福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 12月の日本昔話 > 山の神がくれたお嫁さん
12月2日の日本の昔話
山の神がくれたお嫁さん
日本語(日语) ・中国語(中文) ・日本語(日语)&中国語(中文)
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、あるところに、病気の母親と親孝行の息子がいました。
ある日、息子が山で働いていると、やぶの中からしらがの鬼ババが出てきました。
そして、息子のお弁当をのぞいて言いました。
「病気の母親にも、そんなにそまつな飯を食わせているのか?」
「母親には、ちゃんと白いご飯を食べさせているよ」
息子が答えると、鬼ババは、
「そうか、そうか。ではあと十日したらお前の家に行くから、白いご飯をたいておけ」
と、言って、やぶの中に消えてしまいました。
十日たって息子が白いご飯をたいて待っていると、外からドスンときれいな箱が落ちてきました。
箱を開けてみると、中にはきれいな娘が入っていて、
「山の鬼ババに、ここの嫁になれと言われました」
と、言うのです。
息子はよろこんで、娘をお嫁さんにしました。
お嫁さんは、隣村の長者(ちょうじゃ)の娘でした。
話しを聞いた長者も親孝行で心のやさしい息子が好きになって、たくさんのお金をわたしてやりました。
それで三人は、幸せに暮らしました。
あの鬼ババは、本当は山の神さまだったのです。
おしまい
|