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福娘童話集 > 日本の民話 その2 > 7月の日本民話

7月16日の日本民話 2

化け物に借りた、傘と下駄

下駄貸そか? 傘貸そか?
福井県の民話福井県情報

 むかしむかし、泉村(いずみむら)と言うところに、九右衛門辻子(くうえもんずし)と呼ばれている小道がありました。
 小道の左には竹やぶがあり、右には良覚寺(りょうかくじ)の墓場があります。
 この小道は雨の夜になると、
「下駄(げた)貸そか? 傘(かさ)貸そか?」
と、気味の悪い声がするそうです。
 だから日が暮れると、みんなは怖がってそこを通りませんでした。

 ある雨の夜の事、泉村の彦三郎(ひこさぶろう)という男が、酒に酔ってこの小道を通りかかりました。
 すると竹やぶから、気味の悪い声がしました。
「下駄貸そか? 傘貸そか?」
 彦三郎は小道に現れる化け物の話を知っていましたが、酒のせいで気が大きくなっているので大きな声で言いました。
「おおっ、貸してくれると言うのなら、貸してもらおうか」
 そして竹やぶから踊り出た唐傘(からかさ)と高下駄(たかげた)を、そのまま家に持って帰ったのです。

 さあ、これを見て彦三郎の奥さんはびっくりです。
「お前さん、なんて物を持って帰るんだい! 明日の朝一番に、竹やぶへ傘と下駄を返してきておくれ!」
 奥さんはそう言うと、酔いつぶれて寝てしまった彦三郎の横で、頭から布団をかぶりました。
 そして一睡もできないまま朝を迎えた奥さんは、恐る恐る土間(どま)に置いてある傘と下駄を見に行きました。
 すると傘と下駄は、馬の足の骨と馬のわらじに変わっていたそうです。

 竹やぶの化け物の正体はカワウソで、こうして人をだましては喜んでいると言われています。

おしまい

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