福娘童話集 > きょうの日本民話 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本民話 > 8月の日本民話 >とうふとおみそのけんか

8月28日の日本民話

とうふとおみそのけんか

とうふとおみそのけんか
広島県の民話広島県情報

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

♪音声配信(html5)
音声 ハッサン ハッサンの窓

 むかしむかし、とうふとおみそは、けんかばかりしていました。
 ある時、とうふがおみそに言いました。
「あなたはいつも黒い色をしていて、しかもベタベタで変な匂い。おかげでわたしの白い体まで汚れて、臭くなるではありませんか」
 すると、おみそが怒って言い返しました。
「何だと! おれのどこが臭いものか。それに人間はこの匂いが好きで、毎日みそ汁にして飲むじゃないか! だいたい、お前はいくら色が白くても、全然味がないじゃないか!」
「味がないですって! とんでもない。わたしは一緒に煮る物によって、いくらでもおいしい味になれるのですよ。それに比べて、あなたいつだって臭いし、おまけに辛いじゃありませんか」
「何だと。人に臭いや辛いや偉そうな事を言っても、お前は包丁(ほうちょう)で切られたり、おはしで崩されたら、バラバラになってお終いじゃないか」
「ふん! わたしは体が崩れたって、おみそみたいに溶けたりはしませんからね。どんなに小さくなっても、とうふはとうふですよ」
「もう、かんべん出来ない!」
 おみそはくやしくなって、とうふに飛びかかろうとしました。
 するとその時、
「ちょっと、待った!」
と、二人の間にコンニャクが飛び込んで来ました。
「こらこら、二人とも、つまらん事でけんかをするんじゃない。このわしを見てみろ。色は黒いし、体は切られるし、おまけに味もない。それでもジッと我慢しているんだぞ」
「・・・なるほど」
「・・・確かにに、その通りね」
 とうふとおみそは、つくづくとこんにゃくの体を見ました。
「それに良く考えてみろ。お前たちは元々、大豆(だいず)から出来ていて、いわば親戚(しんせき)同士じゃないか。親戚同士でけんかをするなんて、とんでもない。わしなんか、誰も親戚がいなくていつも一人ぼっちだ」
 そう言ってコンニャクは、プルプルと体を震わせました。
 するとおみそが、とうふに言いました。
「そうだ。こんにゃくの言う通りだ。おれたちは親戚同士、仲良くしなくちゃいかん」
 とうふも、言いました。
「本当にね。変な事を言ってごめんなさいね。これからはコンニャクさんも一緒に、みんな仲良くしましょう」
 そこで、とうふとおみそとコンニャクは一緒になって、おみそ汁という、おいしい料理になったという事です。

おしまい

前のページへ戻る


     8月28日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
バイオリンの日
きょうの誕生花
桔梗(ききょう)
きょうの誕生日・出来事
1993年 雨宮天(声優)
恋の誕生日占い
精神年齢は高いのに、むじゃきで可愛い妹タイプ
なぞなぞ小学校
脳の中にある固い物は? (漢字なぞなぞ)
あこがれの職業紹介
振り付け師
  8月28日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
ツバメの宿賃
きょうの世界昔話
ロンドン橋
きょうの日本民話
とうふとおみそのけんか
きょうの日本民話 2
見てはいけない座敷
きょうのイソップ童話
羽根を切られたワシとキツネ
きょうの江戸小話
命より皮が大事
きょうの百物語
おばあさんに化けた古オオカミ

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ