|
|
ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >八月
8月12日の日本の昔話
大蛇になった八郎
变成大蛇的八郎
翻訳者 広東省恵州学院 張莹莹
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、ある村に、八郎という体の大きな木こりがいました。
很久很久以前,在一个村庄里住着一个叫八郎的体格强壮的樵夫。
ある時、八郎は仕事のあとで仲間たちとくつろぐ酒のさかなにしようと、谷川で三匹のイワナを捕らえて小屋の前で焼きはじめたのです。
有一天,八郎正在准备工作之后的和朋友们喝酒的下酒菜时, 就在小溪捉了三只岩鱼后开始在小屋的门前烤。
「ああ、いいにおいだ」
「啊!好香!」
お腹が空いていた八郎は、焼けた魚の尻尾をつまみあげると頭から丸ごと蛇(へび)のようにのみ込みました。
肚子很饿的八郎,把烤好的鱼的尾巴捏起来,像蛇一样从鱼头开始把整条鱼吞进肚子里。
「うまい!」
「真好吃!」
八郎は続いて、残っている二匹も丸のみにしました。
八郎接着把剩下的两条鱼也整条吞进去吃了。
すると急にのどがかわいてきたので桶の水を一気に飲み干しましたが、それでもたりません。
于是八郎忽然开始口渴起来,便把桶里的水一口气全部喝完,但是即使是这样也不够。
八郎は立ちあがると川へおりていって、むちゅうで水を飲みました。
八郎站起来向河边走去,什么都不顾尽情的喝起水来。
そしてふと気がつくと、なんと八郎は一匹の大蛇になっていたのです。
突然八郎发现,不知为什么自己竟然变成了一只大蛇。
自分の姿を見て、八郎は驚きました。
八郎看到自己的样子非常震惊。
(大蛇? おれの体は、どうなったのだ?! とにかく、隠れないと)
(大蛇?我的身体怎么了呢?!不管了,先藏起来吧,不快点藏起来的话就麻烦了。)
こんな姿を、仲間たちに見せることは出来ません。
这种样子简直不能让朋友看到。
八郎は長い体をずるずると引きずって、山奥へ逃げていきました。
八郎拖着长长的身体慢慢朝着深山处逃去。
(これから、どうしたらいいのだ? これから、どこに住んだらいいのだ?)
(这以后,我该怎么办呢?该住哪里好呢?)
八郎は考えた末、ふるさとの近くにある湖に住む事にしました。
八郎思考之后决定在故乡附近的湖里住下。
けれども湖へ行ってみると、そこには南蔵坊(なんぞうぼう)という大蛇が住んでいて、八郎を湖に入れようとはしませんでした。
但是,到了湖边一看,那里住着一条叫南藏坊的大蛇,八郎想进湖里也进不了。
八郎と南蔵坊は、湖のほとりで三日三晩、激しく戦いました。
于是,八郎和南藏坊,在湖边激战了三天三夜。
南蔵坊はおそろしく強い大蛇で、負けた八郎は血だらけの体でいくつも山をこえて、やっとの思いで秋田の地へ逃れていきました。
南藏坊是一条很强大的大蛇,被打败的八郎拖着满身是血的身体爬过了几座山后,终于逃到了秋田的地里去了。
そしてある川辺で沼地を見つけると、八郎はそこに住む事にしました。
然后发现了河边的一块沼泽地,于是八郎决定在这里居住了。
何年かすぎたある年の冬、もっと大きな住みかがほしいと考えた八郎は、沼地の持ち主である長者に言いました。
不知过了多少年后的某一年冬天,想要更大住处的八郎,对身为沼泽地的主人的富人说
「ここへ水を引き入れて、もっと大きな湖にしたいから、悪いが出て行ってくれんか?」
“我想把水引入这里,弄成更大的湖,虽然有些为难你,但是能不能请你搬走呢?”
大蛇の言うことを断ったら、何をされるかわかりません。
富人在想,如果拒绝了大蛇说的话,也不知道会发生什么事。
長者は舟に家族と家財道具をのせると、川辺の地から去っていきました。
于是富人把家人和钱财都载上了船,从这片沼泽地离开了。
それからしばらくすると川から大波がうち寄せてきて、沼地はまたたくまに見渡すかぎりの湖になったのです。
那之后不久,八郎从河里引来了巨浪,沼泽地一瞬间变成了很大的湖。
こうして生まれたのが、秋田県にある八郎潟(はちろうがた)です。
于是这样就成为了秋田县的八郎滩了。
大蛇になった八郎は湖の主となって、今でも湖の底に住み続けていると言われています。
变成大蛇的八郎成了湖的主人,听说现在仍然还在湖底住着。
そして川辺の沼地から八郎に追い出された長者は、その後、移った地で大いに栄えて、いくつもの蔵を持つ大長者となりました。
而从那片沼泽地被八郎要求搬出去的富人,从那之后,在移居的地方获得了巨大的荣誉,变成了拥有数不清的财富的大富翁。
「これも、あの大蛇のおかげだ」
“这也是托大蛇的福。”
長者は湖へ行って、感謝の供え物をささげたという事です。
于是,富人到了那个湖边,奉上供品来表达谢意。
おしまい
結束
(回到上一页)
|
|
|