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2月26日のイソップ童話
ディオゲネスはギリシャの哲学者で、するどい皮肉な事を言うのが上手な人でした。 この川のそばに住んでいて、旅人たちを助けて川を渡らせるのを仕事にしている男がいました。 そして向こう岸まで、親切に運んでくれたのです。 「ああ、こんなに貧乏でなければ、この人にたっぷりお礼が出来るのに」 ディオゲネスがこうやって考え込んでいるうちに、相手の男は川の向こうに別な旅人が来たのを見つけると、さっさと川を渡って向こう岸へ戻りました。 そして、さっきと同じ様に肩に乗せて渡してやりました。 「わたしは、もうあなたにお礼をしたいとは思いませんよ。わたしがディオゲネスだとわかったから、親切にしてくれたと思ったのに、そうではなくて、あなたはただ、誰かれなしに川を渡らせるのが趣味なのだから」 おしまい |
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