福娘童話集 > 日本の民話 2 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集


福娘童話集 > 日本の民話 その2 > 2月の日本民話

2月4日の日本民話 2

キュウリを食べない村

キュウリを食べない村
徳島県の民話徳島県情報

♪音声配信(html5)
朗読者 : ひろりん

 むかしむかし、阿波の国(あわのくに→徳島県)の山里にすむ男が川で魚釣りをしていると、川上から一本のキュウリが流れてきました。
 ヘチマのように大きなキュウリで、キュウリの上に、なにかがチョコンとのっています。
「はて、あれはなんだろう?」
 男は釣りざおを使って、流れてくるキュウリをひきよせました。
 大きなキュウリの上にのっていたのは、十センチほどの、木彫りの小さな神さまの像でした。
 男はビックリして、釣りざおをそこに置いたまま、ご神体(しんたい)とキュウリを持って、村の人たちのところへ走っていきました。
 ご神体はあまりにも神々しく見えるので、思わず手をあわせておがむ人たちもいたほどです。
 男はそのご神体をたいせつに家に置いて、家の守り神としてあがめるといいましたが、村の人たちが、
「わしらの家のような、そまつなところに置くのは失礼じゃ。ばちがあたるかもしれんぞ。山の奥から流れてきた、ありがたいご神体だから、これはちゃんと社(やしろ)をたてて、おまつりしなければなるまい」
と、いうので、みんなで小さな社をたてて、ご神体をまつることにしたのです。
 そのとき、ご神体がのってきた大きなキュウリを、二つに切ってみました。
 中はふつうのキュウリと同じで、べつにかわったものはでてきませんでしたが、切り口の模様(もよう)があまりにも立派(りっぱ)だったので、その模様をご神体のしるしにすることにしました。
「キュウリは、このご神体がのってこられたものだ。いってみれば、この神さまのおみ足のようなものじゃ。それを食べることはおそれおおいことじゃ」
と、この村ではキュウリをいっさい口にしないことにしたという事です。


おしまい

前のページへ戻る


     2月 4日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
銀閣寺の日
きょうの誕生花
椿(つばき)
きょうの誕生日・出来事
1953年 山下達郎 (シンガー)
恋の誕生日占い
自分の思った通りに行動する
なぞなぞ小学校
交差点の周りに出来る『まち』は?
あこがれの職業紹介
ベビーシッター
  2月 4日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
頭の池
きょうの世界昔話
マウイの仕事
きょうの日本民話
尻鳴りしゃもじ
きょうの日本民話 2
キュウリを食べない村
きょうのイソップ童話
近所に住む2匹のカエル
きょうの江戸小話
ほどほどに
きょうの百物語
馬にされた若者

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ