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      福娘童話集 > 百物語 > 五月 
         
      5月16日の百物語 
       (5月16日的日本鬼故事) 
        
       
人を襲う大ネコ 
    大貓妖 
     
    ・日本語 ・日本語&中国語 
      
      むかしむかし、紀州の国(きしゅうのくに→和歌山県)の熊野(くまの)の山に、トラに似たけものが住んでいると言われる大きなほら穴がありました。 
        到好久以前、紀州国(現和歌山縣)熊野山、有條像是老虎洞那麼大的一條洞、他裡面住到也是像老虎的一條東西。 
         
      そのトラに似たけものは山のキツネやタヌキをエサにしていましたが、やがて山のキツネやタヌキが少なくなると村へやって来て、村人の子どもたちを襲うようになったのです。 
      假老虎本來是吃山上的狐狸、狸貓、後面狐狸、狸貓少了、就進村叼小兒吃。 
       
      「化け物め、子どもたちを襲うとは許さん!」 
      怎麼可以讓妖怪捉小兒啦! 
       
      「必ず、かたきを取ってやる!」 
      必須要幫他弄了 
       
      しかし村人たちでは、トラの様なけものを退治する事は出来ません。 
      但是覓得實際的解決方法。 
       
      そこで村人たちは相談をして、近隣の村々から集めた猟師たちにけもの退治を頼んだのです。 
      這就定個方案、幫村裡也好、附近村也好、這些地方打獵的獵人都喊起來、讓獵人處理。 
       
      「たとえ本物のトラでも、これだけ猟師がいれば大丈夫だろう」 
      就算是條真老虎、這麼多人上山肯定也可以處理。 
       
      猟師たちはけものが住んでいる大きなほら穴へ行くと、けものが出て来るのをじっと待ちました。 
      一隊獵人就走到假老虎的屋、等他出來。 
       
      「もうすぐ日が暮れるから、そろそろ出て来るはずだ」 
      這天都要黑了、也快了吧。 
       
      「出て来たら、いっせいに撃ち殺すんだぞ」 
        只要一出來就一起開槍。 
         
      猟師たちが鉄砲の引き金に指をかけたままで話しているところへ、ほら穴からイノシシほど(→イノシシの体長は、大きいもので一メートル以上)のけものが飛び出してきました。 
      獵人就扣到扳機港到話、這個時候有野豬那麼大的假老虎就從洞裡跳出來了。 
       
      「出たぞ!」 
      來了! 
         
        「撃ち殺せ!」 
        開槍! 
         
      猟師たちは、いっせいに鉄砲の撃ちました。 
      同時開火 
         
        「ズドーン!」 
        「ズドーン!」 
        「ズドーン!」 
        槍響 
         
        しかしけものは素早い動きで鉄砲の玉をよけると、ネコの様に光る目玉で猟師たちをにらみつけました。 
        但是假老虎速度快、子彈都打不到、全躲走了、眼睛就閃到寒光看到獵人的。 
         
      「まだ生きているぞ! はやく玉を込めろ!」 
      覓死啊!快點裝彈第二發! 
       
      猟師たちはあわてて鉄砲に玉を込めると、再びけもの目掛けて鉄砲を撃ち込みました。 
        馬上填充、瞄準、發射 
         
      「ズドーン!」 
        「ズドーン!」 
      「ズドーン!」 
      又是一陣槍響 
         
      しかしけものはそれらの玉もよけてしまうと、山の奥へと逃げて行きました。 
      又全著閃走了、跑山裡去了。 
       
      「何て化け物だ。あれだけ撃ったのに、一発も当たらなかった」 
      這麼多槍、一槍覓中。 
       
      「あれだけの速さで襲い掛かって来たら、おれたちなんてひとたまりもないぞ」 
      他那麼快的速度、我們只要被刨到一哈、馬上噶卵(稀爛) 
       
      猟師たちはひとまず、村へ帰る事にしました。 
        先也就回村。 
         
        次の日、鉄砲だけでは倒せないと思った猟師たちは、ほら穴の周りにワナを仕掛ける事にしました。 
        第二天、想光用火槍不行、這還要下套子、獵人就到洞口下滿套子。 
       
      竹で輪(わ)をたくさん作ると、それに鳥もち(→トリモチなどの樹液からとった、ネバネバの物)を塗ってほら穴の前に並べたのです。 
      這套子就是個竹圈、裡面全是膠水、放到洞口的。 
       
      「この竹の輪は、足を入れるとしまる仕組みだ。おまけに鳥もちが塗ってあるから、一度足を入れると絶対に抜けん」 
      這套子腳一進去就鎖啦、而且我還加了捉鳥的膠水、只要踩上去絕對不得動。 
       
      「今度こそ、退治してやる」 
      這次肯定可以幫他弄了。 
       
      夕方、ワナを仕掛けた猟師たちがほら穴の近くで鉄砲を構えていると、ほら穴からけものが出て来ました。 
      黃昏、獵人就都蹲到洞口的套子前面的、假老虎出來了。 
       
      「よし、撃て!」 
      開槍! 
         
        猟師たちは、いっせいに鉄砲を撃ちました。 
        又是一頓亂射。 
       
      「ズドーン!」 
        「ズドーン!」 
      「ズドーン!」 
      槍響 
         
        するとけものは素早い動きでまた玉をよけましたが、その時に猟師が仕掛けたワナの輪に足を入れてしまい、輪がしまってけものは動けなくなったのです。 
        假老虎快、子彈全躲走了、但是踋覓(沒)注意、踩套子了、動不了啦。 
       
      「ギャーオーーッ!!」 
      嚎叫!! 
         
        けものは必死にワナから逃げようとしますが、小さくしまった上に鳥もちがたっぷりと塗ってあるワナは、いくらもがいても外れません。 
        假老虎想跑、但是這個雙層陷阱裡面還全部是膠水、怎麼都動不得。 
         
      「それっ! やっつけろ!」 
        弄他! 
         
      猟師たちはいっせいに飛び出すと、ワナにかかって動けないけものを棒で力一杯殴りつけました。 
      獵人一起衝上去、捏到的棒頭對到假老虎腦殼就是亂刷(敲打)。 
       
      「フギャーーッ! ギャーオーーッ!!」 
        嚎叫聲。 
         
        けものはすさまじい声でほえながら暴れ回りますが、やがて頭から血を流して動かなくなりました。 
        「やったぞ!」 
        假老虎掙扎啊叫啊、馬上腦殼就是稀爛、全是血、這就安靜了。 
         
      「子どもたちのかたきを取ったぞ!」 
      這麼到村裡小兒就都安全了 
      報仇了 
       
      「それにしても、どんなけものだ?」 
      這到底是條甚麼東西? 
       
      猟師たちがあらためて倒したけものをながめると、それはイノシシよりも大きなネコだったのです。 
        獵人重新確認一哈、一條比野豬還大的貓。 
         
      「トラかと思っていたが、まさかネコだったとは」 
      「こんな大ネコが、この世にいたとは」 
      以為是條老虎、怎麼得是條貓哦 
        貓還有這麼大的啊、第一次曉得 
         
      その後、猟師たちがほら穴の中を調べててみると、タヌキやキツネの骨に混じって、人間の骨もたくさん出てきたという事です。 
      獵人又是進洞繼續探、骨頭一片、狐狸的、狸子的、還有好多人的。 
      おしまい 
        结束 
         
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