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福娘童話集 > 百物語 > 十二月
12月23日の百物語
(12月23日的日本鬼故事)
産女(うぶめ)にもらった怪力
姑獲鳥靈力
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある北国の町に、こんなうわさが広まっていました。
到好久以前、北國街上流傳到這麼一個事。
「お城のお堀近くにある古い柳の木に、赤ん坊を抱いた産女(うぶめ)が現れるそうだ」
護城河邊上的老柳樹邊上有條抱小兒的鬼產婦到。
産女とは、赤ん坊を産む時に死んでしまった女の人のお化けです。
當時這女的難產死了就講得變成厲鬼。
「その産女はいつも両手で赤ん坊を抱いている為、乱れた髪を整える事が出来ない。
因為女的兩個手抱到小兒、頭髮亂了也是不能梳理。
そこで通りかかった人に、
這就對到過路的。
『髪の毛を整える間だけ、赤ん坊を抱いていてもらいたい』
就講自己要撓頭髮、想喊人幫自己小兒抱到。
と、頼むそうだ。
這麼到講。
ところがこの赤ん坊も恐ろしい化け物で、抱かれているうちにどんどん大きくなって、ついには人を飲み込んでしまうそうだ」
但若是幫這條小兒一接、那就稀爛、這小兒就越變越大、這就大到一口幫你吃了。
このうわさが広まると、町の人たちは夕方から外に出なくなりました。
這事一傳開、到快夜了都㫘人敢出去了。
そんな、ある晩の事。
這就一條晚上。
お城の用事で帰りの遅くなった侍の左内(さない)が、はやく家に帰ろうとお堀近くの古い柳の木がある道を通りかかりました。
一條武士、左內、這就搞事回去晚了、想回去快點、這就走啊走、走到護城河邊上的老柳樹旁邊了。
左内は体が小さいので仲間から『ちびすけ左内』と呼ばれていましたが、とても度胸があるのでお化けなんか怖くありません。
左內和自己那些猛男同僚比起來自己顯小、這就有了矮子這個外號、但是實際上左內好勇武、甚麼都不虛。
左内が古い柳の木の近くに来ると、突然に白い着物姿の女の人が赤ん坊を抱いて現れました。
左內這人一到樹邊上、女鬼也就化現了。
「もし、お侍さま」
喂、年輕人、這邊這邊。
(ほほう。これがうわさの産女だな)
好傢伙、來了。
左内は少しもあわてず、落ち着き払って言いました。
左內曉得別個是鬼、就這麼講。
「わしに、何か用でもあるのかな?」
有事?
「はい。髪を整える間だけ、この子を抱いていただくわけにまいりませんか?」
鬼講自己要撓頭髮、要左內抱兒。
「そんな事なら、お安いご用。ゆっくりと、髪を整えるがよい」
好、我就幫你兒好甚抱到、你頭髮就莫急慢慢搞。
左内は産女から、赤ん坊を受け取りました。
左內從鬼那裡幫兒一接。
想像していたのとは違い、産女の赤ん坊は可愛い女の子で、口におしゃぶりをくわえています。
左內這一看、小兒和傳的根本不一樣、是條乖小女兒、嘴巴裡面呋(小兒飲乳)了個像奶嘴樣的玩具。
「なかなか、めんこい赤ん坊じゃな。よしよし、ほらほら」
左內就覺得這小兒好乖。
左内が赤ん坊をあやしていると、赤ん坊がだんだんと重くなってきました。
這左內就對到小兒是又逗又哄、但小兒卻是越來越重起來了。
体も大きくなって、まるで石の様な重さです。
身體極速的膨脹、這重的也跟條嵒頭一樣了。
そして可愛かった赤ん坊の顔つきが、けものの様に恐ろしくなってきました。
這小臉也一哈不乖了、變得像條鬼樣的。
赤ん坊の口に牙が生えてきて、今にも左内に食いつきそうです。
這就幫狼牙一摛、看這架勢就要幫左內吞了。
「これはいかん!」
這不是要稀爛了啊、
左內就想。
左内は刀を抜くと、やいばを赤ん坊に向けて口にくわえました。
左內取刀、用刀口對到怪嬰往自己嘴巴裡面一叼。
赤ん坊はさらに大きくなりましたが、刀のやいばに邪魔をされてそれ以上は大きくなれません。
怪兒這就又繼續大了起來、但是礙於尖刀、這就不好繼續大了。
刀のやいばがなければ、赤ん坊はさらに大きくなって左内に襲いかかった事でしょう。
要是㫘得這把抵到的尖刀、讓這怪嬰繼續大起來、那到時候左內人也估計著一口吞了。
左内がふと産女の方を見ると、産女がにっこり微笑んで言いました。
左內這時候又看了一眼鬼女、女鬼一笑、講話了。
「ありがとうございました。おかげでこの様に、髪を整える事が出来ました」
感謝了左內講自己頭髮已經綁好了。
乱れていた髪の毛が、きちんと整えられています。
左內一看、是、頭髮不亂了。
抱いていた赤ん坊も急に軽くなって、元の可愛い顔に戻っていました。
這瞬間、怪嬰也是化回了原型、又是一開始的小女嬰了。
産女は赤ん坊を受け取ると、左内にたずねました。
女鬼幫抱到左內手裡面的兒一接、這就問左內。
「お礼に、何を差し上げましょう?」
講自己有甚麼可以回饋的吧。
「いや。別に礼などはいらぬ」
左內就講㫘必要。
左内が断ると、産女が言いました。
別個拒絕、鬼女就又講。
「お気づきでしょうが、わたしはこの世の者ではありません。どの様な願いも、かなえられますよ」
你怕是都曉得了吧、我早不到了人世、甚麼願望實現對我都是小事。
「・・・そうか。では、遠慮なしに」
還有這種講法啊、那就
左内は少し考えてから、産女に言いました。
左內也是想好了、就講起了鬼女聽。
「わしは見ての通りのちびすけで、仲間から笑い者にされておる。何かをもらえるのなら、カを授かりたい。三十人力でも、五十人力でもよい」
你看我生的小、身邊人笑我的也多、我想能有匹敵三五十人的力氣、這就是我的心願了。
「それならば、五十人力を差し上げましょう」
那就過你五十人的能為。
産女はそう言うと、すーっと消えました。
鬼女講完、也就一哈消失了。
それからしばらくたった、ある日の事。
這就㫘好久。
お城に、江戸のすもう取りがやって来ました。
從江戶那邊來了力士入城。
すもうの大好きな殿さまが、わざわざ江戸から呼び寄せたのです。
實際上就是因為城主喜歡、專門從江戶喊過來的。
殿さまは家来に言いつけて、江戸のすもう取りたちとすもうをとらせました。
城主這就要手底下的人跟力士比武、看那個力氣大。
けれど誰一人、すもう取りには勝てません。
但是畢竟別個力士是專門相撲的、這邊㫘個武士贏得了。
いくら相手がすもう取りとはいえ、侍がころころ投げ飛ばされるのは情けないかぎりです。
但是從外行來看、這就是武士不如力士、就臉上無光了。
「誰か、勝てる者はおらんのか?」
你們那個?一個人違都贏不了啊?
殿さまが言うと、左内が進み出ました。
城主講話、左內這時候就上了。
「それがしが、やってみましょう」
講他想試哈子。
これには、殿さまもびっくりです。
城主這就一驚。
「左内、悪い事は言わぬから、やめておけ。大けがどころか、死んでしまうぞ」
城主就看他這麼小、勸他算了、到時候受傷還好、莫幫人搞㫘得了。
殿さまが止めるのも、無理はありません。
城主會這麼想也有他的道理。
何しろ左内の小さな体は、江戸のすもう取りの半分ほどしかないのです。
畢竟左內才這麼小個、就只有別個的一半大。
しかし左内はふんどし一つで土俵にあがると、一番強いすもう取りに言いました。
但左內就只是幫衣服一解、取布幫雞兒一纏、這就上陣了、還選了個看起來最大的。
「手加減は無用。けがをしたくなければ、本気を出すように」
這就開始嗆聲了、喊別個要好甚到、不然到時候稀爛。
これを聞いた一番強いすもう取りは、真っ赤な顔で土俵にあがりました。
力士這就著一激、臉一紅、也上陣了。
「けがをしたくなければ、本気を出すようにだと?!」
就講是看那個稀爛。
左内にからかわれたと思って、すもう取りは本気で怒っています。
力士覺得自己著左內日弄了、這就準備上去搞他去了。
「覚悟しろ!」
爬!
すもう取りは、左内を殺すつもりでぶつかっていきました。
力士這就不打死往死裡打。
ドシーン!
碰撞聲。
すもう取りの突進は左内を空高く飛ばしてしまうほどの勢いでしたが、なんと左内はその突進を正面から受け止めると、
力士這就像條野豬樣的一突、按講這哈左內人是要飛的、但是左內硬是正面幫人接到的。
「どりゃあーーー!」
嗆聲詞
と、すもう取りを頭上高く持ち上げて、土俵の外へと投げ飛ばしたのです。
左內這就幫力士往腦鬠上面一舉、甩到外場去了。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
這就所有人都定那裡的、聲都㫘作。
信じられない光景に、殿さまも家来たちも言葉が出ません。
那個都想不到得是這條案子。
やがて我に返った殿さまが、手を叩いて喜びました。
這一哈緩過來了、城主是連忙拍手板。
「見事! 見事! あっぱれじゃ! 左内よ。ほうびとして、侍大将にしてやろうぞ」
這才曉得原來左內是這麼條人才、當場就幫他升了官、要他當總大將。
こうして左内は産女にもらった怪力のおかげで、大出世をしました。
這讓左內碰到這條鬼事、這人也是一哈起來了。
おしまい
结束
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