福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     12月28日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
シネマトグラフの日
きょうの誕生花
くまざさ
きょうの誕生日・出来事
1968年 星出彰彦 (宇宙飛行士)
 12月28日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
豆つぶころころ
きょうの世界昔話
プリンのしおかげん
きょうの日本民話
順庵先生とふたごのキツネ
きょうのイソップ童話
オオカミとロバ
きょうの江戸小話
借金取りのこうでん
広告
 

福娘童話集 > きょうの新作昔話 > お雪の伊勢参り

2008年 12月28日の新作昔話

お雪の伊勢参り

お雪の伊勢参り
大阪府の民話大阪府情報

 むかしむかし、大阪のある村の大きな家で手伝いをしている、お雪という十二歳の女の子がいました。
 ある日の事、お雪は急にお伊勢参りを思いたち、夜明け前に旅の支度をして家を抜け出しました。
 この頃、お伊勢参りは子どもがだまっていっても、許されていたそうです。
 村をしばらくいくと、くり毛の馬を引いて歩いている男の人に会いました。
「娘さんや、これからお伊勢参りにいくんだね。ではこの馬に乗りなさい。わしが案内してやろう」
「・・・・・・」
 お雪は、無理矢理にお金をとられるのかなと、びくびくしましたが、そうではありませんでした。
 それどころか反対に、
「まだお若いのに、お伊勢参りとは感心な子だ」
と、おこづかいまでくれたのです。
 お雪は一日中、まわりの景色を眺めながら馬の背にゆられていました。
 次の日、無事に伊勢について神宮へのお参りをすますことが出来たお雪は、とてもすがすがしい気持ちになり、おじいさんからもらったおこづかいで、おみやげを買いました。
 そしてまた、おじいさんの馬に乗って、村に続く川の渡し場までもどってきたのです。
 お雪は馬からおりると、親切な男の人に深々と頭を下げました。
「いろいろと、お世話になりました。本当にありがとうございました。わたしの親は、となり村にすんでおります。よろしければ、これから一緒にいってください。父母からもお礼を申させたいと存じます」
 そういって、また頭を下げました。
 渡しの舟が出るのを待っていた人たちは、それを見てびっくりです。
「おいおい。あの娘、さっきから大きな声でひとり言をいって、ぺこぺこ頭を下げておるぞ」
 そういう声が聞こえて、お雪は、はっとしました。
 気が付くと、親切な男の人も、くり毛の馬も消えていたのです。
「だれもおらんのに。なにを寝ぼけておるのじゃ?」
 近くの人にそう言われてお雪は、自分はお伊勢参りをして、たったいま、この渡し場までもどってきたことを話しました。
「本当です。これがおみやげです。わたしは男の人の引く馬にゆられて、お伊勢参りをしてきたのです」
 けれども、そんな男の人や馬を見た者は、だれもいません。
 小さな娘が背中や両手にたくさんのみやげものを持って、つかれた足どりで渡し場へやってくるのを見ていただけです。
「そんな。たしかに男の人と馬に・・・」
 これは、小さいながらもお伊勢参りに行くと決心したお雪に感心したテングが、人間に化けて道中を見守ったのだと言われています。

おしまい

ページを戻る

きょうの新作昔話メニュー
福娘童話集
きょうの新作昔話
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識