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7月6日の百物語
(7月6日的日本鬼故事)
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投稿者 「りっきぃの夜話」  りっきぃの夜話

牡丹灯籠(ぼたんどうろう)
牡丹燈籠

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 ; 創作活動のサイト 『Web団 零点』

むかしむかし、京の都の五条京極(ごじょうきょうごく)に、荻原新之丞(おぎわらしんのじょう)という男が住んでいました。
到好久以前、京都五條京極、有個喊荻原新之丞的住這裡的。

まだ若い奥さんに死なれた為、毎日がさびしくてたまらず、お経をよんだり歌をつくったりして、外へも出ないで暮らしていました。
堂客也是年輕死的早、這就悲痛門也不出了、每天到屋裡念哈經甚麼的

七月の十五夜の日の事。
這是個七月十五晚上的事。

夜もふけて道ゆく人もいなくなった頃、二十才くらいの美しい女の人が、十才あまりの娘を連れて通りかかりました。
晚上大街上覓(沒)得人的時候、一條二十歲的乖女的、牽到一條才十歲的小女兒走到路上的。

その娘には、牡丹(ぼたん)の花の灯籠(とうろう→あかりをともす器具)を持たせています。
小女兒手上打到條牡丹花紋路的燈籠。

新之丞(しんのじょう)は、美しい女の人に心をひかれて、
新之丞一眼著就被這乖女的幫魂過迷了。

(ああ、天の乙女(おとめ)が、地に降りて来たのだろうか)
以為這是天女下凡了。

と、つい家を飛び出しました。
這就跟到跑屋子外面去。

ぼたんどうろう
イラスト sai-sai  運営サイト sai-sai「イラスト」「コミック」

新之丞が声をかけると、女は言いました。
新之丞就對了路上的女的打了個招呼、女的港。

「たとえ月夜でも、帰る道は恐ろしくてなりません。どうかわたくしを、送ってくださいますか?」
就港即便天上有月光、但這夜裡還是怕、想讓新之丞送自己回去。

「ええ。でも、よろしければ我が家へ来て、ひと晩お泊まりなさい。遠慮はいりませぬ。さあ、どうぞ」
新之丞就直接喊女的不要顧忌、到自己屋睡算了。

そう言って新之丞は女の手を取り、家へ連れて戻りました。
這就拉到女的手幫屋裡帶。

新之丞が歌をよむと、女もすぐに見事な歌で返すので、新之丞はうれしくてたまりません。
(美しいだけでなく、教養もあるとは。実に素晴らしい)
男的頌詞、女的也接的落來、男的看這女的不僅長的乖又有才、好高興。

すっかり親しくなって、時がたつのも忘れるうちに、東の空が明るくなりかけました。
這二個人一哈就混熟了、這就浪一個晚上、時間過得飛快、白天啦。

「人目もありますので、今日はこれで」
也是港人多耳雜、今天就到這裡了。

女はいそいそと帰って行きましたが、それからというもの、女は日が暮れると必ずたずねてきました。
女的帶到點留戀的走了、這之後每天晚上都得再邏這個男的。

牡丹の花の灯籠を、いつも娘に持たせて。
來的時候小花燈籠都是小女兒提到的。

新之丞は、毎日、女が来るのが楽しみでなりません。
新之丞每天就等到女的這個時候來。

そして、二十日あまりが過ぎました。
二十來天。

たまたま家の隣に、物知りなおじいさんが住んでいました。
新之丞屋旁邊就住到一個見多識廣的鄰居到。

「はて、新之丞のところは一人きりのはずだが、毎晩若い女の声がしておる。うむ、・・・どうもあやしい」
這就想新之丞一個人住為甚麼屋裡每天晚上都得有年輕女的的聲音到。

おじいさんはその夜、壁のすきまから新之丞の家の中をのぞきました。
鄰居晚上就對到牆縫縫偷看、看新之丞晚上這是到搞甚麼。

すると新之丞が明かりのそばで、頭から足の先までそろった白いガイコツと差し向かいで座っているのです。
這就看到條一具全身白的骷髏坐到新之丞旁邊的。

新之丞が何かしゃべると、ガイコツがうなずきます。
男的港話、骷髏點頭。

手や腕の骨も、ちゃんと動かします。
手腳還到動。

そのうえガイコツは口のあたりから声を出して、しきりに話をしているのでした。
而且這骷髏是連話都可以港。

ぼたんどうろう
イラスト sai-sai  運営サイト sai-sai「イラスト」「コミック」

あくる朝、おじいさんは新之丞の所へ行き、たずねました。
第二天鄰居就上門去訪。

「そなたのところへ、夜ごとに女の客があるらしいが、一体何者じゃ?」
你屋一到晚上就來條女客人、是那個哦?

「そっ、それは・・・・・・」
這怎麼港啦

新之丞は、答えません。
新之丞也覓透露。

それでおじいさんは、昨夜見た通りの事を話した上で、
鄰居這就幫自己昨天看到的也港出去了。

「近いうち、そなたの身にきっとわざわいがおこりますぞ。
你人過幾天估計就要不好了。

死んで幽霊となり、さまよい歩いている者と、あの様に付きおうておったら、精(せい)を吸い尽くされて悪い病気にむしばまれる」
港新之丞勾搭徘徊到路上的死靈、覓好久人的精氣也要著吸乾、到時候就噶卵了(爛)。

これには新之丞も驚いて、今までの事をありのままに打ち明けたのでした。
新之丞曉得這條也是骸了一跳、幫這段時間的事都全盤拖出了。

「さようであったか。その女が万寿寺(まんじゅじ)のそばに住んでおるというたのなら、行って探してみなされ」
這樣子啊、既然女的港自己住萬壽寺旁邊、那你就去邏看哈。

「はい、わかりました」
新之丞也準備探哈子境況了。

新之丞はさっそく五条(ごじょう)から西へ、万里小路(までのこうじ)まで行って探しました。
新之丞從東往西至萬里小路。

しかし一人として、それらしい女を知る人がありません。
沿路打聽、但是覓一個人曉得女的來歷。

日が沈む頃、万寿寺(まんじゅじ)の境内(けいだい)へ入って休み、北の方へ足を向けると、死者のなきがらをおさめた、たまや(→たましいをまつるお堂)が一つ、目にとまりました。
黃昏、進到萬壽寺裡面準備歇一腳、往北走幾步、看到個納骨的地方引起自己注意。

古びたたまやで、よく見たところ、棺のふたに誰それの息女(そくじょ→身分のある娘をさす言葉)なになにと、戒名(かいみょう→死者につける名前)が書きつけてありました。
靈屋的龕蓋上面書有死者生前云云。

棺のわきに、おとぎぼうこ(→頭身を白い絹で小児の形に作り、黒い糸を髪として、左右に分け前方に垂らした人形)、とよばれる子どもの人形が一つ、また棺の前には牡丹の花の灯籠がかかっていました。
龕邊擺放了一個喊伽婢子的人偶、龕前一個牡丹燈籠還掛到的。

「おお、間違いなくこれじゃ。このおとぎぼうこが、娘に化けていたのだな」
男的覺得自己看到的女的就是面前的伽婢子變化。

新之丞は怖くなって、走って逃げ帰りました。
骸了個卵卯翻天、馬上跑了。

家へ戻ったものの、夜にまた来るかと思うと恐ろしくてたまりませんので、隣のおじいさんの家に泊めてもらいました。
回到屋又怕女的繼續來邏自己、就躲鄰居屋過夜了。

それからおじいさんに教わって東寺(とうじ)へ行き、そこの修験者(しゅげんじゃ→山で修行する人)に訳を打ち明けて、
鄰居也喊他去東寺訪一哈、就依到去了、幫這事跟懂這些的修行人港明。

「わたくしは、どうしたらよいのですか?」
と、たずねました。
就要行家幫自己出個辦法。

すると、
「間違いなく、新之丞殿は化け物に精を吸い取られておられますな。あと十日も今まで通りにしておったら、命もなくなりましょう」
覓錯、你真是著吸魂了、再持續吸個十天、你也過覓得了。

修験者はそう言って、まじないのお札を書いてくれました。
行家畫了個咒符過起新之丞。

そのお札を家の門に貼り付けたところ、美しい女も灯籠を持った娘も、二度と姿を見せなくなったのです。
回去貼大門口、女的還是小女兒都不得再來了。

それから、五十日ほどが過ぎました。
之後平安渡過五十天。

新之丞は東寺へ出かけて、今日まで無事に過ごせたお礼をしました。
新之丞也是再去東寺、想跟行家返個謝禮。

その日の夜、お供の男を一人連れていたので、東寺を出てお酒を飲みましたが、お酒を飲むと、むしょうに女に会いたくなって、お供の男が止めるのも聞かず、万寿寺(まんじゅじ)へ出かけて行ったのです。
還有個陪同的男的一起來、這天夜、二個人就一起去吃酒、幾杯酒落肚、這就突然想起女的來了、一起來的男的也港不聽新之丞、這就往萬壽寺去了。

万寿寺に着くと、あの女が現れ、
到地方、也看到女的啦。

「毎晩、お会いしましょうと、あれほど固くお約束をしましたのに。
明明答應好我們二個人每天晚上見面、都那麼到港好了。

あなたさまのお気持ちが変わってしまい、それに東寺の修験者にも邪魔をされて、本当にさみしゅうございました。
你變心了、中間也有其他人到作手、我真的好想你啊。

・・・でも、あなたさまは来てくだされました。
但你還是來了。

お目にかかれて、本当にうれしゅうございます。
看到你我好高興。

さあ、どうぞこちらへ」
進來吧。

「うむ、そなたにつらい思いをさせるとは、まことにすまん事をした。
讓你遭罪了。

そなたが、何者でも構わぬ。
これからは、二度と離れぬ」
你就是鬼、我也願了
以後都不得再離開你。


「・・・うれしい」


新之丞は女に手を取られて、そのまま奥の方へ連れて行かれました。
新之丞的手被女的牽到、這就越走越進去了。

後をつけてきたお供の男は、腰を抜かすほどビックリして、
後面陪他來的男的就抖啊抖啊抖。

「た、たっ、大変だ! 新之丞さまが、あの女に誘い込まれて、寺の墓地の方へ!」
新之丞被女的遷到手往廟裡的靈屋方向走。

と、隣近所に言ってまわりました。
男的的大聲嬉、想讓所有人都曉得快來幫忙。

それで大騒ぎになり、みんなして万寿寺の北側の、たまやがある所へ行ってみました。
動靜一大所有人都往靈屋的地方去了。

しかし新之丞は棺の中へ引き込まれて、白骨の上へ重なるようにして死んでいました。
但是新之丞已經被女的邀入龕中、重到白骨上面死的那裡的。

女に精を吸い取られて新之丞は老人のようにやつれていましたが、その口には笑みが浮かんでいました。
新之丞被女的吸乾精氣、面容衰老、形似枯木、唯獨就是嘴角邊掛到滿足的笑意。

万寿寺では気味悪く思って、そのたまやを別の場所へ移しました。
這死態也是港影響不好、幫新之丞的殘軀重新邏個其他地方埋了。

しばらくして、雨が降る夜には新之丞と若い女が、牡丹の花の灯籠を持った娘とともに京の町を歩く姿が見られ、それを見た者は重い病気にかかるとうわさが立ちました。
過不了好久、雨夜、新之丞還有條年輕女的、最前面還有個打燈籠的小女兒、這就有人看到他們到街上走、都港是看到這條的所以才噶的卵、全都害病到床上動不了。

新之丞の親類(しんるい)の人たちが手厚く供養(くよう)をしましたが、魂が迷い歩かないようになるまでには、かなりの時間がかかったという事です。
新之丞親戚也是花時間下功夫幫他這條廟那條廟訪、相當長的時間這魂魄才得以安息。

おしまい
结束

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