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      福娘童話集 > 百物語 > 十月 
      10月5日の百物語 
         (10月5日的日本鬼故事) 
          
         
小野小町のどくろ 
      舊人 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
      
      ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
        
         
        投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士 
      
      むかしむかし、京の都に、在原業平(ありわらのなりひら)という有名な歌人がいました。 
        到好久以前、京都、有這麼一條喊在原業平的有名歌人。 
         
      平安時代を代表する六人の和歌名人である六歌仙(ろっかせん)の一人で、たいそうな美男子です。 
      平安時代六歌仙其一、就有這條在原業平、而且還是條美男子。 
       
      この業平が若い時、二条の妃を館から誘い出そうとして、妃の兄弟に見つかってしまいました。 
      業平年輕的時候背德不倫、拐皇太后、這就準備私奔了、被發現、稀爛。 
       
      「よりにもよって妃をかどわかすとは、とんでもないやつだ」 
      真是狗膽天大、甚麼人都敢動。 
       
      そして怒った兄弟は、こらしめの為に業平のまげを短刀で切り取ってしまったのです。 
      但發火歸發火、也只是取到刀幫業平鬍子割了、主要是屈辱、人㫘得大礙。 
       
      「とほほほ。なんともなさけない姿になってしまった。これでは恥ずかしくて、都を歩く事が出来ない。・・・そうだ、髪が伸びるまで旅に出よう」 
      也是港這鬍子因這案子割了去、現在那個都曉得這事了、這一看到自己鬍子不見了都產生聯想、業平都㫘得臉面到路上走了、這就等鬍子長出來遠遊去了。 
       
      こうして業平は旅を続けて、やがて、みちのく(→東北地方)のやそ島というところのあばら屋に一夜の宿をもとめました。 
      業平就跑到遠地方、到處走到處看、陸奥(東北地方)八十嶋、這就遊到這地方來了、邏到條破屋人也就將就了。 
       
      「どれ、一首よもうか」 
      興致一起 
      這就準備架勢了 
       
      業平が筆を手にすると、あばら屋のまわりの草むらから、 
      幫筆一捏、破草廬外面草叢裡面這就 
       
      ♪秋風のふきちるごとに(秋風がふくたびに) 
      ♪あなめあなめ(ああ目が痛い、目が痛い) 
      欣爽籟颯兮 
      哀儂目灼兮 
       
      と、和歌の上の句をよむ、美しくも哀れな女の声が聞こえてきました。 
      就聽到這陣悽絕的和歌自一女口中而出。 
       
      「おやっ、なかなかの歌だぞ。しかし上の句だけとは、どうした事だろう?」 
      這是那個?聽起來也還可以、下半句啦? 
       
      業平は声をたよりに歌の主を探したのですが、誰もいません。 
      業平延到剛剛聲音來的方向邏、是甚麼都㫘邏到。 
       
      「はて、不思議な事があるものだ」 
      怪 
       
      業平は首をかしげながらも、眠りにつきました。 
      這半天腦殼㫘想清白、直接過睡覺去了。 
       
      次の朝、業平がもう一度、草むらを探し歩いていると、草むらの中に一つのどくろがあって、その目の穴からススキが生えていました。 
      第二天早上、業平還是不死心、又去草叢邏昨天的痕蹟、這就看到草裡面一條骷髏頭落到的、眼眶空洞處早生芒草。 
       
      このススキが風にゆれるたびに、目が痛くてたまらなかったのでしょう。 
      風行草偃、眼中芒草自成芒刺、豈不煎熬。 
       
      「いったい、誰のどくろだろうか?」 
      也不曉得是那個的亡魂枯骨。 
       
      業平が手を合わせていると、近くに住む村人がやって来て、こう言ったのです。 
      業平行了個禱告、來了條住到邊上的本地人、也是透露了。 
       
      「それは、小野小町のどくろですよ。 
      那是小野小町啊 
       
      小町は出羽(では→山形県)から都にのぼり、和歌の名人として名をあげた方です。 
      小町亦和業平同為歌人、響名都內、舊里出羽(山形県) 
       
      その上、素晴らしい美女で、恋のうわさもかずしれないお人じゃったが、どんな美女でも、いつかはばあさまになられる。 
      實際上除開文才、容顏亦是絕世、愛憎不定、皆隨心念、情慾翻覆、愛戀流連、傳與之有染者不下甚數、然歲月流轉、花芳終有盡時、烏頭白。 
       
      男から見向きもされなくなった小町は、都から、ひっそり戻って、ここで死なれたんじゃ」 
      失了顏色、便至凋零、昔時艷花已殘無人眷、也是離了京都、浮萍伶仃至此。 
       
      「えっ? これがあの、小町のどくろ!? なんという事だ!」 
      業平驚呼、眼前舊人居所竟是此。 
       
      業平の目に、思わず涙があふれました。 
      唏噓 嘆兮、兩眼淚痕早浮。 
       
      絶世の美女で和歌の名人だった小野小町が、今は草むらにどくろをさらしているなんて、なんと哀れな事でしょう。 
      舊時高名、埋骨地、今荒郊萱草無人問、何啻哀呼? 
       
      そこで業平は、昨日聞いた上の句に、 
      業平念起、思昨日斷句殘章 
       
      ♪小野とはいわじ(小町のあわれな最後とはいうまい) 
      ♪すすき生いけり(ただ、どくろにススキがはえているだけ) 
      凋花零落風華尚 
      芒草豈掩殘香 
       
      と、下の句をよんで一首にまとめ、さらに旅を続けたそうです。 
      續了殘篇縫成一曲、業平這也就繼續開始趕路了。 
      おしまい 
        结束 
         
        (回到上一页) 
         
        
 
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