福娘童話集 > きょうの日本昔話 福娘童話集 きょうの日本昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 2月の日本昔話 > 頭の池

2月4日の日本の昔話

頭の池
イラスト 柴田伸子  サイト 昔話で販促!

頭の池
秋田県の民話 → 秋田県の情報

日本語 ・日本語&中国語 ・日本語&客家語



※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「ちょこもち」  ちょこもち

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
柿の折り紙かき   茸の折り紙きのこ  魚の折り紙さかな

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

♪音声配信(html5)
音声 ヤマネコギン

 むかしむかし、あるところに、どうにも貧乏な男がいました。

頭の池

「人並みに暮らしたいなあ。・・・そうだ、観音様(かんのんさま)にお願いしてみよう」

頭の池

 男が村の観音様に通って、お参りを続けていると、ある晩、観音様が現れて、
「いいだろう。お前の願い、叶えてしんぜよう。夜が明けたらお宮の石段を降りていって、最初に見つけた物を拾い、それを大事にしなさい」
と、告げました。
 やがて男が石段を降りて行くと、何か落ちています。
「ははん。これだな」
 拾いあげると、それはカキのタネでした。

頭の池

「何だ、こんな物か」
 男は捨てようかと思いましたが、せっかくお告げをもらったのですから粗末に出来ません。
 ありがたくおしいただくと、これは不思議。

頭の池

 カキのタネが男のひたいにピタッと張り付いて、取ろうにも取れません。
「まあいい、このままにしておこう」
 すると間もなく、カキのタネから芽が出て来ました。

頭の池

 芽はズンズン伸びて、立派な木になりました。
 男がたまげていると、カキの木は枝いっぱいに花をつけ、花が終わると鈴なりに実をつけました。

頭の池

「うまそうだな。試しに食べてみよう」
 男が食べてみると、甘いのなんの。
 男はさっそく、町へカキを売りに行きました。
「頭にカキの木とは、珍しい」
「おれにもくれ」
「おれもだ」
 カキは、飛ぶ様に売れました。
 男はお金をふところにホクホク顔でしたが、面白くないのは町のカキ売りたちです。
「おれたちの商売を、よくも邪魔したな!」
 男を囲んで袋叩きにすると、頭のカキの木を切り倒してしまいました。
「ああ、もう、金もうけ出来ない・・・」

頭の池

 男がしょげていると、切り倒されたカキの木の根元に、カキタケという、珍しいキノコが生えてきました。

頭の池

 おいしいキノコなので男が売りに行くと、これまた飛ぶ様に売れました。
 面白くないのは、町のキノコ売りたちです。
「おれたちの商売が、あがったりだ!」
 男を囲んで袋叩きにすると、カキの木の根元を引っこ抜いてしまいました。

頭の池

 男は、ガッカリです。
 頭には、大きなくぼみが出来てしまいました。
 やがてこのくぼみに雨がたまって、大きな池が出来ました。
「こうなったらいっその事、池に身投げをして死んでしまいたい」
 男がなげいていると、頭の池でパチャンとはねるものがありました。
 手に取ってみると、大きなコイです。
 頭の池にはいつしか、コイやらフナやらナマズやらが育っていたのです。

頭の池

 男は頭の池の魚を売りに行って、またまたお金をもうけましたが、町の魚売りたちはあきれて、ポカンとながめているだけでした。

おしまい

☆おしらせ☆

この昔話でつくった大人からこどもまで楽しめる販促ツールがあります。

「昔話で販促!」

前のページへ戻る

     2月 4日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
銀閣寺の日
きょうの誕生花
椿(つばき)
きょうの誕生日・出来事
1953年 山下達郎 (シンガー)
恋の誕生日占い
自分の思った通りに行動する
なぞなぞ小学校
交差点の周りに出来る『まち』は?
あこがれの職業紹介
ベビーシッター
恋の魔法とおまじない 035
おならをがまんするおまじない
  2月 4日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
頭の池
きょうの世界昔話
マウイの仕事
きょうの日本民話
尻鳴りしゃもじ
きょうのイソップ童話
近所に住む2匹のカエル
きょうの江戸小話
ほどほどに
きょうの百物語
馬にされた若者

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ