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      ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >五月 
         
      5月18日の日本の昔話 
           
       
親ネコ子ネコ 
母猫与小猫 
     
    翻訳者 広東省恵州学院  呉丹麗 
     
    にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文 
      
      
       むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。 
           很久,很久以前,有一位非常有趣的人,他的名字叫吉四六。 
         
         
 ある日の事、村の伝兵衛さんの飼い猫が、子ネコを四匹生みました。 
 有一天,村里有位叫传兵卫的猫,生了四只小猫。 
 
 そのうち三匹は、すぐによその家へもらわれて行きましたが、母親によく似たメスネコだけは、なぜかもらい手がなくて、そのまま家に残りました。 
 传兵卫马上把其中的三只小猫拿去送给隔壁家的人,还有一只跟母亲长得很像的小雌猫,因为没人想要收养,所以传兵卫就把它留在了家里。 
 
 そして一年もたつと子ネコはすっかり大きくなって、今ではどちらが親で、どちらが子どもか、家の人でも簡単にはわかりません。 
 一年过去了,小猫长大了,如今家人已不能轻易地分辨谁是母亲,谁是小猫了。 
 
 
 ある夜の事、村の若者たちが伝兵衛さんの家に集まって酒を飲んでいたのですが、途中で酒が無くなってしまいました。 
 在一个夜晚,村里的年轻人来到了传兵卫的家中喝酒,喝到一半酒就喝完了。 
 
 酒に酔ってせっかくの良い気分なので、だれも町へ酒を買いに行こうとはしません。 
 因为喝了酒难得心情好,谁都不想去镇里买酒。 
 
 すると一人の若者が、よく似た親子のネコを見て、 
 于是其中一个年轻人看着长得很像的两只猫,便开口说: 
 
「おい、ここにきっちょむさんを呼んできて、このネコの親と子を見わけさせようじゃないか。そして間違った答えを言ったら、町へ酒を買いに行ってもらおう」 
と、いいました。 
“唉,我们把吉四六叫过来吧,让他来分辨这两只猫谁是妈妈,谁是小猫,如果他答错的话,就让他去镇里买酒怎么样?” 
 
 それはおもしろいとみんなも賛成し、すぐにきっちょむさんを呼んできました。 
 大家觉得很有趣便都赞成了,于是马上把吉四六叫过来了。 
 
 そして親子のネコをきっちょむさんの前において、 
 然后大家就将这两只猫放在了吉四六的面前。 
 
「きっちょむさん、このネコはどっちが親で、どっちが子か、見分けがつくか? 
 说道“吉四六,这两只猫谁是妈妈,谁是小猫,你能分辨得出吗? 
  
もしうまく言い当てられたら、ここにある料理をみんなやろう。その代わり、もし間違ったら、町まで酒買いに行ってくれ。もちろん、きっちょむさんの金でな。・・・さあ、どうする? もし見分ける自信がないのなら、やめてもいいんだぞ」 
 如果你答对的话,这里的食物随便拿,相反地,如果你答错的话,你就得去镇里帮我们买酒,当然啦,买酒的钱也是你付,吉四六,你觉得怎么样?” 
 
と、言うと、きっちょむさんは平気な顔で、 
 吉四六冷静地回答 
 
「いいとも。その勝負、受けた」 
と、答えました。 
:“当然可以,我接受挑战” 
 
 そしてきっちょむさんは、料理の中にある魚を、二匹のネコの間に投げ与えたのです。 
 すると二匹のネコは、 
 然后吉四六在食物中拿出了一条鱼向两只猫丢了过去, 
 
「ニャー」 
“咪“ 
 
「ニャー」 
“咪“ 
 
と、同時に魚に飛びかかりましたが、そのうちの一匹はすぐに手を引っ込めて、もう一匹のネコが美味しそうに魚を食べるのを、じっと見つめています。 
 两只猫看到鱼,一边激动地喵喵地叫一边跑了过去,其中一只猫立刻跑去吃鱼,另一只猫则在旁边默默地看着那只猫吃着美味的鱼。 
 
 きっちょむさんは、このありさまを見て、 
「魚を食べているほうが子どもで、見ているほうが親ネコだ。伝兵衛さん、そうだろう?」 
と、答えました。 
 吉四六说:“正在吃鱼的是小猫,看着的是妈妈,传兵卫,我说得没错吧” 
 
 本当にそうだったので、伝兵衛さんが感心してうなずくと、 
 因为吉四六猜对了,传兵卫点了点头,佩服地说道: 
 
「よくわかったな。おれでも、時々間違えるというのに」 
と、言いました。 
“你答对了,连我都经常分不清它们呢” 
 
 するときっちょむさんは、さっそく料理を一つの皿に移して、持って帰る準備をしながら答えました。 
 然后吉四六,快速地将食物放进了一个盘子里,准备回家的时候说道: 
 
「親と言うのは、自分が腹を空かせていても、子どもにはご飯を与えてくれる、ありがたい存在だ。それは人でも、ネコでも同じ事。・・・さあ、おれも家に預かっている子どもがいるから、早く家に帰って、この料理を食べさせてやらないとな」 
“所谓父母,就是宁愿自己饿着肚子,也会把食物让给小孩,他们对小孩来说是宝贵的存在。不管是人类还是猫,都是一样的。好了,我家中也有小孩,我得赶快把食物带回家给我的小孩吃。” 
 
 そしてきっちょむさんは料理を持って、家に帰っていきました。 
       然后吉四六就带着食物回家了。 
      おしまい 
      结束 
         
         
        
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