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9月15日の百物語

鬼がっ原の一つ目

鬼がっ原の一つ目

 むかしむかし、でっち(→住み込みで働く子ども)の長吉(ちょうきち)が、鬼がっ原の向こうまでお使いに行きました。
 鬼がっ原とは、化け物が出るとうわさされる原っぱです。

(日は暮れてくるし、通る人は誰もいないし、・・・嫌な感じだな)
 長吉が重いふろしき包みを背負いながら不安げに歩いていると、後ろの方から、
 ピタピタッ、ピタピタッ
と、奇妙な音が聞こえてきました。
 長吉が恐る恐る後ろを振り返ると、一匹のイヌが長吉の足元を走り抜けて行きました。
(なんだ。イヌか)
 イヌは向こうの大きな柳(やなぎ)の木の所まで行くと、急に止まりました。
 ふと見ると、前から、きれいな着物を着た小さな女の子が歩いてきます。
 イヌは女の子の足元に鼻を近づけると、くんくんとにおいをかぎながら女の子のそばを離れません。
「こら、あっちへ行って。しっ! しっ!」
 女の子がいくら追い払ってもイヌは離れず、やがてイヌは怖い顔になると、
 ウウッー! ウウッー!
と、うなり声をあげました。
「きゃぁっ!」
 女の子がおびえた様に立ち止まる、イヌは女の子に向かって激しく吠え出しました。
 ワンワンワン! ワンワンワン!
 女の子は怖くなって、とうとう泣き出してしまいました。
(おやおや、かわいそうに)
 長吉は急いで女の子に近づくと、持っていたかさを振り上げてイヌを追い払いました。
「ありがとう」
 女の子が、少し震えた声でお礼を言いました。
 女の子は恥ずかしいのか、うつむいたままなので顔がよく見えませんが、とうふを乗せたおぼんを大事にかかえています。
「大丈夫かい? たった一人で、鬼がっ原のとうふ屋まで行ってきたのかい?」
 長吉が聞くと、女の子はコクンとうなずきます。
(まだ小さいのに、感心だなあ。この原っぱには、化け物が出るというのに)
 長吉は心の中でつぶやくと、女の子に言いました。
「さっきのイヌが来るといけないから、一緒にいてあげるよ。家はどこなの?」
「あの橋の、すぐ向こう」
「じゃあ、そこまで送っていくよ」
 二人が橋を渡って竹やぶへ入ると、小さなわらぶきの家がありました。
「ここなの」
「そう。じゃ、さようなら」
「さようなら、送ってくれてありがとう」
 女の子はそう言って、顔を上げるとにっこり微笑みました。
「あっ!」
 女の子の顔を見た長吉は、言葉を失ってしまいました。
 なんと女の子の顔は、ひたいのまん中に大きな目が一つあるだけだったのです。

おしまい

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