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福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 2月の江戸小話 > 七の字 
      2月26日の小話 
        
      七の字 
      
      
        字を習いたての男がいたので、近所の者がからかい半分に、 
  「おい、字を習っているそうだな。それなら七と言う字を書いてみな」 
  と、言いますと、男は筆と紙を手に取り、 
  「お安いご用だ」 
  と、まず一を引き、今度は縦に一を引き、そのまま左へすっと曲げました。 
   それを見た近所の者はゲラゲラと笑って、 
  「馬鹿だな。七という字は、尻を右へ曲げるんだぞ」 
  と、言うと、男は書いた紙を持ち上げて、近所の者たちに紙の裏面を見せました。 
  「馬鹿な奴はお前らだ。裏からよく見やがれ」 
   確かに裏から見れば、ちゃんと七の字になっています。 
      ♪ちゃんちゃん 
(おしまい) 
        
         
         
        
 
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