下を見下ろして、
這就看到崖上面一條狐狸譏笑到的。
「ケン、ケン、ケン。コーーン!」
發出怪笑。
と、楽しそうに笑っていたと言う事です。
笑了個好開心。
おしまい
结束
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