福娘童話集 > 日本の民話 2 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集


福娘童話集 > 日本の民話 その2 > 1月の日本民話

1月12日の日本民話 2

うでをみがいた兄弟

うでをみがいた兄弟
岡山県の民話岡山県情報

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「幼児教室のせんせい まる / M A R U

 むかしむかし、あるところに、仲のよい三人の兄弟がいました。
 ある時、一番上の兄さんが言いました。
「わしらも、もう一人前の大人だ。これから旅へ出て、何か腕をみがいてこようではないか」
 あとの二人も賛成し、三人は旅に出ることにしました。
 しばらく行くと、道が三つにわかれています。
 そこで、一番上の兄さんが言いました。
「それじゃ、三人べつべつの道を行こう。三年たったらもどってきて、それぞれの腕前を見せっこしよう」
 一番上の兄さんは、右の道を行きました。
 二番目の兄さんは、まん中の道を行きました。
 すえっ子は、左の道を行きました。
 それから、三年がたちました。
 三人の兄弟は約束どおり、自分の家にもどってきました。
 一番上の兄さんが、すえっ子に聞きました。
「お前は、何を習ってきた?」
「おら、散髪屋(さんぱつや)で腕をみがいてきた」
「なるほど。で、お前は何を習ってきた?」
 二番目の兄さんに聞きました。
「おらはかじ屋で、ウマの金ぐつを作る腕をみがいてきた」
「なるほど、二人ともよくがんばったな」
「それで兄さんは、何を習ってきた?」
 すえっ子が聞きました。
「おらは、侍屋敷で柔術(じゅうじゅつ)を習ってきた。どんなものだって投げとばせるぞ」
「へえ、すごいなあ」
 二人の弟が感心していると、ウサギがピョンピョンとかけてきました。
「よし、おらの腕前を見せてやる」
 すえっ子は飛び出すなり、手に持ったハサミで、はねているウサギの毛をきれいにかりとってしまいました。
 もちろん、ウサギにはキズ一つありません。
「おみごと!」
 一番上の兄さんと二番目の兄さんが、手をたたきました。
 するとそこへ、ウマに乗った人が通りかかりました。
「ようし、今度はおらの番だ」
 二番目の兄さんは飛び出すなり、歩いているウマの四本の足の金ぐつを、新しいのにとりかえてしまいました。
 あまりにも素早くて、ウマも乗っている人も、金ぐつをとりかえた事に気づきません。
「おみごと!」
 今度は、一番上の兄さんとすえっ子が手をたたきました。
「二人とも大した腕前じゃ。やっぱり旅に出かけてよかった」
 一番上の兄さんがよろこんでいると、きゅうに大雨がふってきました。
 弟たちが、あわててかけだそうとすると、
「待て待て、ここはおらにまかせておけ」
 言うなり、一番上の兄さんはふりかかってくる雨つぶを、両手で素早くはねかえしました。
「おみごと、おみごと」
 言いながら弟たちは、一番上の兄さんのおかげで雨にぬれずに、家に帰っていきました。
 家にもどった三人兄弟は、それからも自分の腕をみがいて、いつまでも仲良くくらしたという事です。

おしまい

前のページへ戻る


     1月12日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
スキーの日
きょうの誕生花
ラケナリア(Lachenalia)
きょうの誕生日・出来事
1986年 イモト アヤコ (タレント)
恋の誕生日占い
ボランティア精神が高く、人の為に頑張る
なぞなぞ小学校
はく事は出来るのに 脱ぐ事は出来ない物は?
あこがれの職業紹介
バーテンダー
  1月12日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
クッカルとカラス
きょうの世界昔話
ホジャおじさんのだまし勝負
きょうの日本民話
キツネの恩返しA
きょうの日本民話 2
うでをみがいた兄弟
きょうのイソップ童話
ハエたち
きょうの江戸小話
焼き氷
きょうの百物語
大うなぎのたたり

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ