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9月27日の百物語
(9月27日的日本鬼故事)
鬼のうで

鬼の腕
鬼手

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読 : 佐々木久美子

明治になって間もない頃、浅草(あさくさ)に、田宮義和(たみやよしかず)という元侍の男が住んでいました。
明治初期、淺草、有個本來是武士的住這裡的。

田宮はどこで手に入れたのか、『鬼の腕』という、不思議な物を持っていました。
田宮不曉得是從甚麼地方搞來一條鬼手的稀罕東西。

その腕は田宮の言う事を何でも聞き、家の掃除から洗濯、食事の用意から身のまわりの世話まで、田宮は全て鬼の腕にやらせていたのです。
這條手膀子聽到懂人話、屋裡的甚麼事、洗衣掃地做飯、田宮都喊這條鬼手去做。

驚く事に銭湯へも鬼の腕を連れて行って、背中を流させたり肩や腰をもませたりしました。
後面洗澡的時候也讓鬼手跟到、幫自己搓背。

「この腕は、女房みたいなものだ。
跟條婢女樣的。

いや、人間の女房以上に、よく働くぞ。
不、比起人還是這條鬼手更肯做。

それに飯も食わせんでよいし、着物をねだられる心配もない」
而且吃飯穿衣甚麼的都不要操心。

ある冬の事。
冬天

富山(とやま)の薬売りが、毎年薬を買ってくれる田宮の家へやって来ました。
從富山來條藥客、每年這個時候藥客都會到田宮屋裡來賣藥。

「こんにちは、いつもの薬売りです」
今年子我又過來了啊

薬売りがいくら呼んでも、返事がありません。
藥客一直喊、但是始終覓人應

そこで薬売りは家へあがって、部屋の障子(しょうじ)をそっと開けてみました。
藥客就進了屋、拉開紙門。

「ウギャーーッ!」
尖叫

薬売りは、大声を上げました。
藥客大聲一嬉

なんと部屋の中で、田宮が目をむいて倒れていたのです。
原來是主人兩眼一翻死裡面的。

あお向けに倒れた田宮の喉を、鬼の腕がしめつけていました。
腦殼朝天、喉嚨上面被條手死死鎖到的。

やがて知らせを聞いて、田宮の家に役人がやって来ました。
這就報官喊來衙役。

役人は、田宮を調べて言いました。
別個稍微調查了哈子。

「うむ。田宮は鬼の腕に首をしめられて、殺されたに違いない」
是著鬼手掐死了、應該覓(沒)錯

役人たちは鬼の腕を首から離そうとしましたが、指がしっかり首に食い込んでいて、どうしても離す事が出来ません。
幾個人想幫手先從顜頚上面取下來、但是幾個手指頭硬死幫喉嚨箍死了。

「仕方ない、そのまま連れて行け」
那就那麼到帶過去啊

田宮は首に鬼の腕をくっつけたままで、土葬(どそう→死体を火葬せずに、土に埋めること)されました。
這人下葬的時候顜頚上面都還鎖到有條手。

埋葬(まいそう)が終わった後、役人の一人が線香(せんこう)をあげながら言いました。
入了土、這也就跟死人燒香。

「どうも、この鬼の腕は女のものらしい」
突然港句、這鬼手應該是條女的得。

すると、別の役人が不思議そうにたずねました。
其他人就想曉得為甚麼會這麼覺得。

「どうして、そんな事がわかるのですか?」
你連這條都曉得啊?

「うむ、あの鬼の腕は、細くてやさしい指をしておった。
我之前看那條鬼手指頭細細嫩嫩的。

だが、ずいぶんと田宮にこきつかわれたとみえて、ひどい赤ぎれじゃ。
但是著田宮要求這條那條、變得非紅非紅。

どういう経緯で田宮に使われる様になったかは知らぬが、かわいそうな事よ」
也不曉得這鬼手是為甚麼要服侍田宮、不過攤上這事也是著孽

役人は線香をもう一本とると、今度は鬼の腕の為に手を合わせました。
管事的人又點了一根香、這次是禱告鬼手

おしまい
结束

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