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8月20日の日本の昔話
なまけ弁当
懶ㄕ飯包
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個人安到吉四六先生,非常樂線。
吉四六さんは庄屋(しょうや)さんにお金を借りたので、その代金の代わりにしばらくの間、庄屋さんの園で園仕事をする事になりました。
吉四六先生因為摎村長借錢,所以佢決定去村長該做園事,來還錢錢。
ある日の夕方、吉四六さんが園から帰って来て言いました。
有一日臨暗仔,吉四六先生轉夜,講:
「庄屋さん。今日は草を残らず刈り取りました。お弁当をこしらえていただいたおかげで、大変はかどりまして、ありがとうございます」
「村長先生。今晡日草總下分𠊎伐淨淨了,好得你做飯包分𠊎食晝,正恁順利,非常感謝。」
すると、庄屋さんが言いました。
過後,村長先生應講:
「はかどったといっても、何もお前が仕事をしたわけじゃない。弁当が仕事をしたまでの事じゃ」
「工作順利並毋係表示你做忒幾多事,飯包正係摎事做忒个原因。」
「はあ、弁当がですか?」
「ha,飯包係無?」
吉四六さんは、首を傾げて家に帰りました。
吉四六先生側等頭那轉去屋下。
その次の日、吉四六さんは庄屋さんに弁当をもらって、裏山の園に出かけて行きました。
第二日,吉四六先生領著飯包,就去山頂个園。
そして園の真ん中にクワを突き刺すと、クワの柄の先に弁当をしばりつけました。
钁鋤插在園中央,飯包綯在钁鋤柄。
そして自分は涼しい木の陰ヘ行って、手足を伸ばして寝ころびました。
自家行到一叢涼爽个樹影下背,手腳伸長長,挺挺昂睡忒了。
やがてお昼過ぎになると、庄屋さんが見回りにやって来ました。
無幾久過晝了,村長走過來。
「おや?」
「唉哦?」
見ると、園の真ん中にクワが突き刺さっています。
巡看後,看到一支钁鋤插在園中央。
「こんな所に、大事な園道具を置きっぱなしにして。・・・おや? 園仕事は何一つ手をつけてお
らんじゃないか。いったい吉四六さんは、どこヘ行ったんじゃ?」
「摎恁重要个耕園工具㧒在這...。唉哦?一點事都無做嘎?吉四六先生到底走那去哪?」
庄屋さんがその辺りを探してみると、吉四六さんは大の字になって、グーグーと大いびきをかいています。
村長走去滿園尋看,吉四六先生橫在地泥四腳惹天像一隻大字,ku ku滾簽覺。
庄屋さんは、カンカンに怒って、「吉四六!そのざまは何事じゃ!」
と、怒鳴りつけました。
村長火當著,講:「吉四六!麼个樣仔!」
すると吉四六さんは、寝たままで目を開けて、
過後,吉四六先生照樣睡等目珠擘開來,
「ありゃ? 庄屋さんでしたか」
「麼儕,係村長先生嘎?」
「でしたかいもない! このいいお天気に、朝から何一つ仕事もせんで!」
「係啊!天時恁好,朝晨到今無做半點事!」
「へい、ですが」
「he,毋過。」
「ですが。何じゃい?」
「毋過麼个?」
吉四六さんは、落ち着いて言いました。
吉四六先生盡定板講:
「昨日、庄屋さんがおっしゃりました。園仕事は弁当がするんじゃと。それであの通り、弁当にクワを持たせて、園に出してやりました」
「昨晡日,村長先生講過,園事係飯包做个,所以𠊎摎飯包綯在钁鋤柄,刺在園中央。」
「何じゃと!」
「講麼个!」
カンカンに怒っている庄屋さんを見あげて、吉四六さんは、
擎頭起來看火著个村長,吉四六先生講:
「はて、ここから見ておりますと、弁当の奴め、いっこうに仕事をしませんな。仕事は弁当がするもんじゃのに。ねえ、庄屋さん。弁当のやつは、怠け者ですな」
「唉哦,對這點來看,飯包這傢伙,完全毋做事哪。講係飯包做个,ne,村長先生。飯包這傢伙事實係懶ㄕ牯。」
「・・・・・・」
「......」
庄屋さんは、返す言葉がありませんでした。
村長先生嗄應毋出來。
おしまい
煞咧
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