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8月23日の日本の昔話
モグラの目が見えないわけ
逩地鼠看毋著个原因
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、あるところに、一匹のモグラの大将がいました。
頭擺頭擺,在某隻位所,有一條逩地鼠大將。
「いくら世界広しといえども、モグラより穴掘りの上手な奴はおらんだろう。
「不管世界有幾大,無人比𠊎逩地鼠較會打窿敢。
だから世界で、モグラが一番えらいんだ。
所以,逩地鼠係世界上第一偉大。
・・・だが、さすがのおれたちも、土の上に出るとおてんとうさまがギラギラと照らすので、背中が熱くなって困る。
...毋過,𠊎這兜逩地鼠,走出地泥分燒熝熝个日頭曬著,背囊熱𤐰𤐰實在難耐。
どうにか、ならないものか」
總會有辦法。」
するとそこへ物知りのモグラがやってきて、大将のモグラにこう言ったのです。
過後,一個萬事通个逩地鼠過來,摎逩地鼠大將講:
「それならハギの木の枝を切って、弓をこしらえてはどうでしょうか?
「該恁樣,胡枝子樹桍鋸下來做弓箭仰般?
ハギの弓は良く飛びますから、その弓でおてんとうまを射ち落としましょう」
胡枝子樹桍个弓箭當會飛,所以用該箭摎日頭射下來。」
「なるほど。よし、そうしよう」
「了解。好,斯恁樣。」
そこでモグラの大将はハギの枝で弓矢を作ると、空に浮かんでいるおてんとうさまに狙いをつけました。
所以逩地鼠大將摎胡枝子樹桍做成弓箭後,對準天頂个日頭射箭。
「おてかとうさま、覚悟しろ!」
「太陽公,知死哪!」
ビューーーン!
byu~n!
こうして放たれた矢は、見事おてんとうさまに命中しました。
射出个箭的對射著日頭。
そしておてんとうさまの一部が欠けて、辺りが暗くなったのです。
所以日頭一角缺忒,該位斯暗暗無光。
これが、日食の始まりだと言われています。
聽講這就係天狗食日(日蝕)个來由。
さて、おてんとうさまが欠けて暗くなったので、モグラの大将は仲間のモグラたちを引き連れて、大いばりで地上に出ました。
這下,日頭一角缺忒變暗,逩地鼠大將渡等該兜逩地鼠朋友,大方身勢走出地泥。
「ああ、いい気持ちだな。風というものが、こんなに気持ちいいとは知らなかった。なにしろ土の中では、風はふかんかんな」
「啊,心情還好哪,頭過全毋知風有恁鬆爽。地泥下,無風呢。」
モグラたちがのんびりしていると、いつの間にかおてんとうさまの傷が治って、おてんとうさまがいつもよりもずっと強く輝いたのです。
該兜逩地鼠悠閒自在个時節,日頭缺角整好了,摎頭過共樣恁光恁烈。
「わあ!まぶしい!」
「阿姆哀!恁晟眼!」
それを見たモグラたちはあわてて土の中にもぐりましたが、その時におてんとうさまの光で目をつぶされてしまいました。
看著日頭个該兜逩地鼠緊觸觸瀉落地泥下,但係該下目珠著傷了。
こうしてモグラは、目が見えなくなったのです。
逩地鼠嗄變看毋著了。
おしまい
煞咧
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