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福娘童話集 > 百物語 > 十二月
12月12日の百物語
(12月12日的日本鬼故事)
油取り
取油
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある村に、平作(へいさく)というなまけ者がいました。
到好久以前、一條村、有這麼一條喊平作的混日子的傢伙。
いい年をしているくせに嫁も迎えず、仕事もせずに、一日中ゴロゴロしているのです。
到歲數了也㫘討得堂客、事也㫘作事、就天天混。
そんな平作にも、毎日欠かさずしている事がありました。
但是平作每天還是有下功夫的地方。
それは観音堂に行って、観音さまにお願いをする事です。
那就是天天去廟裡面拜菩薩。
「観音さんや、おら、ずいぶん働いてきましたで、これからはうまい物を食うて遊んでいられるところを教えてくだせえまし」
就騙菩薩、講自己平時都有好好做事、有甚麼好玩好喝的地方跟自己介紹一哈吧。
それを知った村人は、あきれてしまいました。
後面村裡人曉得這事、人都定了。
「なにが『ずいぶん働いてきました』だ。働きもせずに遊んでいる奴に、観音さまが願いを聞いてくれるわけがなかろう」
那批兒天天甚麼卵都不搞、到處浪、還講自己有好甚到作事、我看菩薩瞭都不得瞭他。
でもある晩、平作の夢枕に観音さまが現れたのです。
但這條晚上菩薩還真跟平作託夢了。
「平作。明日の夜明けに、西へ進んで行くがよい。さすれば、お前の願ったところへ行けるだろ」
明天天一亮、你就往西、願望就成了。
翌朝、平作は一番鶏の声と共に飛び起きると、西へ向かって走りました。
好、這就雞一打鳴、平作過就起來往西邊去了。
野をこえ、川をこえ、山をこえると、なんと海に出てしまいました。
過了草地、又過河、又過了山、最後就看到海了。
「なんだ。ここで行き止まりでねえか。ここが、お告げのところか?」
這就㫘路了啊?這是要怎麼走?還是菩薩講的就是這裡?
平作が辺りを見回すと、一軒のあばら家がありました。
平作四野一望、還有間破茅棚到。
中をのぞくと白髪のおばあさんが出て来て、ジッと平作を見つめます。
平作就去茅棚邊上步兩踋、這就一條白髮老婆子出來了。
平作が観音さまのお告げを話すと、おばあさんが言いました。
平作就講自己是聽菩薩的話來了這裡、婆子就講。
「ああ、それは、向こうの島だ」
這樣子、那就是對面的那個島啊。
「島?」
島?
島と言われても平作は泳ぐ事は出来ず、近くに舟もないのでどうする事も出来ません。
但是平作自己過也泅不來澡、這附近也㫘看到哪裡有船。
「心配いらん。浜に立って手を三つ叩けば、島から迎えの舟が来るわい」
婆子就透露了、簡單、你就站到河邊上、拍三哈手板、這接你的船就來了。
おばあさんはそう言って、家に引っ込んでしまいました。
婆子講完話自己過就歸屋了。
「本当だろうか?」
還有這鬼事?
平作は言われた通りに浜に立って、手をパン、パン、パンと三つ叩きました。
平作這就到岸邊幫三哈手板一拍。
すると沖の方から、一そうの舟が浜に近づいてきます。
這就真看到海面上一條船往這邊過來了。
舟にはおじいさんが乗っていて、ろで舟をこいでいました。
船上是條老頭頭、用槳到劃。
おじいさんは浜にあがると、平作にうやうやしくおじぎをして言いました。
老頭頭靠了岸、這就對到平作講了句請。
「お迎えにあがりましたで、どうぞ」
我來接你了、上來吧。
平作が舟に乗ると舟は波をきって沖へ進み、あっと言う間に島へ着きました。
這就小船搖啊搖、一哈到岸了。
「確か、平作どんと言いましたな。おめえさまの願いは、よーくわかっております。この坂の先にある館へ行ってみなされ」
㫘錯、講的就是平作你了、一切都如你所願、你爬完這條坡就到前面的公館了。
おじいさんはそう言うと、どこかへ行ってしまいました。
老頭頭講完、也就過看不到人了。
平作は坂を登ると、石垣に囲まれた立派な館がありました。
平作這就上了坡、一個大公館就看到了。
「もうし、もうし、お告げのお家はここですか?」
就是這裡了。
平作が戸を叩きながら言うと、中から油ぎった男が現れました。
這就門一敲、出來個好油的男的。
「おお、遠いところよく来てくださった。お待ちしておりましたぞ」
你那麼遠趕過來、幸苦啦、今天就等到你了。
平作が案内された奥の部屋には、お酒やさかなが並べてあります。
這就幫平作往客廳一領、酒肉滿了。
「遠慮はいらん。ささ、やってくだせえ。ささ」
都跟你準備到的、全可以吃、來。
男がお酒をついでくれたので、平作はたらふく飲んで食って寝てしまいました。
這主人還跟平作倒酒、這就看到平作幫一桌卷成狼藉、人脹飽也舒服的睏了。
しばらくして目を覚ますと、新しいお酒と料理が並んでいます。
這次一睜眼、又是一桌酒宴等到來。
「さあ飲め、さあ食え」
來、繼續。
平作は男がついでくれたお酒を飲みながら、観音さまに感謝しました。
平作這就舒服啦、感謝菩薩恩賜。
「世の中に、こんな素晴らしいところがあったとは。さすがは、観音さまのお告げだ」
原來世上還真有這種吃了睡睡了吃的好地方。
平作は毎日毎日、朝から飲んで眠り、食って眠りました。
平作每天就是睡還有吃、爽了個卵卯翻天。
日がたつと平作は丸々と太って、体中がギラギラと油ぎってきました。
這就一天天、平作就圓起來了、身上全都是油水。
その太った平作を、男は満足そうにながめて言いました。
看到平作養的是又白又胖、主人是好開心。
「ようこえなすったな。おめえさんを見れば、誰だってここに来たがりますで、ここから一歩も外へ出たり、他の部屋をのぞいたりせんでくだされ。ささ、もう一杯いきましょう」
你是越來越肥了啊、要是讓別個曉得你現在是這條樣子、別個都巴不得過來要你這條位置、記得千萬一步都莫走出去啦、也莫去其他的房間串、來、幫這杯也幹了。
男はまた、平作にお酒をついでくれました。
男的這就又灌了平作一堆酒。
そんなある晩の事、平作が小便に行こうとすると、向こうの部屋からうめき声がしてきました。
這就有條夜、平作想去廁所、走一半就聽到有人到嚎。
「こんな夜中に、何だべ。・・・あーっ!」
這半夜是那個、我日!
平作は戸のすき間から中をのぞいて、血の気を失ってしまいました。
平作趴到門縫上偷偷看、癲人了。
その部屋のまん中には炭火が真っ赤に燃えており、その上になべがグラグラと煮えたぎっています。
房間裡面炭火架到的、上面一口鍋頂到的。
そして天井から今の平作の様に太った男が逆さづりにされて、目から鼻から口から耳から全身から、あぶら汗がポターリ、ポタリとなべの中にたれているのです。
然後梁上是一條條圓滾滾的人吊到的、一條條全部都跟平作一樣肥、眼睛嘴巴鼻子口、全身的汗都到往那口好大的鍋子裡面滴。
なべの横にはあの男が座っていて、時々なべの中の油をすくっては味見をしています。
鍋邊上主人就坐到的、時不時試哈子這鍋裡面的味道。
「うん、だいぶ濃くなってきたぞ。
有點濃味到裡面了。
だが、まだたらんわい。
這就還差點了。
これに、平作の油をたすとするか。
也差不多可以上平作了。
やつには、しこたま酒を飲ませてきたでな。
明日が、楽しみじゃ」
再讓他多幫酒吃幾口
明天就可以享受了。
それを聞いて怖くなった平作は外へと飛び出すと、後ろも見ずに逃げ出しました。
平作這一哈徹底清醒了、馬上對到外面飛奔。
するとそれに気づいた館の男が、平作を追いかけてきます。
主人也聽到動靜了、這就追平作去了。
「まてえ、まてえ、平作!」
莫跑、你跑甚麼跑啊、平作!
平作は太っているので、思う様に走れません。
這人一肥、跑幾踋就喘。
平作は何度も転びながら、やっとの事で浜に着きました。
平作到路上絆了好幾道、這才終於看到岸了。
「まてえ、動くなっ!」
跟爹站到!
男の声は、すぐそこまで近づいています。
主人聲音是越來越近了。
「まってたまるか!」
我站你個狗雞巴!
平作は近くに舟小屋を見つけると、中に飛び込みました。
平作就到附近邏擺渡處、看到條船棚、這就進去躲了。
舟小屋の中にはたくさんのたるがあったので、平作はそのたるの一つに入って息を殺します。
裡面大木桶子是一些、平作就進到其中一個一躲。
男は舟小屋の近くに来ると、舟小屋の周りをウロウロと調べました。
主人這也步到船棚旁邊了、就到邊上到處張望。
「確か、この辺に来たはずだ。さては、舟小屋に逃げ込んだか」
是到這邊啊、違是進去了啊?
男は舟小屋に入ってくると、手に持ったヤリで手当たり次第にたるを突き刺していきます。
主人也進了屋、手裡一把槍提到的、看到哪裡有地方可以躲就用槍據一下、幫桶子也是走哪裡據哪裡。
「どこだ? どこにいる? 隠れても無駄だぞ。油は死んでいても取れるのだからな」
躲到哪裡的!?我跟你講你今天就莫想跑脫、你這身油爹是怎麼都要取的。
たるはどんどん壊されていき、残ったのは平作が隠れているたるだけです。
桶子這也過據得差不多完了、就只剩到平作躲到的那一條了。
「最後の一つ、ここだな!」
最後一條了、你肯定就到這裡面!
平作はブルブル震えて、もう生きた気がしません。
平作這就到桶子裡面人㥬到的。
「平作! かくごせいっ!」
爹來了!油!
男はたるごと、平作の体をヤリで突き刺しました。
這人這就幫平作連桶子帶人穿了。
「うわぁーーーーーーっ!」
啊啊啊啊!
平作が叫んで目を覚ますと、なんとそこはいつもの観音堂だったのです。
平作就一唏、這眼睛也過是開了、原來自己人就到菩薩面前坐到的、一直㫘動過。
働きもせずに都合の良い事をお願いする平作を、観音さまがこらしめたのでした。
原來是平作取了這條願幫菩薩搞發火了、這就日弄了他一哈、也是讓他走上正途。
おしまい
结束
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