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12月2日の日本の昔話
山の神がくれたお嫁さん
山神賜个餔娘
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、あるところに、病気の母親と親孝行の息子がいました。
頭擺頭擺,某隻位所,有一個發病仔个哀仔摎有孝个倈仔。
ある日、息子が山で働いていると、やぶの中からしらがの鬼ババが出てきました。
有一日,倈仔在山頂做事時節,一隻白頭鬼婆對矮樹林肚走出來。
そして、息子のお弁当をのぞいて言いました。
過後,偷看倈仔个飯包,就講︰
「病気の母親にも、そんなにそまつな飯を食わせているのか?」
「發病仔个哀仔,你也拿恁差个飯包分姖食嘎?」
「母親には、ちゃんと白いご飯を食べさせているよ」
「哀仔,𠊎斯拿白米飯分姖食。」
息子が答えると、鬼ババは、
倈仔恁樣應後,鬼婆講︰
「そうか、そうか。ではあと十日したらお前の家に行くから、白いご飯をたいておけ」
と、言って、やぶの中に消えてしまいました。
「有影無,有影無,無該十日後會去你屋下,先煮好白米飯。」
講煞,斯在矮樹林肚消失忒。
十日たって息子が白いご飯をたいて待っていると、外からドスンときれいな箱が落ちてきました。
經過十日後倈仔煮好白米飯在該等个時節,外背一隻當靚个箱仔『bong』聲跌下來。
箱を開けてみると、中にはきれいな娘が入っていて、
打開箱仔來看,裡肚有一個靚細妹仔。
「山の鬼ババに、ここの嫁になれと言われました」
と、言うのです。
講︰「山頂鬼婆講過𠊎愛做若餔娘。」
息子はよろこんで、娘をお嫁さんにしました。
倈仔非常歡喜,討該細妹仔做餔娘。
お嫁さんは、隣村の長者(ちょうじゃ)の娘でした。
該新娘係隔壁村有錢人个妹仔。
話しを聞いた長者も親孝行で心のやさしい息子が好きになって、たくさんのお金をわたしてやりました。
聽著這事情个有錢人也當中意有孝个倈仔,分佢一大堆錢。
それで三人は、幸せに暮らしました。
用這兜錢,三儕過幸福个日仔。
あの鬼ババは、本当は山の神さまだったのです。
該隻鬼婆事實係山神。
註: やまんば(→やまうば)とは、山にすむ女の妖怪で、背が高く、するどい目と耳までさけた口をもち、疾風のように山をかけまわり、人や動物を食べる、おそろしい老婆です。
註:山中女妖怪,係戴在山頂个細妹妖怪,高溜高溜、目珠利利、嘴裂到雙耳下背,像風樣在山頂捩上捩下,食人無斯動物,當得人驚个老阿婆。
いっぽう、人間にだまされて石ひつにとじこめられたり、釜の中で焼き殺されるといったそそっかしい面や、気に入った人間に富をさずける、産婆がうまい、結婚の仲人をする、肌が白くうつくしい姿など、おそろしさとは対照的に、人に幸福をもたらす、やさしい性格をつたえる話もあります。
一方面分人落著,張在石盒仔裡肚,放大鑊肚煮等等,摎錢拿分中意个人,技術當好个產婆婆,做媒人,皮膚白淨白淨這兜,摎得人驚對照个係,傳達帶分人幸福、慈祥性格个故事。
本来は山の神につかえる女性であったといわれ、有名な金太郎も、あしがら山のやまんばによってそだてられたとされています。
聽講原旦係服侍山神个細妹仔,有名个金太郎、也係足柄山个山中女妖怪畜大个。
おしまい
煞咧
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