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12月30日の世界の昔話

ものしりフクロウ

ものしりフクロウ
ポーランドの昔話 → ポーランドの国情報

 むかしむかし、あるところに、ブラーチョクという人がすんでいました。
 えらい人でもなく、お金持ちでもない、ただのおひゃくしょうでしたが、とてもかしこい人でした。
 ある日、ブラーチョクは町へいきました。
 そして息子のみやげに、目玉のギョロギョロしているフクロウを買いました。
「さあ、日のくれぬうちに村へかえろう」
 ブラーチョクは、フクロウを肩にとまらせてかえりをいそぎました。
 けれども、まだ半分もこないうちに日がくれてしまいました。
「しかたがない。今夜はつかれているし、どこかヘとめてもらおう」
 そう思って、あたりを見まわすと、むこうにあかりのついた家があります。
 ブラーチョクは、さっそくそばへいって、まどからのぞいてみました。
 まっ白なテーブルかけをかけたテーブルに、フカフカのおまんじゅうと、ガチョウのまる焼きと、ハチミツ酒のビンがならんでいます。
 そのそばに若い女の人がすわって、ぬいものをしています。
「しめた。すてきな夕めしにありつけるぞ」
 ブラーチョクはうれしくなって、まどをトントンと、たたきました。
「どなた? メーテック、おまえさんなの?」
「こんばんは。とおりがかりの者です。ちょっと火にあたらせてくれませんか?」
 おかみさんはあわてて、へやじゅうをかけまわりました。
 たちまち、テーブルの上のおまんじゅうは、ねり粉のおけにとびこみ、ハチミツ酒のビンは、箱の中、ガチョウのまる焼きは、だんろの中にかくれました。
「やれやれ。なんてことだ」
 ブラーチョクがガッカリして、まどからはなれようとしたとき、一台のウマそりがはしってきて、その家の前にとまりました。
 中から毛皮のコートを着た人がおりてきて、大声でどなりました。
「おれだ。かえったよ!」
 主人は家へはいろうとして、ブラーチョクに気がつきました。
「どなたですかね?」
「とおりがかりの者ですが、日がくれてこまっています、ひと晩とめていただけませんか?」
 ブラーチョクは、たのみました。
「さあさあ、どうぞ。いつだってお客は大かんげいですよ」
 主人はブラーチョクをつれてうちへはいると、おかみさんにいいつけました。
「お客さんだ。ごちそうしてくれ」
「ごちそうですって? うちには、パンとお塩しかないんですよ」
「それはしかたがない。パンと塩だって、りっぱな食べ物だ。それでいいからだしておくれ」
 主人はフクロウに気がついて、ききました。
「その、ばけものみたいな鳥は、いったいなんだね?」
「これですか。もの知りフクロウといって、りこうな鳥でね。どんなことでも知っていて、うそは大ぎらいってやつですよ」
 ブラーチョクはそう答えると、こっそりフクロウの目玉をつつきました。
 フクロウはビックリして、ヘんな声をだしました。
「おや? フクロウが、なにかいいましたな?」
 主人がききました。
「はい。それが、ねり粉のおけに、まんじゅうがはいってるなんていうんですよ」
「まんじゅうが? おいおい。おけをしらべてごらん」
 けちんぼうのおかみさんは、ギロリと、フクロウをにらみましたが、しかたなくおけを見にいきました。
 そして、さもビックリしたような顔をして、おまんじゅうを出してきました。
 主人とお客は大喜びで、おまんじゅうをたべました。
 ブラーチョクは、また、もの知りフクロウをつつきました。
「こんどは、なんていってますね?」
 主人は聞くと、ブラーチョクはあたまをかしげながらいいました。
「それが、・・・きっと、でたらめでしょうがね。箱の中に、ハチミツ酒のビンがあるなんていうんですよ」
「いや、ひょっとすると、ほんとうかもしれん」
 主人はうれしそうに手をこすりながら、さけびました。
「おい、ためしにのぞいてごらん」
「またそんなことを! あるはずがないでしょう」
 おかみさんは、ますますこわい顔で、フクロウをにらみました。
 それでもテーブルの上には、ハチミツ酒のビンが出てきました。
 主人とお客はさっそくお酒をのみながら、おまんじゅうをたべました。
「だまってろ。このおしゃべりめ!」
 プラーチョクは、また自分でフクロウをつついておいて、フクロウが声をたてると、しかりつけました。
「すこしは静かにしないか。そんなことは、おまえの知ったことか」
 すると、主人がブラーチョクをとめました。
「いやいや、お客さん。そんなにしかったりしないで、あんたのフクロウのしゃべったことをおしえてくれませんか。いったい、こんどはなんていいましたね?」
「まったく、おはずかしい、このおしゃべり鳥めが!」
 ブラーチョクは、もう弱りきったというようにいいました。
「じつは暖炉の中に、ガチョウの丸焼きがあるなんて、・・・まったく、しょうのないやつですよ」
「ガチョウのまる焼きですと! ほほう、そりゃすごい。おまえ聞いたかい? ガチョウだ。それもまる焼きだ! さあ、もってきてくれ。ついでに、まだなにかないかよく見てこい」
 おかみさんは、だまって暖炉をのぞきにいきました。
 そして、ビックリしたように手をたたきました。
「まあ、あったわ。ほんとうにどうしたんでしょう。きゅうにガチョウのまる焼きが出てくるなんて。ふしぎねえ、わけがわからないわ」
 ガチョウのまる焼きが出てくると、主人はブラーチョクに、
「どうです。なんでも知っていて、うその大きらいな鳥のために、もの知りフクロウのために、かんぱいしませんか?」
と、いいました。
 こうして、もの知りフクロウのおかげで、ブラーチョクはごちそうにありつくことができました。
 そして、あくる日も、きのうのごちそうののこりもので、たっぷり腹ごしらえをして家を出ました。
 ブラーチョクを見送りながら、主人はおかしそうに、おかみさんにいいました。
「アハハハハハ。みごとにやられたなあ。あの男はたいしたやつだ。けちんぼうなおまえを、やっつけたんだからな」
 主人は、すべてを知っていたのかもしれませんね。

おしまい

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