今日の江戸小話 福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 3月の江戸小話 > おいはぎ

3月15日の小話

おいはぎ

おいはぎ

♪おはなしをよんでもらう(html5)
朗読 : 青のぷよの世界♪

 無敵流指南(むてきりゅうしなん)と書かれた大きな看板をかけた、道場(どうじょう→武術などを習うところ)がありました。
 ある日の事、弟子たちが集まって言いました。
「知っているか? この頃は宿はずれの松原(まつばら)に、夜な夜なおいはぎが出るそうな」
「知っているぞ。確かゆうベも、侍がが身ぐるみはがされたそうな」
「へえ、侍がねえ」
「そうよ。おいはぎの奴は、えらく腕が立つらしい」
 すると、そこへ現れたこの道場の主、無敵流の大先生が言いました。
「あっはははは。
 いくら腕が立つと言っても、たかがおいはぎ
 やられた侍が、ふがいないのさ。
 どーれ、今夜は一つ、拙者(せっしゃ→武士が、自分をふりくだっていう言葉)が、そやつの着物をはぎ取ってくれよう」
「おおっ、さすがは大先生」
「大先生、お頼みします」

 さて、夜になると大先生は、十人ばかりの弟子を引き連れて、おいはぎの出る松原ヘと出かけました。
「さあ、お前たちはここで待っておれ。ここから先は、拙者一人で行ってくる」
 そう言って大先生は一人で行ったのですが、しばらくすると身ぐるみはがされて、真っ裸で帰ってきたのです。
 弟子たちは、びっくりして尋ねました。
「大先生! どうなさいました!」
 すると大先生は、口に指を当てて言いました。
「しーっ、静かに。大声を出すとおいはぎ様に聞こえるではないか」

♪ちゃんちゃん
(おしまい)

前のページへ戻る


     3月15日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
靴の記念日
きょうの誕生花
山丹花(さんたんか)
きょうの誕生日・出来事
1963年 肥後克広 (芸人)
恋の誕生日占い
笑顔が素敵で、ちょっぴりドジ
なぞなぞ小学校
冷えてても熱いと言われるケーキは?
あこがれの職業紹介
気象予報士
恋の魔法とおまじない 075
好きな人を不幸な事から守るおまじない
  3月15日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
おむすびコロリン
きょうの世界昔話
アザラシのお母さん
きょうの日本民話
雑炊橋(ぞうすいばし)
きょうのイソップ童話
オオカミと子ヒツジ
きょうの江戸小話
おいはぎ
きょうの百物語
化け物にとられた魔除けの名刀

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ