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7月7日の日本の昔話
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イラスト sai-sai 運営サイト sai-sai「イラスト」「コミック」
犬飼い七夕
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
アニメサイズ
Max 2880×2160 字幕「日本語」「中国語」
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 眠れる森のくま
むかしむかし、あるところに、一人の犬飼いがいました。
犬飼いとは、狩りで使う猟犬を育てる仕事です。
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ある日の事、犬飼いがお気に入りの犬を連れて池のそばを通ると、犬が急に吠え出したのです。
「こら、いったいどうした? ・・・あっ!」
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見ると、美しい娘が池で水浴びをしているではありませんか。
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「こんな美しい娘、今まで見たことがない。
あれはきっと、うわさに聞いた天女(てんにょ)だな。
天女なら、きっとどこかに羽衣(はごろも)を脱いでいるはず」
犬飼いは、犬に命じました。
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「早く、あの天女の羽衣を探し出せ」
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さて、しばらくして天女が池からあがってきましたが、どうした事か大切な羽衣がどこにも見当たりません。
犬飼いが、羽衣を隠してしまったからです。
羽衣がなければ、天女は天へ戻れません。
「どうしよう・・・」
天女が困っていると、犬飼いが現れて言いました。
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「お困りの様だが、どうしました?」
「はい、実は・・・」
天女が事情を話すと、犬飼いが言いました。
「それなら羽衣が見つかるまで、わしの家にいればいい」
こうなれば、仕方ありません。
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行くところのない天女は、犬飼いの家に行きました。
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そして、犬飼いのお嫁さんになったのです。
二人が仲良く暮らして、数年がたちました。
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ところがある日、嫁になった天女が隠してあった羽衣を見つけてしまったのです。
「ひどい! あんまりだわ!」
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天女はすぐに羽衣を身につけると、空高く舞い上がって行きました。
それに気づいた犬飼いは、
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「待っておくれ! 行かないでおくれ!」
と、声を張り上げましたが、天女はそのまま空の向こうへ消えてしまいました。
お嫁さんの天女がいなくなってから、犬飼いは毎日毎日、天女の事を考えていました。
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「どうすれば、妻を連れ戻せるだろうか? どうすれば・・・」
そこで犬飼いは、占い師のおばあさんのところへ相談に行きました。
すると占い師は、こう言いました。
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「連れ戻す事は出来ないよ。だが、お前の方から訪ねて行けばいい」
「訪ねて行けと言っても、どうやって天に行けば良いのだ?」
「それは簡単さ。
天女の所へ行くには、一晩で百足のわらじを作れば良い。
その百足のわらじを土に埋めて、その上にヘチマの種をまいてごらん」
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それを聞いた犬飼いは、さっそく家に帰るとわらじを作り始めました。
(妻よ、待っていろよ。必ず迎えに行くからな)
百足のわらじを作る事は、とても大変な事です。
犬飼いは休む事なく、わらじを作り続けました。
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でも夜が明けた時には、九十九足しか出来上がっていませんでした。
「九十九足しかないが、百足とは、あまり変わるまい」
そして占い師の言葉通りに、わらじを土に埋めてヘチマの種をまくとどうでしょう。
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ヘチマのつるがドンドンドンドン伸びて、今にも天に届きそうになりました。
「よし、お前も付いて来い」
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犬飼いは犬と一緒に、ヘチマのつるを登って行きました。
「もう少しだ。もう少しで妻に会えるぞ」
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けれど、もう少しで天に届くところで、ヘチマのつるは伸びるのを止めてしまったのです。
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「何という事だ。わらじが一足、たりないばかりに!」
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犬飼いがくやしがっていると、後から付いて来た犬が犬飼いの頭をピョンと飛び越えて、天へ飛び上がったのです。
そして犬は、犬飼いにお尻を向けると、
「それ、だんなさま」
と、長い尻尾をたらしてくれました。
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「ありがたい」
犬飼いは犬の尻尾をつかむと、何とか天にたどり着きました。
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その後、犬飼いは彦星に、お嫁さんの天女は織姫になったという事です。
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おしまい
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