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12月28日の日本の昔話
豆つぶころころ
豆仔輪等走
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、あるところに、正直で働き者のおじいさんとおばあさんが住んでいました。
頭擺頭擺,有一個老阿公,老阿婆戴在某隻位所。
ある日、おばあさんが家のそうじをしていると豆が一粒ころげ落ちて、コロコロコロとかまどの中に入ってしまいました。
有一日,老阿婆在屋下掃屋時節,一粒豆仔跌下地泥,koro koro滾,輪落灶頭肚。
「やれやれ、一粒の豆でもそまつにはできん」
「唉哦,一粒豆乜做毋得打爽。」
おじいさんはそう言って、かまどの中をかきまわしました。
老阿公恁樣講,斯在灶頭肚揙來揙去。
するとかまどの底にポッカリと穴が開いて、おじいさんは穴の中へコロコロコロところげ落ちてしまいました。
過後在灶頭下背忽然間漯一隻空,老阿公也koro koro滾,輪落去。
「あいたた!」
「阿姆哀!」
お尻をさすりながらふと見ると、そばにおじぞうさまが立っています。
在該挲屎胐時節,忽然間看著脣頭企一尊地藏菩薩。
「おじぞうさま、おじぞうさま。ここに豆が、転がってきませんでしたか?」
「地藏菩薩,地藏菩薩,有看到一粒豆仔輪過來無?」
「ああ、豆ならわしが食べたよ」
「啊,若係豆仔,分𠊎食忒了。」
「それはよかった。豆がむだにならずにすんだ」
「該盡好,豆仔無打爽忒。」
おじいさんがもどろうとすると、おじぞうさまが言いました。
老阿公想愛倒轉去个時節,地藏菩薩講︰
「たとえ一粒の豆でも、お礼をせんとな。この先を進むと赤いしょうじの家があるから、米つきを手伝え。またその先には黒いしょうじの家があるから、天井うらにのぼってニワトリの鳴きまねをせい。きっと良い事があるぞ」
「哪怕係一粒豆仔,乜愛承蒙你,向前行,頭前有一間紅紙拖門个屋,去𢯭手舂米。再過頭前有一間烏紙拖門个屋,去天篷頂背學雞仔啼,定著會有好空个事會發生。」
おじいさんが言われた通りに先に進むと赤いしょうじの家があって、大勢のネズミたちが嫁入りじたくのまっさいちゅうです。
老阿公照地藏菩薩講个,直直向前行,有一間紅紙拖門个屋,一大群个老鼠,當當準備婚禮。
♪ニャーという声、聞きたくないぞ。
♪毋想聽著貓仔叫个ngiau聲。
♪ニャーという声、聞きたくないぞ。
♪毋想聽著貓仔叫个ngiau聲。
と、歌いながら、ネズミたちは米をついていました。
該兜老鼠一頭唱歌仔,一頭舂米。
「おめでとうさんで、米つきを手伝いましょう」
「來摎你恭喜个人,來摎你𢯭手舂米。」
おじいさんは心をこめて、いっしょうけんめい米をついてやりました。
老阿公誠心,盡力𢯭手舂米。
するとネズミたちは大喜びで、おじいさんに赤い着物をくれました。
該兜老鼠非常歡喜,送一領禮服分老阿公。
またしばらく行くと、がけの上に黒いしょうじの家がありました。
再過向前行,石壁頂有一間烏紙拖門个屋。
その家の中では大勢の鬼たちが金銀をつんで、花札(はなふだ)をしていました。
該屋肚有當多鬼堆當多錢在該搞紙牌。
おじいさんはこわいのをガマンして、天井うらにのぼって大声でさけびました。
老阿公擔驚受怕,蹶上天篷頂,大聲學雞啼。
「コケコッコー!一番どりだぞー!コケコッコー!二番どりだぞー!コケコッコー!三番どりだぞー!」
「kokekokko~!第一聲雞仔啼!kokekokko~!第二聲雞仔啼!kokekokko~!第三聲雞仔啼!」
「うわあ!朝だ、朝だ!」
「哇!天光了、天光了!」
鬼たちは、大あわてて逃げ出しました。
該兜鬼慌慌張張瀉走。
あとには、金銀財宝の山が残っています。
包尾斯伸像山恁高个金銀財寶留在該。
「これは、よいおみやげが出来た」
「這係還好个等路哪。」
おじいさんがそのお宝を持って帰ると、おばあさんは大喜びです。
老阿公拿等該兜金銀財寶轉去,老阿婆非常歡喜。
さてこの話を、となりに住む欲張りなおじいさんが聞いていました。
這事情分戴隔壁貪心个老阿公聽著。
「よし、おらも金銀財宝を手に入れよう」
「好,𠊎乜愛得著金銀財寶。」
欲張りなおじいさんはザルに豆をいっぱい入れると、となりの家のかまどの中へ豆をザーッとぶちまけてしまいました。
貪心个老阿公摎豆子張在笊簍張到淰淰,去隔壁灶頭摎豆子做下捨落空肚。
「よし、おらも豆を取りに行こう」
「好,𠊎乜來去拿豆子。」
欲張りなおじいさんはそう言うと、かまどの底の穴の中へ飛び込みました。
貪心个老阿公恁樣講後,走落灶頭底下个空仔。
「どれ。じぞうさまは、じぞうさまはと、・・・あっ、いた、いた。これ、じぞうさま、おらの豆を食うたじゃろう!?今さら返そうたって、だめじゃい、お礼はどうした?お礼は?!」
「噯,地藏菩薩,地藏菩薩,・・・啊,在這,在這,噯,地藏菩薩,你食吾豆呵?!這下愛還𠊎赴毋掣了,送禮好無?禮在哪?!」
えらいけんまくでどなられて、おじぞうさまはしかたなくさっきと同じ事を教えました。
惡擎擎大聲噦,地藏菩薩無法度,摎頭下共樣方法。
そこで欲張りおじいさんは、ドンドン進んでネズミの家に着きました。
貪心个老阿公盡遽就行到老鼠屋下。
♪ニャーという声、聞きたくないぞ。
♪毋想聽著貓仔叫个ngiau聲。
♪ニャーという声、聞きたくないぞ。
♪毋想聽著貓仔叫个ngiau聲。
「ははーん、ここだな。ようし、おどかして、ネズミの宝物も取ってやれ」
「haha~n,係這位哪,好,來嚇佢兜順續拿走老鼠个寶物。」
欲張りなおじいさんは、大きく息を吸い込むと大声で言いました。
貪心个老阿公敨一口大氣後大聲講︰
「ニャーオ!ニャーオ!ニャーオ!」
「ngiau!ngiau!ngiau!」
するとネズミたちはビックリして、米つきのきねをおじいさんに投げつけました。
老鼠嗄嚇著,用舂米个舂槌去擲老阿公。
「あいた、た、た。やめろ、やめろ!」
「痛痛痛,停,毋好擲!」
欲張りなおじいさんはなんとか逃げ出して、今度は鬼たちの家へ来ました。
貪心个老阿公總算瀉出來了,這下來到鬼屋下。
ところが鬼たちがあんまりこわかったので、欲張りなおじいさんはブルブルふるえながら言いました。
毋過鬼恁得人驚,貪心个老阿公緊惇緊講︰
「一番どり~!二番どり~!三番どり~!・・・あわわわ」
「第一聲雞仔啼!第二聲雞仔啼!第三聲雞仔啼!・・・啊哇哇哇。」
「なんじゃ、こいつは?さては、わしらの宝をぬすんだのは、こいつだな!」
「這個傢伙做麼个?來偷𠊎兜个寶就係佢哪!」
おこった鬼たちは欲張りなおじいさんをつかまえると、地獄(じごく)へつながる谷底へけとばしてしまいました。
火著个該兜鬼,摎貪心个老阿公捉起來,踢落通到地獄个壢底。
おしまい
煞咧
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