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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >十月
盗人宮(ぬすっとみや)
盗人宫
翻訳者 河南省周口師範学院 邢冬梅
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、広い田んぼを持った百姓家がありました。
很久很久以前,有一位拥有广阔农田的农户。
そこの家では夕顔やウリを作っていますが、ある年からこの畑に泥棒が入る様になり、夜になるとせっかく育った夕顔を盗んでいくのです。
他家种植葫芦和瓜。某年开始田地里进来了小偷,好不容易种出来的葫芦在夜里被偷走了。
それがあまりにも続くので、たまりかねた主人は寝ずの番をする事にしました。
因为这样的情况持续太久了,忍无可忍的农户决定不睡觉看守田地。
主人が物陰に隠れていると、どこからか一つの黒い影が現れました。
他躲在阴影里面 ,这时不知道从哪里冒出来了一个黑影。
「こらしめてやる!」
农户说:“我要好好教训你!”
主人は手に持った棒を、泥棒の頭にめがけて振り下ろしました。
他用手上的棒子朝着小偷的脑袋打了下去。
「こらっ! 人の畑の物を盗む奴は、こうしてやる!」
“看!偷别人作物的小偷就是这样的下场!”
ところが打ちどころが悪かったのか、泥棒はその場に倒れて、そのまま死んでしまったのです。
也许是打得不凑巧,小偷当场倒地,就那么死了。
死んだ泥棒は村人たちによって葬られたのですが、それからというもの百姓の畑で作った夕顔を切ると、まるで血の様に赤い汁が出る様になったのです。
村民们把死了的小偷埋了,可是在那之后,当那个杀死小偷的农户割掉农田里种的葫芦时,就会流出像血一样红色的液体。
「これは、あの死んだ盗人のたたりだろうか?」
“这是那个小偷在作祟吗?”
怖くなった主人は夕顔もウリも作る事をやめて、男を葬ったあたりに小さなお宮を建ててやりました。
农户害怕极了,不再种葫芦和瓜,在埋葬小偷的地方建了一个小庙。
いつしかこのお宮は、『盗人宮(ぬすっとみや)』と名づけられました。
不知什么时候开始这座小庙被人们叫做“盗人宫”
今でも長野県の大町市には、盗人宮と呼ばれる小さな石の祠(ほこら)が残っているそうです。
据说至今在长野县的大町市还留有被称为“盗人宫”的小石祠堂。
おしまい
結束
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