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3月8日の日本民話
カメとイノシシ
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、カメはとても足が長くて背の高い動物でした。
ある日の事、けものたちが集まって力比べを始めました。
その頃、力が一番強かったのはイノシシです。
だからイノシシはいつも大いばりで、力比べの場所に来ると、
「エヘン、エヘン」
と、偉そうにしていました。
さあ、これを見てくやしくなったカメは、自分もイノシシの真似をして、
「エヘン、エヘン」
と、やりました。
これを聞くと、イノシシはますます大きな声を出して、
「エヘッン! エヘッン!」
と、やりました。
すると、カメも負けじと、
「エッへーン! エッヘーン!」
イノシシも負けじと、
「エッヘーン!!! エッヘーン!!!」
二人はにらみ合いましたが、カメが言いました。
「イノシシくん、ちょっと尋ねるが」
「何だい」
イノシシが、長い首をカメに向けました。
その頃のイノシシは今と違って、とても首が長い動物だったのです。
「きみは、少しばかり力があるのが自慢なんだそうだね。・・・まあ、ぼくにはかなわないだろうけど」
カメが言うと、怒ったイノシシが、
「何だとー! 踏みつぶしてやる!」
と、カメを甲羅の上から押さえつけました。
押さえつけられたカメも足をふん張って頑張っていたのですが、イノシシの力がよほど強かったのか、カメの足がギュギュギューと、だんだん短くなっていったのです。
おまけに硬いカメの甲羅もメシメシメシーと、ヒビだらけになってしまいました。
それでカメの足は、あのふん張ったような短い足になってしまい、硬い甲羅もヒビだらけになってしまったのです。
「へへーん。ざまあみろ!」
勝ったイノシシは、うれしさのあまり勢い良く走り出しました。
でも、よそ見をしていて前にあった大岩に激しく頭をぶつけてしまい、ギューーと、長かった首が縮んでしまいました。
それでイノシシの首は、今のように短くなってしまったのです。
おしまい
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