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6月19日の日本民話 2

ハスの葉の鶴 愛知県の民話

ハスの葉の鶴
愛知県の民話愛知県の情報

 むかしむかし、三河の国(みかわのくに→愛知県)の鷺田村(さぎだむら)で、お百姓の三右衛門(さんえもん)と磯八(いそはち)が池からハスの葉を刈り取って近くの原っぱで干していました。
 ハスの葉は、料理やお茶の材料になります。
 そのハスの葉の数枚が、二人が見ている前で風もないのにフワフワと空へ舞い上がり、真っ白なツルの姿に変わって東の空へと消えて行ったのです。
「ハスの葉がツルに! そんな馬鹿な!」
 三右衛門と磯八は干してある残りのハスの葉を調べて見ましたが、別に変わったところはありません。
「二人して、夢を見ていたのか?」
「よし、しばらく様子を見てみよう」
 二人は原っぱのまん中に座り、じっとハスの葉を見つめました。
 すると干してある残りのハスの葉が風もないのにフワリフワリと空へ舞い上がり、真っ白なツルの姿に変わって二人の頭上を飛び回りました。
「やはりツルだ!」
「ハスの葉が、ツルに変わった!」
 ツルはまるで二人にお礼を言うようにしばらく輪になって二人の頭上を回ると、一列になって東の空へと消えてしまいました。

 ツルが消えた後、二人は自分たちが夢でも見ていたのかと思いましたが、たくさん干していたハスの葉が1枚も残っておらず、二人以外にもツルの大群を見たという人が何人も現れたという事です。

おしまい

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