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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >五月
5月5日の日本の昔話
茶・栗・柿(ちゃくりかき)
茶·栗·柿
翻訳者 広東省恵州学院 鄭旭芬
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
很久以前,有个叫吉四六的非常快乐的人。
ある日の事、吉四六さんは、お茶と柿と栗(くり)の実をかごに入れると肩に背負って、
故事发生在某一天,吉四六把茶叶、柿子和栗子装进笼子,背在肩膀上,
「さあ、これを売りに行くか」
“走,去卖掉这些吧”
と、町へ出かけて行きました。
这样说着,往镇里去了。
「さて、茶と柿と栗の実を、どう言って売り歩けばいいかなあ?」
“嗯,有茶叶、柿子和栗子,该怎么吆喝叫卖好呢?”
すこし考えた吉四六さんは、大きな声で、
「ちゃくりかき、ちゃくりかき!」
と、怒鳴って歩いて行きました。
略加考虑,吉四六边走着边大声地喊着:“茶叶栗子柿子,茶叶栗子柿子”。
ところがいくら歩いても、ちっとも売れません。
然而不知走了多久,还是一点也没有卖出去。
とうとうタ方になってしまい、吉四六さんは一つも売れないかごを背負ってトボトボと家へ帰って来ました。
结果到了傍晚,吉四六背着一个也没有卖出去的笼子垂头丧气地回家了。
するとそれを見た、近所の人が尋ねました。
邻居见状问吉四六,
「おや? 景気の悪い顔をしているね。かごの物は売れなかったのかい?」
“哎呀,脸色怎么这么差,笼子里的东西没有卖出去吗?”
「ああ、ちっとも売れなかった」
“嗯,一点也没有卖出去。”
「そうかい。そいつは気の毒にな。して吉四六さん、いったいどう言って売り歩いたんだね?」
“这样啊,那真是可怜。可是,吉四六你到底是怎样叫卖的呢?”
「ああ、『ちゃくりかき、ちゃくりかき』と、大声で怒鳴ったんだ」
“哦,就很大声地喊着‘茶叶柿子栗子,茶叶柿子栗子’啊。”
「『ちゃくりかき?』アハハハハハッ。そんな訳の分からない売り声では、誰も買わないのが当たり前だ」
“茶叶柿子栗子,哈哈哈哈。这种莫名其妙的叫卖,当然没有人买啦。”
「じゃあ、どういう売り声ならよいのだ?」
“那我要怎么喊好呢?”
「『ちゃくりかき』と、一口に言ってしまっては駄目だ。茶は茶、栗は栗、柿は柿と、別々に言わないと、聞いた方は何を売っているのか分からないよ」
“‘茶叶柿子栗子’,一口气说完是不行的,茶叶是茶叶,柿子是柿子,栗子是栗子,如果不一个个分开说,别人听了是不知道你在卖什么的。”
「そうか、なるほど。じゃあ明日はそう言って売る事にしよう」
“原来如此,那我明天就这样叫卖吧。”
吉四六さんは、大きく頷きました。
吉四六猛点头地说。
さて次の日、吉四六さんはまたかごをかついで元気よく出かけました。
第二天,吉四六又挑着笼子,精神饱满地出门了。
「よし、今日は、うまくやるぞ」
“嗯,今天要好好干。”
そして、町へやって来ると、
到了镇上以后,
「昨日の様に、ちゃくりかきは駄目なんだな。みんな別々に言うんだな」
“像昨天那样子茶叶柿子栗子一块喊是没用的,要分开说。”
と、大きな声で、
「えー、茶は茶で別々。栗は栗で別々。柿は柿で別々」
然后他又大声地继续叫卖说:“茶叶只是茶叶,柿子只是柿子,栗子只是栗子”
と、怒鳴り続けましたが、やはり誰も買ってくれる人はいません。
但还是没有人来买。
がっかりした吉四六さんは、
「やれやれ、今日も、ちっとも売れないや」
と、重いかごを背負って、家へ帰って来ました。
“哎呀,今天也是一点也没有卖出去啊。”失望的吉四六背着沉重的笼子回家了。
近所の人がそれを見て、
「あれ、また売れなかったんだね。今日は一体、どんな売り方をして歩いたんだい?」
邻居见状,“哎,又没有卖出去,今天到底又是怎样叫卖的呢?”
「うん、昨日教わった通りに、別々に言ったよ。『茶は茶で別々。栗は栗で別々。柿は柿で別々』と、そう言って歩いたんだ」
“嗯,就按照你们昨天教我的那样分开说啊。‘茶叶只是茶叶,柿子只是柿子,栗子只是栗子’,这样子边喊边走啊。”
「何てまあ、あきれた呼び方だ。それじゃあ、三つも売れないのが当たり前だ」
“什么呀,这么不像话的叫法,当然三种都卖不出去啦。”
そう言って、大笑いしたそうです。
邻居们说着,大笑起来。
おしまい
結束
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