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10月9日のイソップ童話
難船した男
アテネのお金持ちが、他の船客と一緒に航海をしていました。
ところが激しい嵐が起こって、船がひっくり返ってしまいました。
乗っていた人たちは一生懸命泳いで、何とか助かろうとしていました。
ところが、お金持ちの男は、
「アテネの女神さま、もしわたしの命が助かったら、立派なお供え物を差し上げます。いくらでもお供えしますので、助けて下さい」
と、叫ぶだけでした。
そばで、せっせと泳いでいた人が言いました。
「あなた、アテネの女神に助けを求めるのは良いけれど、自分の腕にも助けてもらったらどうですか?」
不幸な目に会った時は、何よりもまず自分の力で切り抜けようと努力しなければなりません。
神さまの助けを求めるのは、その後です。
おしまい
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