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1月18日の日本民話
桜島大根汁
鹿児島県の民話→ 鹿児島県情報
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むかしむかし、二人の仲の良い兄弟が、それぞれに家を持って住んでいました。
弟は真面目な働き者で、その日も朝早くに起きて、おいしい桜島大根を煮ていました。
するとその匂いに釣られて怠け者の兄がやって来たので、弟は煮えたばかりの桜島大根を兄に食べさせてやったのです。
すると兄は、
「ほう。ふとか大根だな。・・・もぐもぐ。うまか! こら、うまか大根じゃ。どうやって作った?」
と、尋ねるので、弟は笑いながら答えました。
「簡単じゃ。このなべは大根を入れておくだけで、こげにうまく煮えるんじゃよ」
「ほうー、それは簡単じゃ」
兄はなべを弟から借りて帰ると、さっそく桜島大根を放り込みました。
「火をたかんでも、ええちゅうことじゃし、一寝入りするか」
さて、しばらくして起きた兄は、桜島大根の様子を見てびっくり。
「何じゃ。全然煮えとらんとぞ、プカプカ浮いとるだけだ」
兄は頭をかしげながら、弟の家に桜島大根の煮方を教えてもらいに行きました。
「兄さん、いくらよかなべでも、大根を切って入れるだけじゃ、煮えんよ」
弟はそう言って、桜島大根の煮方を丁寧に教えてやりました。
「まずは朝早うに起きて、なべにたっぷりの水と大根を入れて、木の枝をくべるんだ。そいで、川の土手に行って牛のエサになる草をカゴいっぱいに切って帰ってくる。すると、うまか大根が煮えとるだ」
さあ、それを聞いた兄はうまい桜島大根を食べたい一心で、翌朝早くに起きてなべにたっぷりの水と桜島大根を入れると、木の枝に火をつけてぐつぐつと煮始めました。
そして眠い目をこすりながら、牛のエサになる草を切りに出かけたのです。
「ああーっ、眠いけんど、草を刈らんと大根が煮えんでのう」
やっと草がカゴいっぱいになった兄は、急いで家に向かいました。
家の戸口まで来ると、大根を煮込んだ良いにおいが、ぷーんとただよってきます。
兄は草カゴを放り出すと、うまそうに煮えた大根を口に放り込みました。
そのおいしさといったら、涙が出てくるほどです。
「うまか! 働いた後の大根汁は、格別じゃ!」
その後、おいしい桜島大根汁を食べる為に、兄は村一番の働き者になったという事です。
おしまい
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