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2月22日の世界の昔話

白いマス

白いマス
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 むかしむかし、たいへん美しいお姫さまが、湖のそばのお城で暮らしていました。

 ある日の事、お姫さまと結婚をする事になっていた王子さまが、急な病気で死んでしまいました。
 それを知ったお姫さまは悲しみにたえきれず、どこかへ姿を消してしまいました。
「姫さまは、どこへ行かれたのだろう?」
「もしかすると、妖精に、さらわれてしまったのだろうか?」
「そうかもしれないな」
 人々は、そう噂をしました。

 それからしばらくたって、川に見た事もない白いマスが現れました。
「あの白いマスは、妖精にちがいない。捕らずにそっとしておこう」
 人々は白いマスを大切に見守っていましたが、ある時、乱暴な兵隊がやって来て言いました。
「うまそうなマスだな。おれが食べてやる」
「とんでもない。あれは妖精なんですよ」
 人々は、必死で止めましたが、
「妖精だ? 馬鹿馬鹿しい!」
と、兵隊はマスを捕まえて家へ持って帰ったのです。

 家に帰った兵隊はフライパンを火にかけて、ジュウジュウと煮えた油の中にマスを放り込みました。
 するとフライパンの中から、人間の様な泣き声が聞こえました。
「あはははははっ、おかしなマスだな」
 少したってから、兵隊はマスを裏返しました。
「おや? 変だな、少しも焼けていない」
 それからしばらくして、もう一度裏返しましたが、マスには焼けた跡がつきません。
「おかしいな? 火が弱いのか?」
 兵隊は火を強めましたが、やっぱりマスには焼けた後がつきません。
「ええい、もう待っていられない。生焼けでも良いから、食べてしまおう」
 兵隊がマスにナイフを突き立てたその瞬間、マスがフライパンから飛び出しました。
「わぁ!」
 驚く兵隊の目の前に、白い服を着た美しいお姫さまが立っていました。
 美しいお姫さまは、兵士をにらみつけて言いました。
「お前、わたしに傷をつけたわね!」
 見てみると、お姫さまの腕から血が流れています。
「大事なお務めをしていたのに、よくも邪魔ををしてくれたわね。
 わたしは水路から来て下さるはずのあのお方を、ずっと待っていたのです。
 もし、わたしがいない間に来られて、お会い出来なかったら、お前をトゲウオに変えてしまうからね!」
 兵隊はお姫さまに、ひれ伏して謝りました。
「あなたさまがお務めをしていらしたとは、ちっとも知りませんでした。どうかお許し下さい!」
「では、早くわたしを元の川に返しなさい」
「はっ、はい。すぐに!」
 ひれ伏していた兵隊が顔をあげると、目の前に美しい白いマスが横たわっています。
「大変だ! こうしている間にも、お姫さまの待つお方が訪ねてくるかもしれない」
 兵隊は白いマスを皿にのせると、走って走って川へ行きました。
 そして川へ着くと、すぐにマスを放しました。
『ポチャン!』
 その時、川の水が少しの間、血の様に赤くなりました。

 その後、お姫さまのマスがどうなったかは誰にも分かりません。
 ただその時から、マスの脇腹には赤い印がついているのだそうです。

おしまい

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