福娘童話集 > きょうの日本民話 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本民話 > 11月の日本民話 >和尚の夜遊び

11月21日の日本民話

和尚の夜遊び

和尚の夜遊び
島根県の民話島根県情報

日本語 ・日本語&中国語

 むかしむかし、ある山寺に、和尚さんと小僧が住んでいました。
 むかしのお坊さんは、女の人と結婚出来ない決まりでしたので、お寺ではなくて里に、こっそりと女房を持つ人が多くいたそうです。
 この和尚さんもその一人で、里に女房がいたのです。
 さて、夜になると和尚さんは、女房に会うために里へと下りて行きました。
 そうすると山寺には、小僧がただ一人っきりです。
 小僧は十歳だったので、まだ夜が怖くて、和尚さんがいなくなるといつも両耳を手でふさいで、布団の中でふるえていました。
 そんなある日、小僧は、
《一二三四五六七八九十》
と、自分が知っている漢字で手紙を書くと、それを和尚さんの机の上に置きました。
 翌朝、帰ってきた和尚さんはそれを見つけると、小僧に聞きました。
「小僧、夜に誰か来たのか?」
「いいえ、誰も来ていません」
「しかし、ここに《一二三四五六七八九十》と書いたのがあるが」
「・・・・・・」
「本当に、誰も来なかったのか?」
「はい」
「では、これは、お前が書いたのか?」
「いいえ、わたしは知りません。ところで、何と書いてあったのですか?」
「うむ。それがどうにもわからんのじゃ。お前はとんちが得意であろう。どうだ、この謎解きがわかるか?」
 小僧は手紙を受け取ると、しばらく考えたふりをしてから、こう言いました。
「わかりました。これは、こう読むのです。『ひとり(一)に知れ、ふたり(二)に知れりゃ、さん(三)ざんいう。知(し)れちゃ仕方ない、業(ごう)(五)をわかす。業をわかせば、ろく(六)なことにならん。質(七)屋の八(八)兵衛さんの娘にほれくさり、苦(九)労すんなよ。この住(十)職のばかたれ』」
と、得意げに読む小僧の頭を、和尚さんはペシリと叩きました。
「何が知りませんだ。これはどう見ても、お前が書いた物だろうが」
 和尚さんは小僧を叱りましたが、でもそれからは里に行っても、出来るだけ早く帰ってくるようになったそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     11月21日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
フライドチキンの日
きょうの誕生花
かりん
きょうの誕生日・出来事
1992年 指原 莉乃(タレント)
恋の誕生日占い
優雅で気品のあるおしゃれなお嬢様
なぞなぞ小学校
99歳の鳥は?
あこがれの職業紹介
行政書士
恋の魔法とおまじない 326
幸運を呼び込むおまじない
  11月21日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
石のいも
きょうの世界昔話
ナシ売りと仙人
きょうの日本民話
和尚の夜遊び
きょうのイソップ童話
キツネと大きなヘビ
きょうの江戸小話
おカメの嫁入り

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ