福娘童話集 > 百物語 > 九月
9月22日の百物語
(9月22日的日本鬼故事)
金のくさりと腐ったなわ
金鎖跟爛繩
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、あるところに、お母さんと三人の子どもがいました。
到好久以前、一個地方、一條媽拖到三條兒、住一起的。
お母さんは庄屋さんの家のお手伝いをして、三人の子どもを育てています。
媽到地主屋裡幫忙、幫三條兒供到的。
ある日の事、お母さんはいつもの様に庄屋(しょうや)さんの家へ出かけて、帰りに三つのおにぎりをもらいました。
這天到地主屋裡去、回來的時候還過到有三個米飯糰子。
「おいしそう。子どもたちが喜ぶだろうなあ。さあ、はやく帰ろう」
媽就想快點回去、讓自己三個小兒早點吃到、覺得自己小傢伙應該得喜歡。
お母さんが山道を急いでいると、突然に山姥(やまんば)が現れたのです。
媽就急走到山路上、這一哈出來條鬼婆子。
「い、いのちだけは、お助けを。その代わりに、このおにぎりを差し上げますから」
這一哈過就癲神了、馬上幫這三個米飯糰子獻出去、求鬼婆放自己一條狗命。
お母さんがおにぎりを差し出すと、山姥はおにぎりをペロリと食べて、そしておびえているお母さんまでも食べてしまったのです。
鬼婆子就幫媽獻到的三個飯團一幹完、順便幫媽也吃了。
さて、子どもたちが家で留守番(るすばん)をしていると 「トントントン」 と、戸を叩く音が聞こえてきました。
三條小孩到屋裡守屋、這就聽到咚咚咚的敲門聲音了
「お母さんだよ、開けておくれえ」
我是你屋媽、乖乖、開開。
でもその声は、おそろしくガラガラな声でした。
但這聲音怎麼就好恐怖啦
「お母さんは、そんな変な声じゃない。お前は、山姥だろう」
這不是我媽聲音、你是鬼婆!
「くそーっ、見破られたか」
對、我就鬼婆啊!
正体を見破られた山姥は、山へ行くと声が良くなる木の実を食べました。
鬼婆子一眼就著看破了、火氣好大、這就到山上吃了顆奇果、幫聲音變得好溫柔。
「お母さんだよ、開けておくれえ」
我是你媽啊、乖乖乖乖、幫門開開。
声はお母さんに似ていますが、子どもたちは用心(ようじん)して言いました。
這次聲音是對了、但是小卵日鬼精鬼精的、一個比一個紮實。
「じゃあ、手を見せておくれよ」
那讓我看哈子你的手。
子どもたちに言われて、山姥は戸のすき間から手を差し入れました。
婆子聽別個這麼港、就從門縫中間幫手一斥。
するとその手は、黒くて毛むくじゃらです。
這就看到這手蛆卵黑全是毛。
「お母さんの手は、そんなに黒くて毛むくじゃらじゃない。お前は、山姥だろう」
我媽手怎麼得又黑又全是毛啦、我看你根本就是鬼婆。
また正体を見破られた山姥は手の毛をむしり取ると、畑に行って山イモを手に塗りつけました。
鬼婆又一次著看穿了手踋、這次去田裡面挖山野往自己手上抹。
「今度こそ、本当のお母さんだよ。開けておくれえ」
我這次真的是你媽了、開門吧。
山姥は、戸のすき間から手を差し入れました。
鬼婆門縫裡面手一斥
手に山イモを塗りつけたので、手はまっ白ですべすべです。
手上上了山藥是白白的。
「すべすべの白い手だ。わーい、本当のお母さんが帰って来たんだ」
這手是真的白、我們真媽回來啦。
子どもたちが戸を開けると、お母さんに化けた山姥は一番小さな弟を抱きかかえて、さっと部屋に閉じこもってしまいました。
小屁股這就幫門一開、鬼婆先幫最小的一個一抱、再關到房裡一鎖。
しばらくして上の二人の兄弟が、お母さんに声をかけました。
覓(沒)過好久、二個大點的就來邏媽了。
「お母さん、ご飯はまだ?」
媽、飯還覓好啊。
すると部屋の中から、こんな答えが返ってきました。
鬼婆就到房裡面港。
「お前たちの弟は、うまかったよ。次はお前たちを食ってやるから、しばらくお待ち」
你們這條老弟是真的好吃、稍微等一哈、馬上就來吃你們了。
これを聞いて、二人の兄弟はびっくりです。
二兄弟一聽、癲神了。
「あれは、お母さんじゃない! 山姥だったんだ! 弟は山姥に、食べられてしまったんだ!」
那條不是媽啊!是鬼婆、我們弟著鬼婆吃了啊!
そこで兄弟は家を抜け出すと、いちもくさんに逃げ出しました。
剩落來的兩條快快跑、一哈人就不見了。
兄弟が逃げ出した事に気がついた山姥は、すごい速さで兄弟を追いかけました。
鬼婆這一曉得還有兩坨肉跑了、到屁股後面猛追。
「こら待てぇ! 逃がしてなるものか!」
我準你們跑了啊!都跟我站到莫動!
「もう駄目だ、このままでは追いつかれてしまう」
稀爛、稀爛、這一哈就要追上來了。
ふと前を見ると、すぐ先に大きな木があります。
這突然前面一顆大樹就出來了。
兄弟は持っていたナタで木に切れ目をつけて、木を登って行きました。
兩兄弟就取小砍刀、像用攀冰鎬攀冰樣的上樹了。
やがて追いついた山姥が、木の下から怒鳴りました。
鬼婆這就樹底下到了。
「やい、お前たち! どうやって、この木に登ったんだ?!」
快港、你們是怎麼幫這條樹爬上去了啊!
すると、上の兄が言いました。
最大的一個就港。
「簡単さ。手につばをつけて登るんだよ」
就幫手裡面吐啪唾沫、這人一爬就上來了。
山姥は言われた通りに手につばをつけて登ろうとしましたが、手がツルツルとすべって登れません。
鬼婆就二啪口水往手上一吐、滑了個卵卯翻天、根本爬不上去。
それを見ていた二番目の兄弟が、思わず言いました。
哪曉得第二個老弟就好蠢、這就港了。
「馬鹿だな。ナタで切れ目をつけて登ればいいのに」
哈麻批、要用東西打到樹裡面攀才爬得上來。
「そうかい、それはいい事を聞いたよ」
這樣子啊、感謝你啊。
山姥はナタを持っていなかったので、鋭い爪で木に切れ目を入れながら、どんどんと木を登って行きました。
但是鬼婆身上又覓得小砍刀甚麼的、就用自己的尖指甲扎到樹裡面、一步一步往上走。
「大変だー」
稀爛
兄弟はあわてて上へ登りますが、もう木のてっぺんまで来ているので、これ以上は上に行けません。
這兄弟二條也只有繼續往上面爬啦、最後過就登頭了、頂了。
そこで兄弟は、空に向かってお祈りをしました。
沒辦法了、兄弟二條這就對到天上求神仙保佑啦
「おてんとうさま、おてんとうさま。どうかぼくらを、助けてください。空から金のくさりを、下ろしてください」
這就求天公賜金鎖。
すると空から、金のくさりがするすると下りて来たのです。
這天上還真就一條金鎖垂下來了。
「ありがとう、おてんとうさま」
兩人這就感謝啦
兄弟が金のくさりにつかまると、金のくさりは兄弟をぶら下げたまま空へと登って行きました。
兩兄弟幫金鎖一抓、金鎖這就上天了。
それを見ていた山姥も、兄弟の真似をして言いました。
鬼婆看到就也求天公
「おてんとうさま。こっちにも、くさりを下ろしてくだされ」
天公天公也跟我過條鎖
すると今度はくさりではなく、腐ったなわが下りて来ました。
但是這次下來的不是鎖、是根老久的繩子。
(鎖和腐同音、鎖、腐り)
そこで山姥が腐ったなわにつかまると、腐ったなわはプツリと切れてしまい、山姥は地面へとまっさかさまに落ちて行ったのです。
鬼婆這才剛吊上去一抓、這繩子過就斷了、腦殼朝地上一絆。
こうして助かった兄弟は、やがて夜空に光り輝く兄弟星になったと言う事です。
而兩兄弟則是變成了天上的星星、兄弟星。
おしまい
结束
ささずんと昔話講座 第12話【天道さん金の鎖】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。
関連話
→ てんとうさんと金のくさり
→ オオカミと七匹の子ヤギ
→ ヘンゼルとグレーテル
→ 金のくさりと腐ったなわ
ささずんと昔話講座 番外編03話【山姥始譚】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。
(回到上一页)
|