福娘童話集 > 日本昔話 > 三月
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插画家 緑風 ひお
八百比丘尼 八百比丘尼
译者 ソウ キョウ
・日本語(日语) ・英語(英语) ・中国語(中文)
・日本語(日语)&英語(英语) ・日本語(日语)&中国語(中文)
日本語&中国語 (中国語は、6:18~)
投稿者 「Vtuber 珈琲」 Vtuber 珈琲
この動画のイラストは、福娘童話集が利用許可を出しています。
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若狭の国(わかさのくに→福井県)の古いほら穴には、人魚の肉を食べた女が八百才まで生きて身を隠したとの言い伝えがあります。
在若狭国(现福井县)流传着这样一个传说——有位女子吃了人鱼的肉,活到了八百岁,后来隐身不见了。
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その女は尼さんになって諸国をまわったので、いつの頃からか八百才の尼さんという意味の、八百比丘尼(やおびくに)と呼ばれるようになりました。
这名女子后来出家做了尼姑周游列国,不知从什么时候开始,人们管她叫“八百比丘尼”,意思就是八百岁的尼姑。
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さて、その八百比丘尼がまだ子供の頃、近くの村の長者たちが集まって宝比べをした事がありました。
在八百比丘尼还是个小孩的时候,有一次,附近几个村子的达官贵人凑在一起鉴赏各家的宝贝。
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その中に見た事もない白いひげの上品な老人が仲間入りをして、一通りみんなの宝自慢が終ると、自分の屋敷へ長者たちを招いたのです。
在那之中,有一位从未见过的身份高贵的白胡子老人,大家轮番展示完了传家宝之后,他邀请这些人去他那里做客。
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浜辺には美しい小舟が用意されていて、全員が乗り込むと絹の様な白い布がまるで目隠しでもするようにみんなの上にかけられました。
河边停靠着一艘精美的小船,大家上船之后,就被盖上了白色的绸子,仿佛是为了掩人耳目。
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そして舟が着いた先は、とても立派なご殿でした。
小船停靠在一座非常华丽的宫殿旁。
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老人の案内でたくさんの部屋にぎっしりとつまった宝物を見せてもらっている途中、一人の長者が台所をのぞくと、まさに女の子の様な生き物を料理しているところだったのです。
大家在老人的带领下参观了好多塞满了奇珍异宝的房间,就在这时,有个人看了一眼厨房,惊讶地发现厨师竟然要烹饪一个小女孩模样的动物。
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「なっ、何じゃ、あれは!? 人間の子どもの様だが、腰から下が魚の尾びれだ」
“这,这是什么啊?!长得倒是小孩的模样,可腰部以下竟然是鱼尾巴。”
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驚いた長者がその事をすぐにみんなに知らせたので、後から出たごちそうには、誰一人手をつけませんでした。
这个人非常震惊,并且马上把这件事告诉了其他人,所以在之后的宴席上,谁都没有吃东西。
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それを見た老人は、
老人见状说到:
「せっかく人魚の肉をごちそうしようと思ったのに、残ってしまってはもったいない」
“难得想请大家共享人鱼肉来着,可是却都剩下了,实在是可惜。”
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と、長者たちが帰る時に土産として持たせたのです。
于是,他让大家回去时候作为礼品打包带走了。
帰りもまたあの白い布がかけられて、どこを走っているかわからないままに元の浜辺へとたどり着きました。
回来的路上依然被蒙着白色的绸布,也不知道都路过了哪里,最终还是返回了出发的岸边。
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そして舟がどこへともなく姿を消すと、長者たちは気味の悪い人魚の肉を海に投げ捨てました。
后来那艘小船就消失不见了,达官贵人们都觉得人鱼肉很恶心,纷纷丢进了海里。
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ところが珍しい物が大好きな高橋(たかはし)長者だけは人魚の肉を捨てずに家に持って帰り、とりあえず戸だなの中に隠したのです。
只有一个叫高桥的人,他十分中意于奇珍异宝,没有扔掉人鱼肉,反而带回了家,索性就藏在了橱子里。
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そして高橋長者には十五歳になる娘がいたのですが、この娘は長者が眠ってしまった後で、こっそりその肉を食べてしまったのでした。
高桥家有个15岁的女儿,趁着他睡着,偷偷地吃了那肉。
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人魚の肉を食べた娘は、年頃になると色の白い美しい娘になりました。
吃了人鱼肉的小姑娘,没过几年变出落成了一位肌肤白皙的美人儿。
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やがて結婚をして時が流れ、夫は老人になっていきましたが、どうした事か嫁は若くて美しいままなのです。
不久便许配给了人家。然而时光匆匆流逝,她的丈夫早已变成垂暮老人,而她却依然年轻貌美。
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その美しさに夫が死んだ後も求婚者は後を絶たず、とうとう三十九人もの男に嫁入りをしたのでした。
由于姑娘容颜姣好,在她丈夫离世之后,仍不乏众多求婚的人,就这样,她一共嫁了39个男子。
その間、夫や村人が次々と死んで行くのに、女は年を取る事も死ぬ事もないのです。
在这期间,丈夫和村里的人一波一波地过世,可这位女子却既不老更不死。
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人々は、
人们就说:
「年を取らんのは、人魚の肉を食べたからじゃ。あの女は人魚の肉を食べて、化け物になったのじゃ」
“她长生不老,还不是因为吃了人鱼的肉嘛。那女人一定是吃了人鱼肉变成妖怪了。”
と、噂をしました。
流言蜚语就这样传开了。
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そして誰からも相手にされなくなった女は、一人ぼっちの悲しさに尼の姿になって、諸国行脚(しょこくあんぎゃ)に出たのです。
无人可以倾诉的这位女子独自一人忍受着孤寂,出家做了尼姑,后来便周游列国修行去了。
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そして行く先々で良い事をしながら白い椿(つばき)を植えて歩き、やがて古里(ふるさと)に帰ってくると、浜辺近くのほら穴のそばに白椿(しろつばき)の木を植えて、その中に入ったきり出てくる事はありませんでした。
她一路走一路行善,每行善事便种下一株白色的山茶,终于走回了家乡。在岸边的洞窟旁种下了一株白山茶,进入洞中,就再也没有出来过。
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おしまい
完
→ 八百比丘尼像
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